日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

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どこよりも早い解説付き解答速報
平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題15は、【日本語指導が必要な児童生徒】です。

問2 日本語指導が必要な児童生徒への「日本語教育」に関する問題です。
1,答えは学校教育法にあります。
学校教育法第36条
第1項 小学校においては、文部科学大臣の検定を経た教科用図書又は文部科学省が著作の名義を有する教科用図書を使用しなければならない。
第2項 前項の教科用図書以外の図書その他の教材で、有益適切なものは、これを使用することができる
※中学校については、同法第49条で36条の規定を準用。

よって、義務教育段階では文部科学省検定済教科書以外の教材利用は許可されていないというのは誤りです。

2,
文部科学省の学校教育法施行規則の一部を改正する省令等の施行について(通知)によると、
「日本語指導は,複数校への巡回による指導も含め児童生徒の在学する学校において行うことを原則とするが,指導者の確保が困難である場合等は,他の学校における指導が認められること。」とありますので、日本語指導に際して外部機関の協力を得ることは認められてます。


3,
Q30 小学校の児童と中学校の生徒の双方を対象として,同時に同じ教室で「特別の教育課程」による日本語指導を行うことはできますか。によると、
「「特別の教育課程」による指導は,あくまでも当該児童生徒の正規の教育課程の一環として位置付けられるもの」とありますので、外国人児童生徒への日本語の指導は正規の教育過程には含まれていないというのは誤りです。


4,
学校教育法施行規則の一部を改正する省令等について【日本語指導が必要な児童生徒を対象とした「特別の教育課程」の編成・実施】によると、
「年間10単位時間から280単位時間までを標準とする。」とありますように、
特定の教科の全授業時数を日本語指導にあてることは推奨されていません。

以上より、正解は4と思料します。

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平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題15は、【日本語指導が必要な児童生徒】です。

問1「日本語指導が必要な児童生徒」に関して、2010年から2014年の動向に関する問題です。

これは難問でした。

まずは、下記リンクの資料を御覧ください。
文部科学省の「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成26年度)」の結果についてに数字とグラフが載っています。

上記資料の表現を引用しますと、

「平成 26 年5月1日現在、公立の小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校に在籍する日本語指導が必要な外国人児童生徒は 29,198 人(27,013 人)で、前回調査より 2,185 人[8.1%]増加した。」
「また、日本語指導が必要な日本国籍の児童生徒は 7,897 人(6,171 人)で、1,726 人[28.0%]増加した。」

ということは、3が正解だな、と思いたいのですが、
「前回調査」は2012年(平成24年)のため、問題文が聞いている2010年との比較ではないのですね。

仕方がないので、2010年(平成22年)の数字を探してみます。
上記資料の5頁図1、6頁図2にそれぞれありました。

・日本語指導が必要な外国人児童生徒数
2010年(平成22年)…28,511人

・日本語指導が必要な日本国籍の児童生徒数
2010年(平成22年)…5496人


まとめますと、
・日本語指導が必要な外国人児童生徒数
2010年(平成22年)…28,511人
2014年(平成26年)…29,198 人


・日本語指導が必要な日本国籍の児童数
2010年(平成22年)…5,496人
2014年(平成26年)…7,897人

数字としてはいずれも増加しています。

ということでやっぱり3が正解だな、
と思いたいのですが、
上記資料の5頁をみてください。図1をみてください。
図で見るとほとんど増えていません。
若干上向きの横ばいです。
見方によって、横ばいとも増加ともいえそう。
答えが一つに絞れません。

困りました。
仕方がないので、言葉の定義にまで戻ってみます。

「増加」とは、
数量が増えること」(スーパー大辞林3.0)

「横這い」とは、
「①横に這うこと。②相場・物価・売り上げ・賃金などの上下の変動の少ないこと。③カメムシ目ヨコバイ上科の昆虫の総称」(スーパー大辞林3.0)


・日本語指導が必要な外国人児童生徒数
は、28,511人→29,198 人
となっているので、
「数量は増えています」

しかし表で見ると、
「上下の変動が少ない」です。

スーパー大辞林3.0の力を借りても答えが出せません。

さらなる手段です。
問題作成者の気持ちになってみます。

どうしてこんな問題を作ったのか?
どうして2012年との比較じゃなくて、2010年との比較にしたのか?

