日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

タグ:ビリーフ

Sponsored Link

平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題8は【第二言語習得と個人差】です。

問4
個人差、といえば、ビリーフです。本試験に何度も登場している重要キーワードです。というわけで、選択肢は1か3に絞れます。知能によって第二言語習得に差が出ると思います。一方で、パラメータとは何のパラメータなのかわかりません。
以上より、正解は3です。


問5
学習者の不安度が高いと第二言語習得が阻害されるとする仮説は、情意フィルター仮説ですので、正解は4です。

1,根本的相違仮説とは、幼い子どもが言葉(母語、第二言語)を覚えるメカニズムと、大人が第二言語を習得するメカニズムは、根本的に相違しているという仮説です。子どもの(母語)言語習得に個人差はあまりありませんが、大人の学習者には大きな個人差があります。

2,インターアクション仮説(インタラクション仮説/相互交流仮説)は、言語の習得には、意味交渉(意味が通じるように行う工夫)によるインターアクション(やり取り)が重要とする仮説。

3,敷居仮説(しきい理論)とは、バイリンガリズムの程度と認知の関係をまとめた仮説で、3階建ての家で表されます。
3階…均衡バイリンガル:両方の言語が年齢相当の能力。認知にプラスの影響。
2階…弱い均衡バイリンガル:片方の言語が年齢相当。認知に影響なし。
1階…限定的なバイリンガル:両方の言語が年齢不相当。認知にマイナス。

詳しくは、ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』272,273頁をご参照ください。



スポンサードリンク


日本語教育に関するブログ にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へにほんブログ村

Sponsored Link

平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題5は【学習観、教育観のパラダイム・シフト】です。

問1 
1,平24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題7の問5にも出てくるモジュール型とは、目的に合わせて組み合わせ可能な構成部分のことです。ここでの意味は、ニーズに合わせてシラバスを組むことでしょうか。それが「クラス内の教師と学習者あるいは学習者間に新しい関係」を生んでいるとはいえないでしょう。

4,日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版162頁の表のように、 学習の主体が教師から学習者に移り、教師の立場は教育者からチームの一員になりました。知識伝達型から活動参加型への移行という「学習観、教育観のパラダイム・シフト」が起こったからです。
よって、正解は4です。


問2
お互いを学習の人的リソース学習に利用する資源)とするのは、学習者同士がお互いに支援する形で学び合う手法といえます。
よって、正解は4です。


問3 
日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版163頁によれば、
ピア・ラーニング(協働学習)とは、少人数のグループで学習者が互いに協力しながら(インターアクションしながら)学ぶ学習。自律性を高める効果がある。
よって、正解は4です。


問4
日本語教育能力検定試験に合格するための用語集138頁が参考になります。
1,学習者オートノミーとは、学習者自らが学習計画を立て、教材や学習環境を選び、学び、評価できる能力のこと。
2,学習者エンパワーメントとは、学習者に知識だけでなく社会を変えようという意欲をもたせること。「共生」「対話」を重視し、銀行型教育から問題提起型教育への移行を説いたパウロ・フレイレの『被抑圧者の教育学』が有名。『増補版 日本語教育能力検定試験 合格するための問題集』237頁には、『エンパワーメントは、自分の内なる力や可能性を全面的に発揮できるような環境や人間関係を構築していくこと』とあります。
3,セルフ・アクセスとは、学習者自身が、学習に必要なリソース(教材)にアクセスすること。近年、学習オートノミーの育成を目指した学習環境として、セルフ・アクセス・センターが増えている。
4,グループ・ダイナミクスとは、集団における様々な力学・行動原理。


問5 「学習者が自ら学びを構築していくこと」を成功させるための学習ストラテジーとして不適当なものを問題です。
2,自分の信念(ビリーフ)は間違っているかもしれませんので、他人の意見に影響されず貫くのは、失敗するおそれがあります。
よって、2が正解です。

スポンサードリンク


日本語教育に関するブログ にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へにほんブログ村

Sponsored Link

平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題10は【第二言語発達】です。

問1 
処理可能性理論(Processability Theory) では、語、句、文と言語単位の小さなものから順に自動化処理が発達するとしています。
よって、正解は4です。


問2
言語適性には、「音声認識力」「言語分析力」「記憶力」という三つの側面があります。
2,言葉の使用例から規則性を抽出する能力は、言語分析力です。
よって、正解は2です。 


