日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

タグ:形態素

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平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題3のAは【形式と意味】です。

⑴ 
2,「エクスプレス/エキスプレス」は、異なる形式ですが、どちらも「速い」という同じ意味です。
よって、正解は2です。


⑵ 
1,音素とは、意味を区別する機能を持つ最小の音の単位。例えば、[kasa][kana]というミニマル・ペア(一つの音だけ違う対)は、意味が異なる。つまり[s]と[n]は別の機能を果たすので、異なった音素に属するといえる。

2,とは、仮名一文字で示される発音上の単位。モーラともいう。
 
3,音節とは、ひとまとまり発音される単位。 
例…あくしゅ(3拍3音節)、シーツ(3拍2音節)、オリンピック(6拍4音節)。

4,形態素とは、意味を担う最小の単位で、それ以上分けられないもの。例えば、「雨傘」は「雨」と「傘」に分けられるが、それをさらに/a/と/me/、/ka/と/sa/に分けたら、意味をなさない。つまり、{ame}と{kasa}が形態素である。
以上より、正解は1です。


単音のレベルとプロソディー韻律)のレベルの音声について分かりやすいのは、試験Ⅱの問題2と問題3の違いです。毎年、試験Ⅱの問題2で【学習者のプロソディーレベルの発音上の問題点】が、問題3で【学習者の単音レベルの発音上の問題点】が、出題されています。

1,アクセントは語に固有の音声的特徴であり、雨(高低)、飴(低高)のように、語を弁別する働きを持ちます。鶏(低高高高)と二羽鳥(高低低高)のように、統語的な構造の違いを表す働きもあります。

2,文末のイントネーションは、平叙文・疑問文の違いを表す働きをしますが、話者の発話態度にも関係します。詳しい説明は、日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版423頁にあります。

3,文中でのポーズは発話の息継ぎのために必要なものですが、どこでポーズを入れるかは文の統語構造とも関係します。
例…美しい、海の女→美しい女が海にいる。
  美しい海の、女→美しい海に女がいる。

4,格助詞は名詞に後接して格関係を表す付属語です。格助詞の音の高さが変わることで文の情報構造が変わることがあります。
例1…猫僕を引っ掻いた。「が」を高く発音すると、僕を引っ掻いたのが猫であることが強調されます。「この傷どうしたの?」という質問の答えとして適切でしょう。
例2…猫が僕引っ掻いた。「を」を高く発音すると、猫が引っ掻いたのが僕であることが強調されます。僕とは仲が良かったはずなのにどうして? という気持ちを表現できます。

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題3Aは【文法カテゴリー】です。

⑴ 形態素とは意味を持つ最小の単位のことです。分解して数えてみます。
1,使役の助動詞「せる」の「せ」
2,受身の助動詞「られる」の「られ」
3,接続助詞の「て」
4,補助動詞「いる」の過去形「い」
5,過去の助動詞「た」
6,推定の助動詞「らしい」
7,丁寧な断定の助動詞「です」
8,終助詞の「ね」

合計八つです。
しかし、公式の正解は、3(七つ)となっています。
どうしてだろうとインターネットの森を徘徊していたら、
日本語自動品詞分解ツールという素晴らしいサイトを発見しました。
こちらで試してみても、上と同じ八つになりました。
どうして七つなのでしょうか。どなたか教えてください。

追記)
micoさんありがとうございます!
以下、コメントを引用。
「日本語文法では、「手伝わせられていた」の「て」を接続助詞とせず、動詞の活用の一部(テ形)とみなしているようです。①せ ②られて ③い ④た ⑤ らしい ⑥です ⑦ね」
というわけで、7つになるようです。



アスペクト)とは、動作や出来事が、その動作中のどの時点にあるかという文法的概念。詳しくは、を参照。
テンス時制)とは、その動作や出来事が、発話時点と時間的にどのような関係(過去・現在・未来)にあるかという文法的概念(アルクの『日本語教育能力試験に合格するための用語集』213頁より)。


テンスを表すル形…明日、試験が行われる(未来を表している)
アスペクトを表すル形…今から食べる(未了(動作の開始直前)を表している)
テンスを表すタ形…昨日、試験が行われた(過去を表している)
アスペクトを表すタ形…もう食べた(完了を表している)

よって、正解は2です。

なお、「もう食べた」のように、動作動詞「食べる」のタ形は完了も表すので、選択肢3は誤りです。
また、「愛を感じる」のように、状態動詞「感じる」のル形は、現在も表すので、選択肢4は誤りです。



