日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

タグ:アスペクト

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平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題10は【中国語が母語の学習者と日本語教師の会話】です。

問1
赤い服を着た結果が継続していることを表さなければならないので、アスペクトの問題になります。
「〜ている」とくれば、「アスペクト」 です。
よって、正解は4です。


問2
リキャスト(言い換え)…誤りであることを指摘せず、正しい形で繰り返す。
フォーカス・オン・フォームフォーカス・オン・フォームズフォーカス・オン・ミーニングの中間。コミュニケーション重視で文法も教える(意味中心で形式にも焦点)。知識としての文法ではなく使うための文法。タスク中心の教授法(TBLT Task Based Language Teaching)。
フォーカス・オン・フォームズ…意味より形式を重視。オーディオリンガル・メソッド
フォーカス・オン・ミーニング…形式より意味を重視。コミュニカティブ・アプローチ

以上より、正解は4です。


問3
リキャスト(言い換え)は、誤りを正して言うだけで、明示的指摘はしないので、学習者がフィードバックを受けていることに気づきにくいです。
よって、正解は2です。


問4
「例外を認めない表現の選択肢は誤りである可能性が高い」ストラテジーを使います。
1,「のみ」例外を認めず。
2,「特有」例外を認めず。
3,「の可能性もある」
4,「特有」例外を認めず。
よって、3が正解です。


問5
明示的フィードバックは、誤りを明示します。
詳しくは、平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲの解説 問題9の問2をご確認ください。

選択肢3は誤りを明示していません。暗示的フィードバック(リキャスト)です。
よって、正解は3です。 

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題3は【日本語の名詞修飾表現】です。

問1 
内の関係の名詞修飾(連体修飾)と外の関係の名詞修飾(連体修飾)を分ける問題は、平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ 問題1の⒀にも出題されていますので、比較してみてください。

内の関係名詞修飾(連体修飾)表現とは、
「昨夜訪れたレストラン」←「レストランに昨夜訪れた」
「海水浴に行った日曜日」←「日曜日に海水浴に行った」
「社長が行なった会見」←「会見を社長が行なった」
のように修飾される名詞が修飾している節の一部であったと考えられるもの。 

一方、外の関係名詞修飾(連体修飾)表現は、そのような関係になりません。
「景気対策を批判する声」←×「声 景気対策を批判する」

よって、正解は1です。


問2
外の関係の名詞修飾には、内容(同格)節補充節があります。

内容(同格)節…修飾する節が名詞の内容を表しているもの。内容(同格)節は、「という」を入れるかどうかの観点から、3つに分けられます。
⑴「という」をいれるのが自然。
例1…iPhone7が出るという噂が広まった。
例2…IPhone7を買えという命令がありました。
例3…iPhone7は革新的ではないという意見もあります。
⑵「という」を入れない。
例4…新品のiPhone7の味はいかがですか。
⑶「という」を入れても入れなくてもよい。
例5…iPhone7が盗まれる(という)事件があった。

補充節…修飾する節が名詞の内容を表してはいないもの。補充節は、因果関係的な名詞を使うもの(例1)と、相対的な名詞を使うもの(例2)に分けられます。
例1…過去問の解説を書いた結果、合格した。
例2…過去問の解説を書いた翌日に頭が痛くなった。

よって、正解は3です。


問3
アスペクトについては、平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅱ 問題6の8番の解説をご参照ください。
正解は4です。


問4
1,二文のときは、初めに生徒達の様子が描写され(生徒は入学したばかりで緊張している)、次に私の動きが描写され(教室に入ると)、最後に生徒達の動きが描写されています(生徒達が私の方を一斉に見た)。一方で、一つの文にまとめると、最初に私の動きが描写され(教室に入ると)、その後は、生徒たちの描写だけになっており、語りの視点の移動が少なく、スッキリしています。もっとも、最初に私の動きを描写していますので、「生徒達」に語りの視点を固定しているとはいえないのではないでしょうか。

