日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

タグ:スピーチスタイル

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平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題13の問3では、「混交」の例として「ネオ方言」が出題されていますが、同じようなキーワードに新方言があります。紛らわしいので要注意です。

アルクの日本語教育能力検定試験に合格するための用語集58頁59頁
に両者の定義があります。

新方言…新しい方言の使われ方。若い人が今まで標準語になかった語彙を方言から取り入れて使う現象。井上史雄による命名。
例…「違っていて」を「違くて」と言う。

ネオ方言…標準語と方言の接触により、その混交形式として生まれた中間的なスタイル。テレビ放送によって標準語と方言のバイリンガルが増え、学校などでダイグロシア(二言語併用社会)の状況を呈している。提唱者の真田信治によると、「ネオ方言」はスピーチスタイルである点が、「新方言」とは異なるという。
例…「行かへなんだ」(方言)+「行かなかった」(標準語)→「行かへんかった」(ネオ方言)


アルクの『日本語教育能力検定試験に合格するための社会言語学10』121頁や『CD付 増補版 日本語教育能力検定試験 合格するための問題集』20頁問3に、ネオ方言と新方言を見分ける問題があります。







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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅱの問題6は【学習者の発話の誤り】です。

1番
「決める」と言うべきを「決まる」と言っているので、自動詞と他動詞の混同で、cが正解です。

2番 
「分かります」を「分かられます」と言っているので、可能表現の誤りで、bが正解です。

3番 
「伺うのは」を「伺いのは」と言っているので、動詞の活用の誤りで、aが正解です。

4番
報告する場面では、「ものすごい」ではなく「著しい」などの言葉を使うべきなので、スピーチスタイルの誤りで、aが正解です。

5番
「卒業したら」と言うべきを「卒業すると」と言っているので、接続表現の誤りで、bが正解です。

6番
「私にとって」と言うべきを「私のために」と言っているので、複合助詞の誤りで、aが正解です。

7番
「休ませてもらいたいんです」と言うべきを「休んでもらいたいんです」と言っているので、使役表現の不使用で、cが正解です。

8番
「最も重要なのは毎日日本語を話します」と言っているので、主語と述語がねじれています。正しい述語は「話すことです」。
よって、cが正解です。
 
 

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅱの問題4は【発話の特徴や問題点】です。
問題4は1回しか音声が流れないので、聴く前に選択肢をしっかり読んで頭に入れ、聴くポイントを把握しなければなりません。

1番
日本人「大学のほうは大丈夫ですか」
留学生「土曜日と日曜日大丈夫ですが。面接しましょう」
日本人「申し訳ございません。平日しか営業していないのですが」
留学生「何ですか。面接いいですか」 
日本人「はあ。電話では分かりにくいですよね。お会いして確認したほうがよろしいですね」

問1
留学生は上の会話のとおり、次の発話を一方的にしています。
よって、正解はdです。
なお、言いさしとは、 最後まで言い切らない言葉のこと。
例…お願いがあります。(言い切り)
  お願いがあるんだけど。(言いさし)

問2
上の会話のとおり、日本人の会社員は「平日しか営業していない」という言葉が分からなかった留学生に対し、発話速度の調整をせず、言い換えもせず、援助の要請もしていません。回避しています。
よって、正解はbです。


2番
問1
日本人大学生は会話の途中で「もしもし?」と確認しているのは、留学生の相づちが少ないからですね。
よって、正解はcです。

問2 大学生の発話の特徴として、合っていない選択肢を選ぶ問題です。
a,縮約形を多用している
「発表しなきゃ」←「発表しなければ」
「コピーしとかなきゃ」←「しておかなければ」
など縮約形を多用しています。

b,助詞の省略が見られる。
「資料(を)コピーしとかなきゃだめだったよね」
「授業の前(に)会って」
「昼休み(に)図書館(の)コピー機」
など助詞を省略しています。

c,上昇下降調が見られる。
正直に申しまして、上昇下降調というものがよく分かっていませんが、
男の「でさぁ〜」
は特徴的なのでこれのことでしょうか。
上昇下降調については、大島デイヴィッド義和『日本語におけるイントネーション型と終助詞機能の相関について』が詳しいです。

d,婉曲表現を多用している。
日本人の大学生は要件を端的に述べず、
「えっとさあ〜あした〜授業で〜うちら発表しなきゃなんないよね〜」
「 でさあ〜資料〜コピーしとかなきゃだめだったよねえ」
「でさあ〜授業の前〜あってえ〜一緒にコピーしたいんだけどお」
とフィラーを多用し、語尾伸ばしも多用していますが、婉曲表現(遠まわりに物事を表現すること)自体は使っていません。

よって、正解はdです。


3番
問1
留学生の発話は、
「はい、五時です」「そう、学校のことだから仕方がない」「うん、週末は忙しいけど、時間を作る」「うん、じゃ」
のとおり、終助詞がありません。
よって、正解はaです。

問2
日本人大学生の発話は、
「もしもし、小宮山です」「あのー、今度の月曜、パソコン買いに行く約束をしていましたよね」「ごめんなさい、実は補講が入ってしまったんです」「ごめん、じゃあ週末はどうかな」「ありがと。また連絡するね」
丁寧な話し方くだけた話し方にスピーチスタイルが変化しています。
よって、正解はaです。

 

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