日本語教育能力検定試験Ⅲ 記述問題の書き方その4は【問題文の言葉を解釈する】です。
※「評価を加える」だとニュアンスが違う気がしたので、「解釈する」に変更しました。

そろそろ疑問を抱いた方が、おられるかもしれません。

誰でも簡単に高得点が狙える記述式問題の書き方を教えると言っておきながら、その解答は問題文をコピペしてるだけじゃないか。こんなんで高得点が狙えるのか?」

安心してください、狙えます。

大学の入学試験に始まり、会社の採用試験、教職員採用試験、司法試験、日本語教育能力検定試験など、様々な分野の試験において、記述式問題は登場します。
私は全ての分野の記述式試験を把握しているわけではありませんし、日本語教育能力検定試験の(模擬)記述式試験を添削したことはありません。
しかし、いくつかの分野の記述式問題を仕事あるいは個人的に添削させて頂いたことはあります。
共通して言えるのが、問いに応えている答案が少ないということ。
苦手な方が書く記述答案は問いに対応していないのです。
「問いに答えてください」と初めは抽象的に指摘していたのですが、それでは効果がありませんでした。
苦手な方は「問いに答えるとはどういうことか」が分かっていなかったのです。
そこで私が生み出したのが、1行目は問題文の問いの言葉をそのまま使って答えを書くこと。2行目以降も問題文の言葉をなるべく使うこと。
この具体的な指導によって、記述式問題が苦手な方でも問いから離れることは少なくなりました。

問題文の言葉をコピペすることで、土台が固まったからです。
しかし、問題文の言葉を書き写すだけだと字数が足りませんし、
「コイツ何も考えていないんじゃないか?」
と採点者に思われてしまいます。
そこで、固めた土台の上に自分の考えを築くのです。

「苦手な人でも簡単に書ける、パターン化できると言っておきながら、結局自分の考えを書けかよ、それが苦手なんだよ」
と思った方もおられるかもしれません。

安心してください、すでに土体はあるのです。

苦手な方が今まで書けなかった、書いても点数が伸びなかったのは、目印も何もない広大なグラウンドに、いきなり自分の力で家を建てようとしたから失敗したのです。
最初から自分の考えを書くのではなく、まずは問題文の言葉を尽くして答案の方向性を定める点がこのメソッドのポイントです。

1,問いに応える。
2,問題文の言葉をなるべく使う。
3,反対意見(の根拠)に配慮する。

この3点で組み立てたのは堅固な土台ですから、よほどのことを書かないかぎり問いから外れることはありません。今こそ、あの言葉を思い出してもいいかもしれません。

 『こう書かなきゃ、なんて思わず、採点者をおもしろがらせたいという気持ちで、創意工夫を凝らしてみてください!』
石黒圭教授(平成28年度日本語教育能力検定試験 合格するための本の記述式問題162頁)の御言葉です。

自信がなくても、思いついたように書けばいいのです。すでに解答の枠は作ったので、その中で好きに遊べばいいのです。
とは言っても指針は必要だ。
そんなわけで、残りの三条があります。

記述問題対策第4条【問題文の言葉を解釈する

どういうことか?
例によって平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題17(記述問題)を使って、具体的に説明します。

前回までに書いた答案は以下のとおりです。

『私は今後もこのクラスでの活動にディベートを取り入れたい。論理的思考能力を高めるにはディベートが必要だと考えるからだ。
 確かに、自分の考えとは違う立場で意見を述べるのは、精神的に苦痛かもしれない。』

反対意見まで書きましたので、さっそく反対意見を解釈しましょう。

この反対意見は学習者から出たのですが、どうして学習者は「自分の考えとは違う立場で意見を述べるのは精神的に苦痛」だと感じたのでしょうか?

考えた後、続きをお読みください。
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