日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

タグ:従属節

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題3は【日本語の名詞修飾表現】です。

問1 
内の関係の名詞修飾(連体修飾)と外の関係の名詞修飾(連体修飾)を分ける問題は、平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ 問題1の⒀にも出題されていますので、比較してみてください。

内の関係名詞修飾(連体修飾)表現とは、
「昨夜訪れたレストラン」←「レストランに昨夜訪れた」
「海水浴に行った日曜日」←「日曜日に海水浴に行った」
「社長が行なった会見」←「会見を社長が行なった」
のように修飾される名詞が修飾している節の一部であったと考えられるもの。 

一方、外の関係名詞修飾(連体修飾)表現は、そのような関係になりません。
「景気対策を批判する声」←×「声 景気対策を批判する」

よって、正解は1です。


問2
外の関係の名詞修飾には、内容(同格)節補充節があります。

内容(同格)節…修飾する節が名詞の内容を表しているもの。内容(同格)節は、「という」を入れるかどうかの観点から、3つに分けられます。
⑴「という」をいれるのが自然。
例1…iPhone7が出るという噂が広まった。
例2…IPhone7を買えという命令がありました。
例3…iPhone7は革新的ではないという意見もあります。
⑵「という」を入れない。
例4…新品のiPhone7の味はいかがですか。
⑶「という」を入れても入れなくてもよい。
例5…iPhone7が盗まれる(という)事件があった。

補充節…修飾する節が名詞の内容を表してはいないもの。補充節は、因果関係的な名詞を使うもの(例1)と、相対的な名詞を使うもの(例2)に分けられます。
例1…過去問の解説を書いた結果、合格した。
例2…過去問の解説を書いた翌日に頭が痛くなった。

よって、正解は3です。


問3
アスペクトについては、平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅱ 問題6の8番の解説をご参照ください。
正解は4です。


問4
1,二文のときは、初めに生徒達の様子が描写され(生徒は入学したばかりで緊張している)、次に私の動きが描写され(教室に入ると)、最後に生徒達の動きが描写されています(生徒達が私の方を一斉に見た)。一方で、一つの文にまとめると、最初に私の動きが描写され(教室に入ると)、その後は、生徒たちの描写だけになっており、語りの視点の移動が少なく、スッキリしています。もっとも、最初に私の動きを描写していますので、「生徒達」に語りの視点を固定しているとはいえないのではないでしょうか。

2,「入学したばかりで緊張している」が名詞修飾表現になったため、旧情報のように扱われています。それによって、「生徒達が、私の方を一斉に見た」という主節の出来事が、二文のときに比べ相対的に目目立っています。

3,生徒たちが、「入学したばかりで緊張している」というのは、「私」の主観です。

4,文の最後の述語を中心としたひとまとまりを主節といい、文の途中の述語を中心としたひとまとまりを従属節といいます(日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版104頁)。
「教室に入ると」が従属節であり、「入学したばかりで緊張している生徒が、私の方を一斉に見た」は主節です。節の主従関係を断ち切ることはできていません。

よって、正解は2です。


問5
1,名詞修飾表現のみで一文を構成する特殊な文体は、具体的な対象に注目させるモノ的表現であるため、「ポケモンGOプラスの発売で大行列となったポケモンセンター」などのように、写真のキャプションで使用されます。

2,名詞修飾表現のみで一文を構成する特殊な文体は、主名詞に関する背景的な情報を提供できるため、「ベジータとブルマの息子であり、未来からやってきたトランクス」などのように、フィクション作品などで新しい登場人物を紹介するために使用されます。

3,名詞修飾表現のみで一文を構成する特殊な文体は、出来事の生起よりも、主名詞に注目させる表現ではないでしょうか。報道番組などで事件の発生を伝える際に、体言止めの表現(名詞修飾表現のみで一文を構成する特殊な文体)はあまり用いられないと思います。

4,名詞修飾表現のみで一文を構成する特殊な文体は、被修飾語の主名詞に注目させる表現であるため、「黙れ小僧!と怒鳴られて黙り込む真田信之」のように、シナリオのト書きなどで用いられます。

よって、正解は3です。

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅱの問題6は【学習者の発話の誤り】です。

1番
「届いてませんか」と言うべきを「届いてありませんか」 と言っているので、補助動詞の誤りです。 
よって、正解はbです。

2番
「高校生気づかなかった」 と言うべきを「高校生気づかなかった」と言っているので、対象を表す助詞の誤りです。
よって、正解はcです。

3番
もし行かなかったら、お母さんが怒ります」と言うべきを「もし行かないとき、お母さんが怒ります」と言っているので、従属節の誤りです。
よって、正解はaです。

4番
「今日は日曜日だから学校が休みです」と言うべきを「今日は日曜日から学校が休みです」と言っています。
「から」は接続助詞であり、文と文を接続します(例…台風が来るから学校が休みです)。
名詞を接続するのであれば、助動詞「だ」を加えなければなりません。
よって、正解はdです。
なお、ダイクシスについては、用語検索マンボウを参照。 

5番
 「不足(ふそく」の前に「運動」がつくとき、連濁して「うんどうそく」になります。
しかし学習者は「うんどうふそく」と発話しているので、連濁が起こっていません。
よって、正解はcです。 

6番
「あまがいい」を「あまがいい」と発話しています。
無声音「た」が有声音「だ」になっています。
よって、正解はbです。 

7番
「黒いコート」を「黒いコート」と言っています。黒いはイ形容詞なのに、ナ形容詞と間違っています。
よって、正解はaです。


8番
「失業者を減らすべきです」を「失業者を減るべきです」と言っています。減らすという他動詞を減るという自動詞に間違えています。
よって、正解はcです。 
なお、アスペクトとは、動作や出来事がその動作中のどの時点にあるかという文法的概念。
例えば、
「メモを書くところだ」動作の開始時点
「メモを書いている」動作の継続途中
「メモが書いてある」動作が終わった結果
「メモを書いたばかりだ」動作の完了直後。
「メモを書きかける」動作を開始してすぐの時点
「家が完成しつつある」動作が完了する直前の状態、など。
さまざまな表現によりアスペクトを表すことができる。

