日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題2は【初級の学習項目に現れるモダリティ形式】でした。 
平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題2は【主題を表す形式】です。

問3の解説に入る前にお知らせです。
問1の私の解説は間違っていたと判断し、追記しました。ご迷惑おかけしました事を謹んでお詫び申し上げます。

問3「は」以外の主題を表す形式に関する問題です。
1,
基礎日本語辞典のp870-871によると、
「話題の提示の『なら』は、文法的には係助詞『は』に相当する。相手によって引き出された話題をテーマとしてことばを受け継ぐ表現である。」
例)ササミなら、いくらあっても構わないよ。
基礎日本語辞典

2,
「なんか」は、話し言葉で主題に対する主観的評価を表すときに用いられると思います。
例)あれなんか良さそう。

3,
スーパー大辞林3.0によると、
「としては」の意味は「…の場合には。…の立場では。」
例)「私としてはお引き受けできません」
  「彼としてはそう言わざるをえなかったのだろう」
このように、「としては」は、言葉を定義する文の主題を表すときではなく、立場を表すときに用いられます。

4,「ったら」は条件節をつくりますが、主題になるのは主節ではないでしょうか。
例)雨が降ったら、運動会は中止になるだろう。(主題:運動会)

以上より、正解は1と思料します。


問4
助詞の省略については、ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』86頁に説明があります。

強い格(ガ格、ヲ格)の特徴
話し言葉では格助詞を省略することが多い。
例)お腹(が)減った。
  解説(を)書いてます。


弱い格(ト格、デ格、カラ格など)
格助詞を省略しないのが普通。

よって、3が正解と思料します。


問5「各言語における主題の表示方法とその用法」に関する問題です。
1,英語は強弱アクセントを持つ言語ですが、格成分であれば主題化できるという意味が分かりませんでした。英語は主語優勢言語なので、基本的に主題と主語が一致するのではないでしょうか。

2,韓国語は日本語と同じ膠着語であり、主題を表す助詞を持ちます。

3,スペイン語の話題を表す手段は動詞の活用語尾だと思います(wikipedia「話題」参照)。

4,中国語の主題を表す手段は語順です(wikipedia「話題」参照)。

以上より、正解は2です。

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題2は例年どおり【学習者の誤用と異なる種類の誤用】です。

⑴ 「は」を「あ」に間違っているので、子音の脱落です。
1,「へ」を「え」に間違っているので、子音の脱落です。
2,「ほ」を「お」に間違っているので、子音の脱落です。
3,「ん」を「あ」に間違っているので、子音の脱落ではありません。
4,「ば」を「あ」に間違っているので、子音の脱落です。
よって、正解は3です。


⑵「落ちている」(落ちる)を 「落としている」(落とす)に間違っているので、自動詞を使うべきところを他動詞にしているという誤りです。
1,「掛かる(掛かっている)」という自動詞を使うべきところ「掛ける(掛けている)という他動詞に間違っています。
2,まず、活用が誤っています。「置く」は「置きて」ではなく、イ音便化して 「置いて」になります。もっとも、「置く」は他動詞なので「携帯電話が置いている」も正しくありません。自動詞を使いたいところですが、「置く」に対応する自動詞が見つかりません。なので、受身にしてみます。「携帯電話が置かれている」
3,「入る(入っている」」という自動詞を「入れる(入れている)」という他動詞に間違っています。
4,「破れる(破れている)」という自動詞を「破る(破っている)」という他動詞に間違っています。
よって、正解は2です。


⑶「AしながらB」 はAとBという動作を同時に行うことを意味します。「AしたままB」はAの状態でBすることを意味します。「立ちながら食べる」だと、立つ瞬間に食べるという早食い選手権なみの技術が要求されます。瞬間動詞に「ながら」をつけると変になる場合が多いようです。正しくは「立ったまま食べる」でしょう。