2,「入学したばかりで緊張している」が名詞修飾表現になったため、旧情報のように扱われています。それによって、「生徒達が、私の方を一斉に見た」という主節の出来事が、二文のときに比べ相対的に目目立っています。

3,生徒たちが、「入学したばかりで緊張している」というのは、「私」の主観です。

4,文の最後の述語を中心としたひとまとまりを主節といい、文の途中の述語を中心としたひとまとまりを従属節といいます(日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版104頁)。
「教室に入ると」が従属節であり、「入学したばかりで緊張している生徒が、私の方を一斉に見た」は主節です。節の主従関係を断ち切ることはできていません。

よって、正解は2です。


問5
1,名詞修飾表現のみで一文を構成する特殊な文体は、具体的な対象に注目させるモノ的表現であるため、「ポケモンGOプラスの発売で大行列となったポケモンセンター」などのように、写真のキャプションで使用されます。

2,名詞修飾表現のみで一文を構成する特殊な文体は、主名詞に関する背景的な情報を提供できるため、「ベジータとブルマの息子であり、未来からやってきたトランクス」などのように、フィクション作品などで新しい登場人物を紹介するために使用されます。

3,名詞修飾表現のみで一文を構成する特殊な文体は、出来事の生起よりも、主名詞に注目させる表現ではないでしょうか。報道番組などで事件の発生を伝える際に、体言止めの表現(名詞修飾表現のみで一文を構成する特殊な文体)はあまり用いられないと思います。

4,名詞修飾表現のみで一文を構成する特殊な文体は、被修飾語の主名詞に注目させる表現であるため、「黙れ小僧!と怒鳴られて黙り込む真田信之」のように、シナリオのト書きなどで用いられます。

よって、正解は3です。

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題3Cは【語順】です。

⑿ 実際に具体例を考えてみます。
1,君に僕が借りる。→僕が君に借りる、のほうが普通。
2,野獣を王子に変える。→スッキリ。逆に、王子に野獣を変える、は違和感。
3,城に僕が行く。→僕が城に行く、のほうが普通。
4,城を僕が壊す。→僕が城を壊す、のほうが普通。
よって、正解は2です。


⒀ 
アスペクト的副詞とテンス的副詞の違いが分かりませんでしたが、モダリティ的副詞と、テンス・アスペクト的副詞にならば、分けることができました。
・モダリティ的副詞
「どうやら」「たぶん」「あいにく」
・テンス・アスペクト的副詞
「いつも」「すぐに」「あとで」「かつて」「いずれ」「いまに」「しだいに」「だんだん」「相変わらず」
両者を比べると、モダリティ的副詞が先に来ることがわかります。
よって、正解は4です。
なお、時の副詞について、三鷹日本語研究所に詳しい説明がありました。


⒁ 数量詞の位置が変わると意味が変わる場合については、にリンクしたサイトが参考になります。

50段の階段を上った←階段全体で50段。
階段を50段上った←階段の一部が50段。

よって、正解は2です。



名詞を修飾する要素が複数あるときは、長いものがより前に位置する傾向があります。
例…赤い本→新しい赤い本(△赤い新しい本)→日本語に関する新しい赤い本

よって、正解は3です。




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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題3Aは【文法カテゴリー】です。

⑴ 形態素とは意味を持つ最小の単位のことです。分解して数えてみます。
1,使役の助動詞「せる」の「せ」
2,受身の助動詞「られる」の「られ」
3,接続助詞の「て」
4,補助動詞「いる」の過去形「い」
5,過去の助動詞「た」
6,推定の助動詞「らしい」
7,丁寧な断定の助動詞「です」
8,終助詞の「ね」

合計八つです。
しかし、公式の正解は、3(七つ)となっています。
どうしてだろうとインターネットの森を徘徊していたら、
日本語自動品詞分解ツールという素晴らしいサイトを発見しました。
こちらで試してみても、上と同じ八つになりました。
どうして七つなのでしょうか。どなたか教えてください。