モダリティとは、話し手の心的態度聞き手への働きかけを表す表現です。ムードともいいます(ムードは述語のカテゴリー、モダリティは文のカテゴリーと分けて考える説もある)。
事に対するものと、他の人に対するものにわけられることがあります。
対事的モダリティ(事柄をどのように見ているか)
例…これが携帯電話らしい
対人的モダリティ(他の人にどう伝えるか)
例…iPhone7を買ってください
対事的モダリティ対人的モダリティはこの順番で接続します。
例…iPhone7は防水かもしれないよ(「かもしれない」が対事的モダリティ、「よ」が対人的モダリティ)

よって、正解は1です。


⑷ パズル問題です。各選択肢の三つの終助詞を並べ替えて、組合せ可能なセットを探します。
正解は、2の「ね」「よ」「わ」です。
「わよね」に組合せ可能(例…浮気しないって言ったわよね!)



1,サ入れ言葉になっています。正しくは、「もう帰らせていただきたいんですけど」
よって、正解は1です。 

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題5は【聴解指導】です。
難しかったです。
聴解とは、文章を聞き取り、その内容を理解すること。

問1  聴解が認知的で創造的な過程と言われる理由を探す問題です。
1,聴解は、単なる音のまとまりに意味を付与します。また、音の意味だけではなく話し手の意図を推測します。
2,音の表記のバリエーションを考えるのは聴解ではありません。
3,形態素を組み合わせて語を造るのは聴解ではありません。
4,言語行動と非言語行動を区別するのは、聴解ではありません。
よって、正解は1です。


問2 聴解指導における前作業の目的を選ぶ問題です。聴解指導の本作業に役立つのか、という視点で各選択肢を見ます。
1,教材のトピックについて話し合うことで、本作業で聞く内容 の背景知識を活性化でき、聴解に役立ちます。
2,教材のトピックを話し合うことと、音声への集中力を高めることはあまり関係ありません(高まる場合もあれば低まる場合もある)。例えば、聴解教材が料理番組だった場合、料理番組に関する話し合いが熱中するあまり、お腹が減ってきて集中力が 低下するかもしれません。
3、短期記憶に保持しても聴解指導の役に立ちません。
4,聞く前に新出語句をチェックすることが聴解指導に役立つとは思えません。聴解指導を重視するのであれば、聞いた後にチェックするべきではないでしょうか。私が昔聞いていたNHKラジオ英会話でも、まずは二人の会話を聞いて、その後に新出語句のチェック、という流れでした。


問3 聴解指導における、内容を理解するための本作業についてです。内容を理解させるための聴解指導になっているか、という視点で各選択肢を見ていきます。
1,聴解教材を何度か聞かせ内容を理解させることは、聴解指導になります。
2,表現を問う穴埋め問題は、文章を聞き取っているだけなので、聴解の定義の後半部分(その内容を理解すること)とは関係がなさそうです。
3,聞いた話の大筋を理解させるのは聴解指導です。
4,途中まで聞かせ、その後の話の展開を予測させることは、まさに聴解の認知的で創造的な作業です。
よって、正解は2です。


問4  テキストについて理解したことを自分の言葉で話す「再話」の目的を選ぶ問題です。
1,聞き逃したり聞き取れなかったりした内容を推測するのは、内容を理解するための本作業でやるべきことだと思います。
2,推測した内容と聴解教材の内容の相違の検証するのも、内容を理解するための本作業なのではないでしょうか。発展的とは思えません。
3, 内容を細部にわたって理解させるのであれば、教材を何度も聞いたほうが良いのではないでしょうか。自分の言葉で話すと細部は異なってしまうと思われます。
4,自分の言葉で話すことで記憶が定着します。発展的な学習です。私がこの解説を書いているのも同じ理由からです。
よって、正解は4です。


問5  初級レベルの聴解能力を測るテストを作成する際の工夫として不適切なものを選ぶ問題です。
1,聴解能力に関係なくなってしまうので、この工夫は大事です。
2,聴解能力を測るためにこの工夫は大事です。
3,聴解テストに含まれる語句や表現は、学習したものに限定する必要はありません。聴解とは文章を聞き取り、その内容を理解することであって、一言一句全ての言葉を知っている必要はありません。私が英語の勉強をしていたときもリスニングテストには知らない単語がいくつも出てきました。
4,初級レベルの人へのサポートですね。
よって、正解は3です。 

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