日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

タグ:可能表現

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平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題1は【可能表現とラレル】です。

問4
日本語の可能表現は動作主体による実現能力を表す場合に使えます
例1) 私はロシア語が話せます。

日本語の可能表現は動作主体によらない実現能力を表す場合には使えません。
例2) この薬を飲めば、病気はすぐに治れますよ。☓
→動作主体ではなく薬の実現能力。

しかし、動作主体によらない実現能力を表す場合にも可能表現が使える言語もあります。
可能表現が使える範囲は言語によって異なっており、これに起因する学習者の誤用(母語の干渉負の転移)が見られます。
その例を選べという問題ですから、正解は2であると思料します。


問5 動作対象の性質による可能を表す用法の例を選ぶ問題です。
動作とは、事を行うために体を動かすこと。(スーパー大辞林3.0)
対象とは、はたらきかけの目標や目的とするもの。めあて。(スーパー大辞林3.0)
性質とは、①その人に生まれつき備わっている気質。②他のもとと区別しうる、そのもの本来のありかた。(スーパー大辞林3.0)

1,「網棚」の性質による可能を表していますが、「網棚」は動作の目的地であり、動作対象は荷物です。
動作→置く
動作の対象→荷物

2,「この店の席」の可能を表していますが、「この店の席」は動作対象ではありません。
動作→吸う
動作の対象→タバコ

3,「この本」の性質による可能を表しており、「この本」は動作対象です。
動作→読む 
動作の対象→この本

4,泳ぐは自動詞なので動作対象がありません。
動作→泳ぐ
動作の対象→なし

以上より、3が正解であると思料します。

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題1は【授受動詞と待遇表現】でした。
平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題1は【可能表現とラレル】です。

問1 動詞の形態が変わるのに合わせて格関係も変わる表現の例として不適当なものを選ぶ問題です。
各選択肢の動詞を辞書形(ル形)に戻してみます。

1,彼は背中に大きなリュックを背負う。
2,太郎は遠くの雷の音聞く。
3,部下が企画書作る。
4,机の上に荷物置く。

1,だけ格関係が変わっていませんので、1が正解であると思料します。


問2 格関係が変わらない「ラレル」を選ぶ問題です。
具体例を作って検討します。

【自発】
過去問を解説した日々思い出す。→過去問を解説した日々思い出される。

【直接受身】
飼い猫噛んだ。→僕飼い猫噛まれた。

【尊敬】
来た。→猫様来られた。

【尊敬】だけ格関係が変わっていませんので、3が正解であると思料します。


問3「ら抜き言葉」に関する問題です。

五段活用の動詞は、下一段活用の動詞に変化することで、可能動詞になります。
例)飛ぶ→飛べる 書く→書ける 行く→行ける

一方で、一段動詞で可能の意味を表すには、「ラレル」と使わければならないとされてきました。
例)食べる→食べられる 見る→見られる 出る→出られる

しかしながら、問2で確認しましたように「ラレル」には、自発・受身・尊敬という意味もありますから、「ラレル」が可能の意味を表しているのか、他の意味を表しているのか判別し難い場合があります。
例)先生はタイ料理を食べられた。
→可能(辛くて食べることができないかもと思っていたけれど食べることができた)なのか尊敬なのか、分かりません。

どうしましょう?
一段動詞でもレルを使って、五段動詞みたいに可能動詞化してしまえば、他の意味はないから分かりやすいぞ!
例)食べる→食べれる 見る→見れる 出る→出れる
例)先生はタイ料理を食べれた。
→先生はタイ料理を食べることができた、という意味が明確になりました。

文法的に正しくないと言われ、「有識者」の方々から「若者の言葉の乱れ」であると苦言を呈されてきた可哀想な「ら抜き言葉」ですが、実際は上の通り「ら抜き言葉」のほうが合理的なので、次第に優勢となり、最新(2015年度)の文化庁【国語に関する世論調査】では、とうとう「ら抜き言葉」が多数派となったようです。

The Huffington Post「ら抜き言葉」使う人がついに多数派に 「おk」「うp」も文化庁が調査してみると...

以上より、正解は4であると思料します。

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅱの問題6は【学習者の発話の誤り】です。

1番
「決める」と言うべきを「決まる」と言っているので、自動詞と他動詞の混同で、cが正解です。

2番 
「分かります」を「分かられます」と言っているので、可能表現の誤りで、bが正解です。

3番 
「伺うのは」を「伺いのは」と言っているので、動詞の活用の誤りで、aが正解です。

4番
報告する場面では、「ものすごい」ではなく「著しい」などの言葉を使うべきなので、スピーチスタイルの誤りで、aが正解です。

5番
「卒業したら」と言うべきを「卒業すると」と言っているので、接続表現の誤りで、bが正解です。

6番
「私にとって」と言うべきを「私のために」と言っているので、複合助詞の誤りで、aが正解です。

7番
「休ませてもらいたいんです」と言うべきを「休んでもらいたいんです」と言っているので、使役表現の不使用で、cが正解です。

8番
「最も重要なのは毎日日本語を話します」と言っているので、主語と述語がねじれています。正しい述語は「話すことです」。
よって、cが正解です。
 
 

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