アスペクト)とは、動作や出来事が、その動作中のどの時点にあるかという文法的概念。詳しくは、を参照。
テンス時制)とは、その動作や出来事が、発話時点と時間的にどのような関係(過去・現在・未来)にあるかという文法的概念(アルクの『日本語教育能力試験に合格するための用語集』213頁より)。


テンスを表すル形…明日、試験が行われる(未来を表している)
アスペクトを表すル形…今から食べる(未了(動作の開始直前)を表している)
テンスを表すタ形…昨日、試験が行われた(過去を表している)
アスペクトを表すタ形…もう食べた(完了を表している)

よって、正解は2です。

なお、「もう食べた」のように、動作動詞「食べる」のタ形は完了も表すので、選択肢3は誤りです。
また、「愛を感じる」のように、状態動詞「感じる」のル形は、現在も表すので、選択肢4は誤りです。



モダリティとは、話し手の心的態度聞き手への働きかけを表す表現です。ムードともいいます(ムードは述語のカテゴリー、モダリティは文のカテゴリーと分けて考える説もある)。
事に対するものと、他の人に対するものにわけられることがあります。
対事的モダリティ(事柄をどのように見ているか)
例…これが携帯電話らしい
対人的モダリティ(他の人にどう伝えるか)
例…iPhone7を買ってください
対事的モダリティ対人的モダリティはこの順番で接続します。
例…iPhone7は防水かもしれないよ(「かもしれない」が対事的モダリティ、「よ」が対人的モダリティ)

よって、正解は1です。


⑷ パズル問題です。各選択肢の三つの終助詞を並べ替えて、組合せ可能なセットを探します。
正解は、2の「ね」「よ」「わ」です。
「わよね」に組合せ可能(例…浮気しないって言ったわよね!)



1,サ入れ言葉になっています。正しくは、「もう帰らせていただきたいんですけど」
よって、正解は1です。 

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅱの問題6は【学習者の発話の誤り】です。

1番
「届いてませんか」と言うべきを「届いてありませんか」 と言っているので、補助動詞の誤りです。 
よって、正解はbです。

2番
「高校生気づかなかった」 と言うべきを「高校生気づかなかった」と言っているので、対象を表す助詞の誤りです。
よって、正解はcです。

3番
もし行かなかったら、お母さんが怒ります」と言うべきを「もし行かないとき、お母さんが怒ります」と言っているので、従属節の誤りです。
よって、正解はaです。

4番
「今日は日曜日だから学校が休みです」と言うべきを「今日は日曜日から学校が休みです」と言っています。
「から」は接続助詞であり、文と文を接続します(例…台風が来るから学校が休みです)。
名詞を接続するのであれば、助動詞「だ」を加えなければなりません。
よって、正解はdです。
なお、ダイクシスについては、用語検索マンボウを参照。 

5番
 「不足(ふそく」の前に「運動」がつくとき、連濁して「うんどうそく」になります。
しかし学習者は「うんどうふそく」と発話しているので、連濁が起こっていません。
よって、正解はcです。 

6番
「あまがいい」を「あまがいい」と発話しています。
無声音「た」が有声音「だ」になっています。
よって、正解はbです。 

7番
「黒いコート」を「黒いコート」と言っています。黒いはイ形容詞なのに、ナ形容詞と間違っています。
よって、正解はaです。


8番
「失業者を減らすべきです」を「失業者を減るべきです」と言っています。減らすという他動詞を減るという自動詞に間違えています。
よって、正解はcです。 
なお、アスペクトとは、動作や出来事がその動作中のどの時点にあるかという文法的概念。
例えば、
「メモを書くところだ」動作の開始時点
「メモを書いている」動作の継続途中
「メモが書いてある」動作が終わった結果
「メモを書いたばかりだ」動作の完了直後。
「メモを書きかける」動作を開始してすぐの時点
「家が完成しつつある」動作が完了する直前の状態、など。
さまざまな表現によりアスペクトを表すことができる。

アスペクトの説明はアルクの用語集を参考にしました。

 

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