日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

タグ:コミュニカティブ・アプローチ

Sponsored Link


どこよりも早い解答速報
平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は、【コミュニケーション能力の育成を重視した教授理念】です。


問1「コミュニカティブ・アプローチ」の背景となる考え方を選ぶ問題です。

1,学習の初期段階では理解優先とし、目標言語で発言することへの心理的圧迫を避ける。→「理解優先」とくれば「コンプリヘンション・アプローチ」ではないでしょうか。詳しくは、平成26年度 日本語教育能力検定試験Ⅰの解説 問題4の問1をご参照されたい。

2,目標言語の音声や文法を習慣づけることで、母語の干渉をなくすことができる→「習慣」「母語の干渉」というキーワードからして、オーディオ・リンガルメソッドでしょうか。

3,言語学習は単なる習慣形成ではなく、学習者自らが帰納的に文法規則を見つけるものである。→学習者のアウェアネス(気づき)なしに真の習得は起こらないとするサイレント・ウェイでしょうか?

4,会話の中で意味交渉が生じることによって、言語習得が促進される。→実際のコミュニケーションを重視し、意思疎通ができるようになることを目的としたコミュニカティブ・アプローチでしょうか。

以上より、正解は4と思料します。


問2 現実のコミュニケーション場面に基づいた教材を使用し、実践的な言語活動を行う際に、必要とされる条件を選ぶ問題です。
現実のコミュニケーションといえば、
①インフォメーション・ギャップ(情報差)
②チョイス(選択権)
③フィードバック(反応)
の3点です。
詳しくは、ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』169頁。

1,対話の相手から否定証拠が与えられること→③フィードバック
2,発話者に情報の選択権があること→②チョイス
3,対話者間に情報の格差があること→①インフォメーション・ギャップ
4,対話者間のやり取りに真正性があること→何のことなのかよく分かりません。

よって、正解は4であると思料します。

追記)
コメントいただいたとおり、正解は1に訂正します。


問3「タスク中心の教授法」に基づく学習活動として不適当なものを選ぶ問題です。
4,パターン・プラクティスといえば、オーディオリンガル・メソッドじゃないですかー。
よって、4が正解であると思料します。 

追記 2017/1/21
 解説を新たに書きましたので下記のブログもご参照ください。

kyujin.nihongokyouiku.net


 

スポンサードリンク


日本語教育に関するブログ にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へにほんブログ村

Sponsored Link

平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は【外国語教授法・教室活動】です。

問3 オーディオ・リンガル・メソッドとコミュニカティブ・アプローチの特徴を比較する問題ですが、両者とも他年度で解説しておりますので、詳しい説明は下記のタグをクリックしてください。

オーディオ・リンガル・メソッド     
・構造言語学、行動心理学         
・口頭能力重視              
・文法を体系的に学習(易しい文型から難しい文型へ)
・誤りは母語の影響によって生じる 

コミュニカティブ・アプローチ 
・機能言語学、社会言語学 
・コミュニケーション能力を重視 
・誤りは言語習得の過程的現象
 
以上より、オーディオ・リンガル・メソッドでは、書き言葉は重視しませんので、2が正解です。


問4
『研究社日本語教育事典』236頁によると、
プロジェクトワークは、タスクを中心とした教室活動の一種で、例えば新製品開発という目標を設け、実際に教室内外で調査をしたり、話し合ったりしながら、学習者が自らの言語知識やストラテジーを駆使して計画を遂行することによって、総合的な目標言語の運用力を伸ばす活動です。
つまり、新製品開発という「課題達成」型の学習であり、調査したり話し合ったり発表したりすることで、読む、書く、聞く、話すの4技能がまんべんなく鍛えられる「技能統合型」の学習であり、実践的で「内容重視」の学習です。
よって、正解は1です。
なお、自己研修型といえば、アクション・リサーチが思い浮かびます。
アクション・リサーチとは、教師が自らの授業を分析し、改善策を実行し(アクション)、その行動によって起きる学習者の学習状況の変化を観察・内省・報告する(リサーチ)という現場密着型の実践研究です。
 