問3 ビリーフに関する記述として不適当なものを選ぶ問題です。
1,好きなことと得意なことは異なる場合があるように、ビリーフ(信条)に沿った方法で学んだからといって、効率よく学べるとは限りません。なお、学習者のビリーフ(信条)によって学習効果に差は出ます。
よって、正解は1です。
なお、平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ 問題5の選択肢2がとても似ていますので比較してみると面白いです。予備校の解答速報では、本問の答えは、1か4で割れたらしいですが、平成23年度では選択肢2が不適当である(と公式が発表している)ことを知っていれば、本問でも選択肢1が不適当だと自信を持っていえたのではないでしょうか。やはり過去問は大事ですね。


問4
適正処遇交互作用とは、学習者の適性と処遇(教師の指導法)が互いに影響を与え、学習効果に差が出ることです。
よって、正解は3です。


問5
学習ストラテジーで出題されています。
補償ストラテジーとは、言語知識の不足を補うためのストラテジーです。
1,目標言語を話すために友達を作るのは、社会的ストラテジーです。
2,知らない語の意味を文脈から推測するのは、補償ストラテジーです。
3,音楽を使ってリラックスするのは、情意ストラテジーです。
4,目標言語を母語と対照して分析するのは、認知ストラテジーです。
よって、正解は2です。


 

スポンサードリンク


日本語教育に関するブログ にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へにほんブログ村

Sponsored Link

平24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題7は【コースデザイン】です。

問1 学習者のニーズに関する記述として適切なものを選ぶ問題です。
学習者のニーズとは、日本語を学ぶ目的のことです。なので、各選択肢のニーズという言葉を、(日本語を学ぶ)目的に言い換えます。

1,学習者の(日本語を学ぶ)目的は、生活状況の変化や言語能力の向上に伴い変わりうる。
そうですね。

2、(日本語を学ぶ)目的には学習者の学習能力、学習態度、学習ストラテジーが含まれる。
意味が分からない日本語になってしまいました。
ちなみに学習ストラテジーとは、新しい知識の獲得のために学習者が用いる方略のことです。ニーズ(目的)を達成するための手段であり、ニーズ(目的)には含まれません。

3,同じ目的の学習集団は、学習方法の好みも共通する。
そうとは限りません。文法訳読法が好きな学習者(場独立の学習者)もいれば、コミュニケーションが好きな学習者(場依存の学習者)もいます。

4, 語学学習の目的は、学習者の文化的背景によって類型化される。
アメリカ人が日本語を学ぶ目的は皆、ニンジャになりたいからだ、とでもいうんでしょうか。とんでもないステレオタイプですね。

よって、正解は1です。 



問2 レディネス調査に関係ないものを選ぶ問題です。
コース・デザインをするために、学習者のプロフィールに関する情報を収集することをレディネス調査といいます。
・外的条件(国籍、母語・母文化、年齢、職業、経済的条件、時間的条件、学習環境、生活環境など)
・内的条件(外国語学習経験の有無、日本語を学習済の時間、使用教材、取得済みの資格レベル、運用能力に関する自己評価、学習スタイルなど)
について、アンケートやインタビュー(面談)によって調べます。日本語既修者には現在の日本語レベルを測り適切なクラスに配属するため、プレースメント・テストを実施します。

2の目標言語は、学習者のプロフィールと関係ありません。
よって、正解は2です。 



問3 特定の学習者を対象にした特定の目的を持つコースを選ぶ問題です。
1は「国内に住む国際結婚の配偶者」という「特定の学習者」を対象にしていますが、「特定の目的」を持っているのかは分かりません。
2は「ブラジルに住む日系人」という「特定の学習者」を対象にしていますが、「特定の目的」を持っているのか分かりません。 
3は「オーストラリアの専門学校生」という「特定の学習者」を対象にした、「観光ガイド」という「特定の目的」を持つコースです。
4は「日本語を母語としない人」という「特定の学習者」を対象に「カラオケ」という「特定の方法」で学ぶコースですが、「特定の目的」を持っているのかは分かりません。

よって、正解は3です。



問4  自律学習の説明を選ぶ問題です。
自律とは、自分の行動を自分の立てた規律に従って正しく規制することです。
1,自学自習と自律は意味が異なります。
2,自分のペースで進めていくことと、自律は意味が異なります。
3,自律とは自分を評価することではなく、自分を制御することです。
4,自分の行動に責任を持つことは自律です。
よって、正解は4です。



問5  モジュール型教材の説明を選ぶ問題です。
平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題5問1にも「モジュール型」が出てきています。要注意キーワードですね。
モジュールとは、交換可能な構成部分という意味です。目的に合わせて組合せを変えることができます。
よって、正解は3になります。

スポンサードリンク


日本語教育に関するブログ にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へにほんブログ村

↑このページのトップヘ