日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

タグ:オーディオリンガル・メソッド

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平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は【外国語教授法・教室活動】です。

問3 オーディオ・リンガル・メソッドとコミュニカティブ・アプローチの特徴を比較する問題ですが、両者とも他年度で解説しておりますので、詳しい説明は下記のタグをクリックしてください。

オーディオ・リンガル・メソッド     
・構造言語学、行動心理学         
・口頭能力重視              
・文法を体系的に学習(易しい文型から難しい文型へ)
・誤りは母語の影響によって生じる 

コミュニカティブ・アプローチ 
・機能言語学、社会言語学 
・コミュニケーション能力を重視 
・誤りは言語習得の過程的現象
 
以上より、オーディオ・リンガル・メソッドでは、書き言葉は重視しませんので、2が正解です。


問4
『研究社日本語教育事典』236頁によると、
プロジェクトワークは、タスクを中心とした教室活動の一種で、例えば新製品開発という目標を設け、実際に教室内外で調査をしたり、話し合ったりしながら、学習者が自らの言語知識やストラテジーを駆使して計画を遂行することによって、総合的な目標言語の運用力を伸ばす活動です。
つまり、新製品開発という「課題達成」型の学習であり、調査したり話し合ったり発表したりすることで、読む、書く、聞く、話すの4技能がまんべんなく鍛えられる「技能統合型」の学習であり、実践的で「内容重視」の学習です。
よって、正解は1です。
なお、自己研修型といえば、アクション・リサーチが思い浮かびます。
アクション・リサーチとは、教師が自らの授業を分析し、改善策を実行し(アクション)、その行動によって起きる学習者の学習状況の変化を観察・内省・報告する(リサーチ)という現場密着型の実践研究です。
 

問5
プロセス・ライティングというくらいだから、プロセスが大事なのだろうと推測できます。そこでプロセスを重視しているかという観点から、各選択肢を検討します。
1,「特定の文法・語彙項目の定着を目的」として、それらを「繰り返し」書くというのは、オーディオリンガル・メソッドのパターン・プラクティスに似ていますね。あちらは口頭練習ですが、そのライティングバージョンということでしょうか。プロセス(過程)よりも、結果を重視しています。
2,学術的な文章を書くことを目標にしたアカデミック・ライティングでしょうか。プロセス(過程)を大事にするのとは視点が異なります。
3,専門分野にふさわしい語彙や文体を用いて書くことと、プロセス(過程)重視とは視点が違います。
4,書き直しを学習ととらえ、下書きと推敲を繰り返しているので、プロセス(過程)を重視しています。
よって、4が正解です。
なお、ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』196頁によれば、
プロセス・ライティングとは、プロセス・アプローチの一種で、文章を書くことは思考の循環的なプロセスであるとして、 文章を推敲する過程を重視して何度も書き直しをさせる方法です。

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平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題10は【中国語が母語の学習者と日本語教師の会話】です。

問1
赤い服を着た結果が継続していることを表さなければならないので、アスペクトの問題になります。
「〜ている」とくれば、「アスペクト」 です。
よって、正解は4です。


問2
リキャスト(言い換え)…誤りであることを指摘せず、正しい形で繰り返す。
フォーカス・オン・フォームフォーカス・オン・フォームズフォーカス・オン・ミーニングの中間。コミュニケーション重視で文法も教える(意味中心で形式にも焦点)。知識としての文法ではなく使うための文法。タスク中心の教授法(TBLT Task Based Language Teaching)。
フォーカス・オン・フォームズ…意味より形式を重視。オーディオリンガル・メソッド
フォーカス・オン・ミーニング…形式より意味を重視。コミュニカティブ・アプローチ

以上より、正解は4です。


問3
リキャスト(言い換え)は、誤りを正して言うだけで、明示的指摘はしないので、学習者がフィードバックを受けていることに気づきにくいです。
よって、正解は2です。


問4
「例外を認めない表現の選択肢は誤りである可能性が高い」ストラテジーを使います。
1,「のみ」例外を認めず。
2,「特有」例外を認めず。
3,「の可能性もある」
4,「特有」例外を認めず。
よって、3が正解です。


問5
明示的フィードバックは、誤りを明示します。
詳しくは、平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲの解説 問題9の問2をご確認ください。

選択肢3は誤りを明示していません。暗示的フィードバック(リキャスト)です。
よって、正解は3です。 

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平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は【外国語教育のコースデザインやシラバス、教授法】です。
平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題6でも関連する問題が訊かれています。

問1
1,アチーブメント・テスト到達度テスト) …一定期間における学習の到達状況を見るためのテスト。
2,ニーズ調査…学習目的の調査。
3,外国語学習適性テスト…外国語の学習に対する適性を測るテスト。
4,目標言語調査…学習者の関わる場面で、母語話者がどんなニホンゴやストラテジーを用いているかを調べる調査。
よって、正解は1です。