問5
プロセス・ライティングというくらいだから、プロセスが大事なのだろうと推測できます。そこでプロセスを重視しているかという観点から、各選択肢を検討します。
1,「特定の文法・語彙項目の定着を目的」として、それらを「繰り返し」書くというのは、オーディオリンガル・メソッドのパターン・プラクティスに似ていますね。あちらは口頭練習ですが、そのライティングバージョンということでしょうか。プロセス(過程)よりも、結果を重視しています。
2,学術的な文章を書くことを目標にしたアカデミック・ライティングでしょうか。プロセス(過程)を大事にするのとは視点が異なります。
3,専門分野にふさわしい語彙や文体を用いて書くことと、プロセス(過程)重視とは視点が違います。
4,書き直しを学習ととらえ、下書きと推敲を繰り返しているので、プロセス(過程)を重視しています。
よって、4が正解です。
なお、ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』196頁によれば、
プロセス・ライティングとは、プロセス・アプローチの一種で、文章を書くことは思考の循環的なプロセスであるとして、 文章を推敲する過程を重視して何度も書き直しをさせる方法です。

スポンサードリンク


日本語教育に関するブログ にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へにほんブログ村

Sponsored Link

平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は【学習者がグループで話し合う教室活動(ディスカッション・ディベート)】です。

試験Ⅰの問題4は毎年、教授法が出題されていますので、
平成28年度の試験Ⅰ問題4も教授法に関する問題だろうと予想できます。
各年度の問題4を比較して、教授法についてどのように問われているのか要検討です。

平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は【外国語教育のコースデザインやシラバス、教授法】
平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は【外国語教育・日本語教育の教授法】
平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は【外国語教授法・教室活動】
平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は【外国語教授法とその日本語教授法への影響】
 

問1
1,コミュニティー・ランゲージ・ラーニング(CLL)は、カウンセリングの理論と手法を応用した教授法。アメリカの心理学者カラン1970年代に開発。教師はカウンセラーのように、学習者をクライアントとして接します。教師は学習者と一体になってコミュニティを形成し、互いにコミュニケーションを図りながら授業を行います。学習者が輪になって座り、教師は外に立ちます。学習者がテーマを決め、自由に話をします。教師は学習者の耳元で表現方法をささやきます。学習者の自由な会話は録音しておき、授業の最後に聴き、教師は学習者の内省を促したり、解説を加えたり、発音指導をしたりします。教えることが事前に決まってはいないため後行シラバスです。コミュニティ学習は、グループ学習と異なり、学習者の不安や恐れを取り除くためにSARD(サード)を重視しています。安心感(Security)、注意力(Attention)、積極性(Aggression)、定着(Retention)、振り返り(Reflection)、識別(Discrimination)の頭文字です。

2,コンプリヘンション・アプローチは、幼児の母語習得過程をモデルにした理解優先の教授法。聴解練習を優先し、話すのはしばらく後(Delayed-Oral Method)。ポストフスキーがアメリカでロシア語の指導をする際に用いました。チョムスキーの生得説(人間は生得的に言語学習能力が備わっている)に基づき、オーディオ・リンガル・メソッドの教授理論とは対立関係。リラックスした状況で、学習者に理解可能な大漁のインプットを与えるこの手法は、ナチュラル・アプローチに引き継がれます

3,オーラル・アプローチは、口頭能力重視。オーディオリンガル・メソッドの別名。パターン・プラクティス(文型練習)を行う。

4,コミュニカティブ・アプローチ(CA)は、コミュニケーション能力の育成を重視した教授法。

以上より、ディスカッションやディベートの言語活動は、コミュニケーション能力の育成を重視したコミュニカティブ・アプローチ(コミュニカティブ言語教授法)の考えを反映しているといえるので、4が正解です。


上記の説明は、研究社の日本語教育事典を参考にしました。


スポンサードリンク


日本語教育に関するブログ にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へにほんブログ村

Sponsored Link

平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題10は【中国語が母語の学習者と日本語教師の会話】です。

