日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

タグ:確認チェック

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題13は【人称詞】でした。
平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題13は【コミュニケーションで生じる行き違いとストラテジー】です。

問1「ノイズなどで音声が正しく伝達されない」例
3,「お名前は?」「たまだです」「はまださんですね」のように取り違えることは、電話だとよくありそうですね。

よって、正解は3です。


問2「皮肉」の例
皮肉とは、意地悪く遠まわしに避難すること(スーパー大辞林3.0)。
4,怠けている子に「本当に勉強熱心だね」と言うのは、本当はそう思っていないので、意地悪いですし、遠回しに避難しています。

よって、4が正解と思料します。


問3「パラ言語に起因する行き違い」の例
今年も登場、パラ言語
本試験が大好きなキーワードの一つです。

パラ言語とは、声の出し方、質、間の取り方、イントネーションなど、言語の周辺部分のこと。

よって、正解は4(イントネーションというパラ言語に起因する行き違い)です。


問4
1,修辞的表現…言葉を効果的に使って、適切に表現すること。

2,行為指示表現…命令・依頼など聞き手に対し何らかの行為を支持するする表現。

3,交感的言語表現…あいさつや天気の話のように関係を築くための表現で、伝達機能をもたない。

4,メタ言語行動表現… 言語行動について表現する言語行動。

問題文では、「これは余談ですが」「これは個人的な感想ですが」などとこれから行う言語行動について注釈を添えているので、メタ言語行動表現といえます。

よって、正解は4です。


問5「行き違いを防いだり修正したりするための意味交渉の仕方」
ベストセラー1位の日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第3版267頁によると、
意味交渉とは、会話の相手とのコミュニケーションが滞ったときに、言っていることを互いに通じるよう工夫する対話のことで、相手の発言が不明確で理解できないときに、発言を明確にするよう要求したり(明確化要求)、相手の発言を自分が正しく理解しているか確認したり(確認チェック)、自分の発言を相手が正しく理解したか確認したり(理解チェック)することです。

1,「じゃあ、留学してたんですね」のように、自分の理解が正しいか確認するのは、意味交渉の確認チェックです。

2,「私の話、分かりましたか」のように、相手が理解できたか確認するのは、意味交渉の理解チェックです。

3、「よく分からなくて、すみません」のように、理解できなかったことを謝るのは意味交渉ではありません。

4,「どういうことでしょうか」のように、理解のためにさらに情報を求めるのは、意味交渉の明確化要求です。

以上より、正解は3です。

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平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題8は【インターアクション】です。

問4
意味交渉とは、コミュニケーションが滞ったときに、通じるよう工夫する対話のこと。明確化要求理解チェック確認チェックなどがある。
明確化要求とは、相手の発言が不明確なとき明確にするよう要求。
理解チェックとは、相手の発言を自分が正しく理解しているか確認。
確認チェックとは、自分の発言を空いてが正しく理解した確認

選択肢3のように、詳細な関連情報を求めることは、コミュニケーションが滞ったときの工夫とはいえませんので、意味交渉にあたりません。
よって、3が正解です。


問5
フィードバックとは、他者の行動に対する何らかの反応。
訂正フィードバックとは、誤りを訂正するフィードバック。
肯定証拠(positive evidence)とは、文法的に何が可能かという情報。
否定証拠(negative evidence)とは、文法的に何が不可能かという情報。
中間言語(Interlanguage)とは、母語でも目標言語でもない、発達途上の言語体系。学習者言語(Learner language)ともいう。
 
1,訂正フィードバックによる否定証拠は母語習得でも役割を果たします。
2,インプットでは全ての誤りは分からないので、訂正フィードバックにより、 インプットでは得られなかった否定証拠を得ることができます。
3,訂正フィードバックは、誤りを正しくしますので、肯定証拠も得られます。
4,中間言語は発達している段階であり、訂正フィードバック以外でも言語能力は発達しますので、訂正フィードバックにによる否定証拠がなくても、中間言語の再構築は起こりえます。


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平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題11は【日系ブラジル人の定住者】です。

問1
1990年の出入国管理および難民認定法の改正により「定住者」の在留資格が創設され、日系三世まで就労可能になったことで、日系人の来日が増えました。バブルでした。
よって、正解は4です。


