日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

カテゴリ:平成28年度日本語教育能力検定試験問題の解説 > 試験Ⅲ

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題5は【ある地域の日本語教室の学習者グループのニーズ・レディネス】でした。
平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題5は【授業の振り返り】です。

問1 話し合いの授業を活性化するための方法に関する問題です。
1,「身近な問題を解決する」など、話し合いのゴールを 明確にすると、活性化すると思います。

2,レベルが高すぎると話し合いに参加できません。レベルが低すぎると興味が湧きません。

3,クラス全体で話し合うと、参加しない(できない)人が増えますので、小グループにしたほうが個々の意見を尊重できると思います。

4,活動のステップを定めたほうが、話すことが明確になり、話し合いが活性化すると思います。

よって、正解は1と思料します。


問2 適切な言葉が思い浮かばない学生への「スキャフォールディング」に関する問題です。
スキャフォールディング(足場かけ)とは、独力では無理な場合に援助してあげることですので、正解は4と思料します。


問3「不安や緊張」に関する問題です。
4,適度な緊張が集中力を高めたりもしますので、4が正解だと存じます。


問4「授業の振り返り」の方法の一つである「ジャーナル」の活用法に関する問題です。
研究社日本語教育事典241Rによると、
ジャーナルというのは、学習者教師が言語学習の過程を記録した日記のようなものである。学習者が言語活動の記録だけではなく、疑問や意見、感想等を書くことによって、教師は学習者の心理的変化の過程を知ることができ、自らの教え方を内省することができる。また、ジャーナルを通じて相互交渉を重ねることで、学習者と教師双方が相手の視点に立って物事を捉えられるようになり、互いにラポール(信頼関係)を確立していくことができる。」

よって、
1「立場が違う物との言葉のやり取りを通じて授業の改善方法を見出していく。」が正解であると考えました。

ところが、です。
アルクさんと大原さんは共に、正解を2としています。
また、やってしまった!

しかし、理由がわかりません。
私は日本語教育に携わったことがないため、 実際のジャーナルを見たことはありません。モジュール型教材の時と同じように、言葉の意味を知っているだけなので不安です。自分の想像が間違っているのでしょうか。
グーグル先生にお尋ねしたところ、「振り返りジャーナルを始めよう!」というブログ記事を教えていただいたのですが、そこでも、学習者と教師の書面によるやりとりが行われているようです。
どうして正解が2になるのか、分かりません。 
ジャーナルの経験者さんはいらっしゃいませんか?

追記 2017/2/5
申し訳ございませぬ。私が誤っておりました。詳しくは下記記事のコメント欄をご参照ください。

疑問があります

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題5は【ある地域の日本語教室の学習者グループのニーズ・レディネス】でした。
平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題5は【授業の振り返り】です。

問5「自己研修型教師」に求められる姿勢に関する問題です。
ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』190頁によると、
自己研修型教師は、常に自身の教育姿勢の振り返りをしながら成長を目指します。

そのためには、
学習者の学習過程と結果を観察し(選択肢1)、
自分自身の言語教育観を認識し(選択肢2)、
既存の教授法を批判的に検討する姿勢(選択肢4)
が求められます。

熟練教師の授業を参考にはするべきですが、忠実に模倣する姿勢(選択肢3)は必要ではありません。
ロボットではないので、完璧なコピーは不可能です。
うまくいく自分なりのやり方を、自分で見つけなければなりません。

よって正解は3です。 

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題6は【国内の大学進学予備教育で行った論証型レポート作成の授業】です。
平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題6は【中級の日本語クラスで行ったインタビュー活動】です。

問1 「ブレーンストーミング」を行う際の留意点です。
ブレーンストーミングとは、参加者が自由に多くの意見を出しあうことによって、独創的なアイディアを引き出す集団思考法(スーパー大辞林3.0)。

1,吟味する時間があったら、自由に多くの意見を出してください。

2,自由に多くの意見を出すために、特定の人の発話に偏らないようにして、多くの人が発言できるように留意すべきです。

3,メモすることで独創的なアイディアが生まれるかもしれませんので、話し合いの最中にも取ってよいのではないでしょうか。メモがないと忘れちゃうかもしれませんし。

4,一つのアイデアごとに、賛否の判断をしていたら、自由に多くの意見を出しあうことができません。

よって、正解は2です。


問2「インタビューシート」を実際のインタビューで使う方法に関する問題です。
2,相手にシートを見せて、答えやすい質問を選んでもらうのは、会話の練習にならないので不適当だと思います。
よって、正解は2です。

