日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

タグ:機能シラバス

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平成26年度 日本語教育能力検定試験Ⅰの問題5において、先行シラバスと後行シラバスの特徴として最も適当な組み合わせを選ばせる問題が出題されていますが、両者の中間形態であるプロセス・シラバス(可変シラバス)もありますので、ここでシラバスについてまとめておきます。

ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』では、177頁〜178頁になります。


○シラバスの分類は2種類あります。
1,確定時期による分類。
2,項目の内容による分類。


1,確定時期による分類
・先行シラバス…コース開始前に確定
・後行シラバス…コース終了後に確定
可変シラバスプロセスシラバス)…コース開始時に緩く設定しておき、コース進行中に適宜変更を加えながら、最終的にはコース終了時に確定する(アルク『増補版 日本語教育能力検定試験 合格するための問題集』241頁(以下、アルク問題集という)  
 CD付 増補版 日本語教育能力検定試験 合格するための問題集 

2, 項目の内容による分類…『例』(アルク問題集より)。

○文法シラバス…『名詞文』

○構造シラバス…『〜は〜です』
オーディオリンガル・メソッドで用いる。文法項目を基礎から体系的に学習できる。インテンシブ・コースには向かない(以上、ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験 合格問題集第2版』139頁より)。

○場面シラバス…『郵便局で』
実際のコミュニケーションですぐに使える表現が学べる。

○機能シラバス…『依頼する』
コミュニカティブ・アプローチで用いる。機能シラバスに基づく指導では、与えられた状況で、どういう行為を、どのような言語形式を用いて遂行するか、に重きが置かれている(平成24年日本語教育能力検定試験Ⅲの問題4の問5より)。

○話題シラバス(トピックシラバス)…『日本の教育』
ナチュラル・アプローチで用いる。

○技能シラバス(スキルシラバス)…『レポート作成』

○課題シラバス(タスクシラバス)…『アパートを借りる』

○概念シラバス…『時間の表現』
言葉を使って表現したい意味(概念)をもとにしたシラバス。ウィルキンズが提唱。コミュニカティブ・アプローチで用いる。

○折衷シラバス(複数のシラバスを組み合わせたもの)
 

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は例年と同じく【外国語教授法とその日本語教授法への影響】です。

問4 オーディオ・リンガル・アプローチ(オーディオ・リンガル法)の特徴を選ぶ問題です。
なお、では、オーディオ・リンガル法の練習方法に関する問題が出されています。

1,オーディオ・リンガル・アプローチのミム・メム練習では、教師のモデル発音をまねして復唱することで発音矯正を行います。

2,オーディオ・リンガル・アプローチでは、口答能力を重視しています。利点は、文法を体系的に理解できること、反復による記憶促進および正確さの向上が期待できること。欠点は、アーミー・メソッド同様、練習が単調になりがち、コミュニケーション能力が育ちにくいこと。
四技能とは、読む・書く・話す・聞く。

3,オーディオ・リンガル・アプローチでは、ミム・メム練習パターン・プラクティス文型練習)、ミニマル・ペアの練習などで、「刺激ー反応」が繰り返され、習慣形成が促されます。

4,オーディオ・リンガル・アプローチでは、上記の口答練習を通じて、母語話者並みの正確で素早い反応が要求されます。

よって、正解は2です。


問5 コミュニカティブ・アプローチ(コミュニカティブ言語教授法)における重要な役割を果たしたシラバスとは、ウィルキンズの機能シラバスです。
機能シラバスは、誘う、依頼する、助言する、ほめるなど、言語の持つコミュニケーション上の働きを中心にしたものです。
よって、正解は3です。

なお、ではコミュニカティブ・アプローチが重視する現実のコミュニケーション過程の三つの要素に関する問題が出されています。
また、機能シラバスについては、の問5で出題されています。

 
 

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題4は【発話行為】です。

問1
発語行為とは、伝えるために何かを言う行為。
例…「iPhone7買って」とキャバ嬢がお客さんに
言うこと

発語内行為とは、発語行為と同時に遂行される行為。
例…「
iPhone7買って」とキャバ嬢がお客さんに言うことでおねだりすること

発語媒介行為とは、発話によって達成される行為。
例…「iPhone7買って」とおねだりした結果、お客さんがiPhone7買ってくれること

よって、正解は2です。



問2
「今度、国の料理をごちそうします」という発話は、依頼、命令ではないのは明らかです。
意志なのか? 約束なのか?
意志は一方行為、約束は双方行為といえます。
ごちそうするという行為は、相手が応じなければできません。双方行為です。
よって、正解は4です。


問3
間接発話行為とは、文字どおりとは異なる力を持つ発話行為のこと。

例…「iPhone7いいなー」とキャバ嬢がお客さんに言うことは、文字どおりの「感想」という機能とは別に「おねだり」という間接的な機能を持ちます。これに対しお客さんが「アップルが好きなの? 僕はXperia派だね。日本が好きだから」と答えた場合、発話の(間接的な)意図が伝わらなかったことになり、キャバ嬢が心の中で舌打ちします。


「寒いですね」という言葉の間接的な意図は、暖かくしましょうという「提案」です。
よって、正解は4です。 



問4
1,発話に間接的な意図はないと思われます。
2,「小銭ある?」という発話には、「小銭貸して?」という
間接的な意図があります。しかし、友人は、文字どおりの言葉しか返さなかったので、意図が伝わらなかったといえます。
3, 「明日は大雪だよ」という発話には、「遠足は中止かも」という間接的な意味があります。友人は「残念だなあ、楽しみにしていたのに」と答えているので、発話の意図はうまく伝わっています。
4,発話に間接的な意図はないと思われます。
よって、正解は2です。 


問5
当該コースで何を教えるかを
シラバスといいます。
機能シラバスでは、誘う、断る、謝る、お礼を言うなど、言語の持つコミュニケーション上の働きを中心に指導します。
よって、正解は1です。


以上の解説は例の本49頁、177頁を参考にしました。



 


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