アスペクトの説明はアルクの用語集を参考にしました。

 

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平成24年度日本語能力検定試験Ⅰの問題3のCは【形式名詞】です。
この問題は難しいですね。

⑼ モダリティ表現のうち形式名詞を含むものを選ぶ問題です。
モダリティとは、話し手の気持ちを表す表現です。ムードともいいます。
1「らしい」は推定の助動詞です。
2「べきだ」は当然の助動詞です。
3「だろう」は断定の助動詞「だ」の未然形+推量の助動詞「う」で、不確かな断定や推定の意を表します。
4「つもりだ」の「つもり」は形式名詞です。
よって、正解は4です。
形式名詞は他に「はず・わけ・よう・ところ・ほう・の」などがあります。
形式名詞についてのサイトに詳しい説明があります。


⑽ 形式名詞「こと」が「補足節」として使用されている例として最も適切なものを選ぶ問題です。
まず、補足節とは、従属節のうち、節全体が名詞となり(そのため補足節を名詞節と呼ぶ人もいる)、述語に対する補語(補足語)の役割を果たす節のことです(用語検索マンボウを参照)。
1は、述語「聞いた」の内容について、従属節「彼女が結婚すること」が名詞となり補足しているので、補足節になります。
2は、従属節「主役が来ないことには」が、主節「パーティーが始まらない」理由という情報を加えている(修飾している)ので、副詞節になります。
3の「こと」は主節です。
4の「こと」も主節です。
よって、正解は1になります。


⑾ 選択肢から適切な言葉を選ぶ穴埋め問題です。
1,連体修飾節とは、字のとおり、体言(名詞)に連なり修飾する節です。
例…みんなが集まる広場
2,主節とは、複文(述語が複数ある文)のうち、文末の述語を中心に、文全体をまとめる働きをする節です(用語検索マンボウを参照)。
3,従属節とは、接続節(複文を構成するのは主節と接続節)のうち、主節に従属的な節をいいます。補足節は従属節の一種です。
4,名詞節とは、字のとおり、名詞の性格を持った従属節のこと。補足節ともいいます。
問題文にある「とりあえず入学したものの」は「従属節」なので、正解は3になります。


⑿ 動詞が関わる文法化の例として不適当なものを選ぶ問題です。
本来の意味が薄れていない動詞を選びます。
1は「いう」という本来の意味が薄れています。
2は「する」という本来の意味が薄れています。
3は「したがう」という本来の意味どおりです。
4は「もつ」という本来の意味が薄れています。
よって、正解は3になります。


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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題3のBは【様々な品詞】です。

⑸は、選択肢から適当なものを選ぶ穴埋め問題です。

動詞は主節の述語にも従属節の述語にもなることができます。
例…毎日ごはんを食べないと、僕は死ぬ。
従属節「毎日ごはんを食べないと」 の述語は動詞「食べる」
主節「僕は死ぬ」の述語は動詞「死ぬ」

動詞は名詞を修飾できます。
例…造られた花(動詞「造る」が名詞「花」を修飾している)

よって、正解は1になります。


⑹も穴埋め問題です。
「ある」が持つ他の多くの動詞と異なる特徴を選ぶ必要があります。他の五段活用の動詞と比べてみれば異なる特徴が浮かび上がります。
1、「ある」の可能形は思い浮かびません。五段活用なら「あれる」になるはずですが、おかしいです。
  「ある」のマス形は「あります」。他の五段活用の動詞と同じです(例えば、書きます)。
2,「ある」のナイ形は「ない」。五段活用であれば本来「あらない」になるはずなので特殊です。
  「ある」のテイル形は思い浮かびません。ありている? おかしいです。
3,「ある」のテオク形は思い浮かびません。ありておく? おかしいです。
  「ある」のバ形は「あれば」。他の五段活用の動詞と同じです(例えば、書けば)。
4,「ある」のテアル形は思い浮かびません。ありてある? おかしいです。
  「ある」のタ形は「あった」。「ありた」ではなく促音便になっていますが、促音便は他の動詞にもたくさんあり、異なる特徴とはいえません(例えば、取った、散った、終わった)

よって、二つとも異なる特徴といえる2が正解になります。


⑺も穴埋め問題です。
「病気」の対義表現は「健康」が考えられます。
「健康」は「健康な」と「ナ形容詞」になります。
よって、正解は1になります。
なお、連体詞とは、体言(名詞)を修飾することばで、形容詞に意味が近いけれど、活用はしません。
例…ある人の「ある」、たいした奴の「たいした」、大きな猫の「大きな」。


⑻は数量表現の品詞を考える問題です。
1,「3人の学生が来た」の「3人」は名詞的に働いているので誤りです。
ノ格で名詞に修飾するのは名詞です。
例…猫ご飯(名詞+名詞)、綺麗な猫、美しい猫(形容詞+名詞)

2,「学生が3人来た」の「3人」は、「来た」という動詞に情報を加えているので副詞的です。名詞に情報を加えるのが形容詞です。
例…【速い車】の「速い」は形容詞。【速く走る】の「速く」は副詞。

3,「水を250㏄入れる」の「250㏄」は副詞的に働いています。「250㏄の水を入れる」の「250㏄」は名詞的に働いています。

よって、正解は3になります。

なお、数量表現については日本語動詞文型用例辞典というサイトがとても参考になります。
 

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