問2 学習ストラテジーのうち、間接ストラテジーに含まれるものを選ぶ問題です。
言語学習ストラテジー
○直接ストラテジー
・記憶ストラテジー
・認知ストラテジー
・補償ストラテジー
○間接ストラテジー
・メタ認知ストラテジー
・情意ストラテジー
・社会的ストラテジー
よって、正解は2の情意ストラテジーです。


問3
ロングさんは、話者同士の意味交渉によるインターアクション(やりとり)が重要というインターアクション仮説を唱えました。
意味交渉は、コミュニケーションが滞ったときに、工夫する対話のこと。相手の不明確で理解できない発言を明確にするよう要求(明確化要求)。相手の発言を自分が正しく理解したか確認(確認チェック)。自分の発言を相手が正しく理解したか確認(理解チェック)。などがあります。

シューマンさんは、学習者が目標言語集団に溶け込みたいという意識が強いほど、言語習得が促進されるといいました。これを文化変容モデル(アカルチュレーション・モデル)といいます。

以上より、正解は4です。
 

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題9は【第二言語習得研究】です。

問1
ナチュラル・アプローチの指導方針は、以下のとおりです。
①伝達技能を目標にする。
聞くことを話すことに優先させる。
話すことや書くことを強制しない(産出より理解を優先)
④形式的な「学習」よりも「習得」を中心にする(言語形式より内容を重視)
※「学習」は意識的に学んだ結果得られる知識、「習得」は自然に身についた知識。
⑤学習者の学習動機を高め、不安を少なくする(情意面に配慮する)。

よって、正解は4です。


問2
明確化要求とは、相手の発言が不明確で理解できないときに発言を明確にするよう要求すること。
確認チェックとは、相手の発言を自分が正しく理解しているか確認すること。
理解チェックとは、自分の発言を相手が正しく理解したか確認すること。
明示的フィードバックとは、誤用の存在をはっきり示すこと。
例…「これ、昨日買ってもらたのスマホです」という誤りに対し、「間違ってますよ」「これは昨日買ってもらったスマホです、が正しいです」「これ、昨日買ってもらたのスマホです?」「意味がわかりません」などと言ったり、小首を傾げたりして、誤っていることをはっきり示すフィードバック。
暗示的フィードバックとは、自然な応答の中でさりげなく訂正すること。
例…「これ、昨日買ってもらたのスマホです」という誤りに対し、「ああ、それは昨日買ってもらったスマホですか。iPhone7ですね。」とさりげなく訂正するフィードバック。

よって、正解は1です。


問3 「IRF/IRE型」と呼ばれる教室談話の典型的な例を選ぶ問題です。
IRF/IRE型クラスとは、教師が質問を出し、学習者が答え、教師がその答えに評価やフォロー・アップを加えることです。
教師の評価があるのは選択肢4だけなので、4が正解になります。


問4 
提示質問(ディスプレイ・クエスチョン)とは、すでに答えを知っている質問。学習者の理解を試すために行う。
例…時計を指して「いま何時ですか」、鉛筆を手に取って「これは何ですか」

意味交渉とは、コミュニケーションが滞ったときに、言っていることが通じるよう互いに工夫すること。明確化要求確認チェック理解チェックなどがある。

アウトプット仮説では、学習者は、自分の発話が誤りであるとことを示す否定的フィードバック(negative feedback)により修正を強要されると、意味を正確に伝えようとしてアウトプットを調整すると予測できる。これが、いわゆる「強要アウトプット(pushied output)である(以上、小柳かおる『日本語教師のための新しい言語習得概論110頁より)。

日本語教師のための新しい言語習得概論
小柳 かおる
スリーエーネットワーク
2004-11



学習者には教師ほどの知識がないので、誤用を訂正したり、意味交渉をしたり、強要アウトプットをしたりするのは難しく、簡単な提示質問が増えると思われます。
よって、正解は1です。


問5
学習者は、アウトプットしようとするときに、自分が表現したいことと、現在の能力で表現できることのギャップに気づきます。
よって、正解は3です。

以上の解説は、完全攻略ガイドの「第二言語習得研究から(266頁以下)」を参考にしました。

 

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