問1
赤い服を着た結果が継続していることを表さなければならないので、アスペクトの問題になります。
「〜ている」とくれば、「アスペクト」 です。
よって、正解は4です。


問2
リキャスト(言い換え)…誤りであることを指摘せず、正しい形で繰り返す。
フォーカス・オン・フォームフォーカス・オン・フォームズフォーカス・オン・ミーニングの中間。コミュニケーション重視で文法も教える(意味中心で形式にも焦点)。知識としての文法ではなく使うための文法。タスク中心の教授法(TBLT Task Based Language Teaching)。
フォーカス・オン・フォームズ…意味より形式を重視。オーディオリンガル・メソッド
フォーカス・オン・ミーニング…形式より意味を重視。コミュニカティブ・アプローチ

以上より、正解は4です。


問3
リキャスト(言い換え)は、誤りを正して言うだけで、明示的指摘はしないので、学習者がフィードバックを受けていることに気づきにくいです。
よって、正解は2です。


問4
「例外を認めない表現の選択肢は誤りである可能性が高い」ストラテジーを使います。
1,「のみ」例外を認めず。
2,「特有」例外を認めず。
3,「の可能性もある」
4,「特有」例外を認めず。
よって、3が正解です。


問5
明示的フィードバックは、誤りを明示します。
詳しくは、平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲの解説 問題9の問2をご確認ください。

選択肢3は誤りを明示していません。暗示的フィードバック(リキャスト)です。
よって、正解は3です。 

スポンサードリンク


日本語教育に関するブログ にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へにほんブログ村

Sponsored Link

平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題5は【ある地域の日本語教室の学習者グループのニーズ・レディネス】です。
地域の日本語教室(背景が様々な学習者が集まる)に関する問題は、平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題8でも出題されています。

問1
背景が様々な学習者が集まる日本語教室は、多様な学習者のレディネスやニーズに対応するため柔軟な運営が求められます。〈資料1〉の方針にも『教科書を使用せず、学習者のニーズを反映し、レディネスを生かした活動を行う』とあります。
よって、正解は3です。


問2
1,学用品の値段を調べてくる活動は、学校に関わりがない他のグループメンバーにとって有意義とは思えません。
2,Eメールで欠席や遅刻の理由を適切に伝える練習は、「漢字が苦手で、スマートフォンで練習している」Xにとっても有意義です。「日本語力が原因で」「技術職の仕事」「に就けずに困っている」Yにとっても有意義です。「Eメールは今まであまり使っていないが、書いて送れたら、職場の人とも連絡が取りやすくなると思う」Zにとっても有意義です。
3, 面談場面を想定した会話練習は、学校に関わりがない他のグループメンバーにとって有意義な活動とは思えません。
4, 学校からの手紙や案内を読む練習は、学校に関わりがない他のグループメンバーにとって有意義な活動とは思えません。
よって、正解は2です。


問3
4、「地域のグルメスポット」についてインターネットで情報を集め、発表することは、読むこと話すことの練習になり、話のタネにもなりますので、「先生や保護者とうまくコミュニケーションが取れるようになりたい」Wにとって有意義な活動です。また、飲食店で働いているYやZにとっても身近な素材であり、有意義な活動といえます。
よって、正解は4です。


問4
Yには、「高度な専門知識を生かし」た「技術職の仕事に就きたい」という目的があります。
1,2,3,はいずれも就職活動に役立ちます。
4は、現在の仕事で使う日本語ですが、現在の仕事で使う日本語に関しては求めていないので、4が正解になります。


問5
1,「峠」「辻」などの文字を居酒屋店員が使用する機会はあまりなさそうです。
2,夜遅くまで仕事があり、宿題をする時間はありません。
3,居酒屋は予約の電話対応などの仕事がありますし、「自分で書けると便利だと思っている」Zのニーズに適当な練習だと思われます。
4,夜遅くまで仕事があり、宿題をする時間はありません。
よって、正解は3です。
 

スポンサードリンク


日本語教育に関するブログ にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へにほんブログ村

↑このページのトップヘ