問2 
日本語教育能力検定試験に合格するための用語集134頁が参考になります。
コンプリヘンション(理解力)・アプローチとは、 聴解活動を中心に、言語内容の理解を最重要視する教授法の総称。オーディオリンガル・メソッドでは、話す聞くが同時に行われ、言語処理に過度な負担がかかり、かえって学習が抑制されてしまうので、目標言語で考えることに有効な聴解を学習の基本に置くべきという基本理念。その理念はTPRなどに引き継がれた。 

よって、正解は3です。

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は例年と同じく【外国語教授法とその日本語教授法への影響】です。

問4 オーディオ・リンガル・アプローチ(オーディオ・リンガル法)の特徴を選ぶ問題です。
なお、では、オーディオ・リンガル法の練習方法に関する問題が出されています。

1,オーディオ・リンガル・アプローチのミム・メム練習では、教師のモデル発音をまねして復唱することで発音矯正を行います。

2,オーディオ・リンガル・アプローチでは、口答能力を重視しています。利点は、文法を体系的に理解できること、反復による記憶促進および正確さの向上が期待できること。欠点は、アーミー・メソッド同様、練習が単調になりがち、コミュニケーション能力が育ちにくいこと。
四技能とは、読む・書く・話す・聞く。

3,オーディオ・リンガル・アプローチでは、ミム・メム練習パターン・プラクティス文型練習)、ミニマル・ペアの練習などで、「刺激ー反応」が繰り返され、習慣形成が促されます。

4,オーディオ・リンガル・アプローチでは、上記の口答練習を通じて、母語話者並みの正確で素早い反応が要求されます。

よって、正解は2です。


問5 コミュニカティブ・アプローチ(コミュニカティブ言語教授法)における重要な役割を果たしたシラバスとは、ウィルキンズの機能シラバスです。
機能シラバスは、誘う、依頼する、助言する、ほめるなど、言語の持つコミュニケーション上の働きを中心にしたものです。
よって、正解は3です。

なお、ではコミュニカティブ・アプローチが重視する現実のコミュニケーション過程の三つの要素に関する問題が出されています。
また、機能シラバスについては、の問5で出題されています。

 
 

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は【外国語教育・日本語教育の教授法】です。

問1 オーディオ・リンガル法の練習方法として不適切なものを探す問題です。

1のジグソー練習とは、学習者のペアに、細部が異なっていたり情報が虫食い状態になっている絵や文を配り、 互いの情報差を話し合いによって埋めていくオーラル・メソッドの応用練習のことです。

2の拡張練習とは、読みました(基本文)→本を(教師の与えるキュー)→本を読みました(学習者の発話)→図書館(キュー)→図書館で本を読みました(学習者)のように、徐々に文を長くしていく練習で、オーディオリンガル・メソッドパターン・プラクティスの一つ。拡大練習ともいいます。

3のミムメム練習とは、モデル会話をベースに、教師主導で文型を模倣させ記憶させる練習で、模倣反復記憶法ともいいます。オーディオリンガル・メソッド

4のミニマルペア練習とは、酒/sake/と竹/take/のように、1カ所の音素の違いによって意味の区別があるミニマルペアを使って、 音の違いに集中させる発音練習のこと。オーディオリンガル・メソッド

よって、正解は1です。



問2
コミュニカティブ・アプローチでは、実際のコミュニケーションにあるインフォメーション・ギャップ(情報差)チョイス(選択権)フィードバック(反応)に注目し、教室活動でもこれらの要素が備わっているべきであると考えます。
よって、正解は3です。
なお、
インフォメーション・ギャップとは話し手の情報差
チョイスとは何をどう言うかは話し手が自由に選べること。
フィードバックとは自分の発話に対し、相手から反応が得られ、相手の出方によって自分の発話を調整することが可能な状態であること。
インターアクションとは言語ないし非言語的なやりとり
リアクションとは反応。



問3 文法訳読法の長所として不適当なものを探す問題です。
文法訳読法とは、19世紀半ばから20世紀半ばにかけて主流となった外国語教授法で、特定の提唱者や基板理論はありません。学習目的は、読解力の養成であり、辞書を用いて母語訳をします。
1、文法訳読法は学習者数に関係なく行えます。
2、文法訳読法は文法用語を用いて分析的に解読しますが、学習者の学習スタイルによって効果が異なります場独立に属する学習者には文法訳読法が向いていますが、場異存の学習者は、個々の要素を周囲のものとの関連でとらえようとする傾向があるため、文法訳読法には向かず、コミュニケーションの領域に向いています。
3、辞書を用いて母語訳するので、比較的早い段階から生の読み物が扱えます。
4,文法訳読法は辞書を使うので母語が確認でき、理解不可能な状況は少ないです。学習者は一定の安心感をもつことができます。
よって、正解は2です。


なお、各教授法の説明は、ヒューマンアカデミーの完全攻略ガイド第3版(第2部 言語と教育)を参考にしました。

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