謎が解けました。
記述問題の書き方でもオススメした「問題作成者の気持ちになる」方法は、
ここでも有効でした。

「日本語指導が必要な児童生徒」
と言われれば、普通は外国人を想像します。
ところが実際は、
日本語指導が必要な外国人児童生徒はそんなに増えていないのに、
日本語指導が必要な日本国籍の児童生徒が明確に増えている。
これは常識と異なることなので、
問題にしたら面白いぞ。
受験生の裏をかけるし、意外な事実を学ぶことができて受験生も幸せだろう。

問題作成者は、そのように考えたに違いありません。

ところがやっかいなことに、
2012年だけ、日本語指導が必要な外国人児童生徒数が明確に減ってしまった影響で、
前回調査(2012年)との比較では、2014年の日本語指導が必要な外国人児童生徒数も明確に増えています。冒頭で確認したように。

このままでは、意外な事実の面白い問題が作れない。
そこで、問題作成者は2010年との比較を持ち出したに違いないのです。

以上の経緯を考えれば、
正解は1であると思料します。

その他の資料としては、日本語指導が必要な児童生徒に対する「特別の教育課程」の在り方等についての1−1日本語指導が必要な外国人児童生徒数の状況に、「近年、横ばい状況」という表現が出てきます(ただし平成22年度(2010年)までの数字です)。
一方、平成28年3月22日文部科学省『日本語能力が十分でない子供たちへの教育について』では、
「公立学校に在籍する外国人児童生徒の約4割が日本語指導を必要としており、増加傾向。」という表現が出てきます。

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平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題14は、【台湾での日本語教育の始まり】です。

問1 台湾が植民地となった契機を選ぶ問題です。

この問題を見たとき、
私は幸せを噛み締めました。
なんて運が良いのだろうと。

数日前、一冊の本と出会っていたからです。
日本語教育能力検定試験に合格するための世界と日本16 
↑amazonレビューも満点5つ星。

日本史(戦国時代以降)について日本語教育の観点から書かれているのですが、中学・高校で学んだことを別の視点で眺めるのは大変興味深く、没頭しました。

アルクさん、ありがとう。
私は近代日本史をさっぱり覚えていなかったけれど、
アルクさんの『日本語教育能力検定試験に合格するための世界と日本16』の28頁には、台湾での日本語教育という項目があったから、思い出すことができたよ。お礼に一部引用するよ。

日清戦争に敗れた清は下関条約で台湾を日本に割譲、台湾は日本領土となり、日本による支配は一九四五年まで続くことになります」

よって、3が正解です。

アルクさんの解答速報もすでに出ているので、念のため、確認してみましょう。

……
………
?????
私の目がついにパソコンのブルーライトにやられてしまったのでしょうか。
何度再読込しても、プリントアウトしても、まばたきしても、目薬さしても、アルクさんの解答速報が2に見えるではありませんか。

どういうことだってばよ?

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平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題11は、【方言と言葉の変種】です。

問1
1,階層方言という言い方はあるのでしょうか。初めて見ました。
2,社会方言については、 位相語と方言の違いをご参照ください。
3,4,ネオ方言と新方言については、ネオ方言と新方言の違いをご参照ください。 

年齢や性差などの観点から言葉の差異を捉えたのは、社会方言と思料しますので、正解は2です。


問2 「若者言葉」を使用する目的に関する問題です。
3,逆ではないでしょうか。理性よりも感覚に訴えるため。
よって、3が正解であると思料します。


問3
日本語教育能力検定試験には大好きなキーワードがいくつかありますが、そのうちの一つがダイクシスで繰り返し繰り返し問われています。
ダイクシス(直示)とは、発話された場面によって意味が決まるもの。
詳しくは、 平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題4【直示(deixis)】をご参照ください。

よって、正解は1です。


問4「隠語」の例を選ぶ問題です。
2,「犯人」を意味する「ホシ」は刑事ドラマでも有名です。
2が正解です。


問5「特定の人物像を想起させる言葉」(役割語)の例を選ぶ問題です。
1,「わがはい」は知的階級の男性を想起させます。なのに、実際は猫であるというギャップが『吾輩は猫である』の面白さかと存じます。
正解は1です。

 

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