1, 「開ける」は瞬間動詞です。窓を開けながら寝たら病気が疑われます。正しくは「開けたまま寝た」でしょう。

2, 「入れる」は瞬間動詞です。コンタクトレンズを入れながらお風呂に入ったらコントです。正しくは「入れたままお風呂に入った」でしょう。

3,「帰る」などの移動動詞は「瞬間動詞」としての性質と「継続動詞」としての性質があります。
例…妻は実家に帰った→別居している状態を示す継続動詞としての性質。
 …家に帰ってお風呂に入った→家に移動するという動作は終わり、その結果が残っている瞬間動詞としての性質(なお、動詞の分類については、ウェブサイト「日本語教師の広場」に詳しい説明がありました)。
そのため、「帰りながら歌を歌った」という表現は、「瞬間動詞」としての性質から違和感がありますし、「帰ったまま歌を歌った」という表現は「継続動詞」としての性質から違和感があります。
どちらも使えなさそうです。「歩きながら歌を歌った」でどうでしょう。

4,「つける」は瞬間動詞です。正しくは「つけたまま出かけた」でしょう。

よって、正解は3です。


⑷ 
「と、ば、たら、なら」の使い分けに関しては日本語教育能力検定試験完全攻略ガイドの114頁以降に詳しい説明があります。


上記本によると、
「と」は、後件に、意志・勧誘・命令などの表現が来ません
よって、「と」を「たら」に変えるべきです。「駅に着いたら」
他の選択肢も全て、後件に、意志、提案、命令などの表現が来ているので「と」は使えません。「たら」に変えます
1,「買ったら」
3,「合格したら」
4,「生まれたら」
これらはいずれも、前件(従属節)が実現したら、後件(主節)という関係にあります。つまり、従属節の後に主節という時間経過になります。
一方で、選択肢2は、前件(従属節)が実現するなら、後件(主節)という関係にあります。つまり、従属節と主節の時間関係は同時です。この場合、「たら」は使えません。「なら」になります。
2,「行くなら」
よって、正解は2です。

なお、「と、ば、たら、なら」の使い分けに関しては、「教えて!goo」にもありました。


ニ格を使うべきところをヲ格に間違えています。
1,ガ格を使うべきです。「が分かる」 
2,ニ格を使うべきです。「に苦しむ」
3,ニ格を使うべきです。「に満足する」
4,二格を使うべきです。「にあきれる」 
よって、正解は1です。 

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題1の続きです。

⑾【「なら」の用法】 
1,3,4,5の「なら」は、文の表面にはない情報を暗示しているので、取り立て助詞の「なら」です。
1,多くは話せない。
3,ほかの店は置いてない。
4,他の料理は作れない。
5,早くは歩けない。
2の「なら」は「聞き手の発言を受ける用法」(初級を教える人のための日本語文法ハンドブック225頁)です。「「なら」は相手が述べたり質問したりしたことの中から主題を受け取って、それについて話を展開させる場合に用いることができます。このような「なら」は主題の受取りの「なら」と呼ばれることがあります」(中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック336頁)。
よって、正解は2です。
なお、取り立て助詞については、を参照。


⑿【逆接条件の表現】
1,2,4,5は仮定の逆接ですが、3は確定の逆接です。
よって、正解は3です。


⒀【「上で」の用法】
1,2,3,5の「上で」は「(〜する)ために」に言い換えられます。
4の「上で」は「(〜した)のち」に言い換えられます。
よって、正解は4です。
 

⒁【取り立ての対象】
また、取り立て助詞がでてきました。お好きですね。
1,2,3,4,の取り立て助詞の対象は述語ですが、5の対象は主語です。取り立て助詞を抜いてみると分かりやすいです。
1,微動しなかった
2,出血しなかった
3,入賞できなかった
4,想像できなかった
5,教員できなかった
よって、正解は5です。


⒂【複合名詞と複合動詞の対応】
平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ 問題1の⑸にも同じタイプの問題がありますので(なんと正解も同じです)、比べてみてください。

各選択肢の名詞と動詞を比べてみます。
1,着回し 着回す
2,持ち込み 持ち込む
3,見直し 見直す
4,走り書き 走り書きする
5,やり過ぎ やり過ぎる
4だけ、動詞が「名詞+する」の形になっています。
よって、正解は4です。
ちなみに、
動詞を名詞にするときは、連用形(マス形のマスを省く)にします。
1,着回す→着回し(ます)
2,持ち込む→持ち込み(ます)
3,見直す→見直し(ます)
5,やり過ぎる→やり過ぎ(ます)
名詞を動詞にするときは、「する」を加えます。
4,走り書き→走り書きする

 

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