問3「インタビューの練習」に関して学習者Pにアドバイスする内容です。
1,詰問に聞こえるので、疑問文で「〜ノダ」は使えないこと
ノダ文といえば、
平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの解説 問題1の(7)【「のだ」の用法】

にも出てきました。
学習者Pの最初の疑問文がノダ文になっています。
「一番好きな科目は何なんですか」←「何なのですか」←「何なのだ
確かに詰問に聞こえるので、ここでは使うべきではないと思います。
しかし疑問文で「〜ノダ」が使えないわけではありません。
例)え、行かないんですか? 食べないんですか? 

2,相づちにも、丁寧体・普通体のスタイルによる使い分けがあること
学習者Pは「ああ、そうか」と普通体で相づちしていますが、それ以外は丁寧体を使っているので違和感があります。

3,「〜というのは」という形式で、相手の発話を引用すること
「日本文学史です」
「日本文学史というのはどうしてですか」
「古典に興味があるからです。昔、英語で『源氏物語』を読みました」
「『源氏物語』というのは何ですか?」
後者の「というのは」に違和感はありませんが、前者の「というのは」は、くどく感じます。自分にとって不明確な事柄を引用するときに「というのは」を使うのでしょうか。どうでしょうか。
「離婚協議中というのは本当ですか?」とリポーターが芸能人にマイクを向けている様子が目に浮かびました。
「〜というのは」の使用を限定せずにアドバイスするのは不適当だと思います。

4,相手の発話を指す文脈指示では、「これ」ではなく「それ」を使うこと
学習者Pは「これはどうしてですか」と言っていますが「それはどうしてですか」と言うべきです。

以上より、正解は1か3と思料します。


問4 学習者が評価のコメントを述べるときに留意させる点に関する問題です。
3,建設的な意見が大事なので、正解は3と思料します。

 
問5 授業のねらいに関する問題です。
1,「早く正確に書く力を身につける」のが目的であれば、インタビューよりディクテーションがいいと思いますので、正解は1です。 

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題7は【初級後半クラスの「私の故郷紹介」をテーマとするスピーチ】です。です。
平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題7は【ある地方自治体が実施した中上級の「日本語集中講座」】です。

問1「ルーブリック」に関する問題です。
文部科学省の大学教育部会配布資料によると、
ルーブリックとは、「目標に準拠した評価」のための「基準」つくりの方法論であり、学生が何を学習するのかを示す評価規準と学生が学習到達しているレベルを示す具体的な評価基準をマトリクス形式で示す評価指標です。

よって、正解は4です。
 

問2 意見交換を行うにあたり、聞き手側にとって有用な表現やストラテジーに関する問題です。
平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題12は【文化による会話スタイルの違い】の問3で「聞き手行動」に含まれないものを選ぶ問題がありました。
そのときの四択は
1,明確化要求
2,割り込み
3,ターンの保持
4,オーバーラップ
でした。
今年は「聞き手行動」ではなく、「聞き手ストラテジー」なので、
選択肢も異なっています。
1,聞き返し
2,繰り返し
3,同意要求
4,相づち
ですが、いずれの選択肢も見ただけで意味が推測でき、3の同意要求(女子高生の会話)だけ、聞き手側の行動ではないとわかります。
同意要求の例)「これかわいくない?」「かわいー」「あいつマジキモくない?」「キモイー」
という理解をしているのですが、どうでしょうか。
女子高生じゃない同意要求の例)「猫って世界一美しい生き物ですよね」「そうですね」
よって、正解は3です。


問3
パーセントがあるので割合は必要です。
項目が複数あるので順位は必要です。
中学生と高校生があるので比較は必要です。
単年度なので推移は不要です。
よって、正解は1です。


問4 ディスカッションのはじめに、受講者に提示する留意点。
この授業の目的は、「自分の考えをまとまった長さで話すこと」「適切な表現を使って意見を伝え合うこと」ができる日本語力をつけることです。
大事なのは過程であり、一つの解決策に行き着くまで話し合う必要はありません。
よって、正解は2です。


問5
1,この授業の目標は、「ALT(外国語指導助手)として勤務するうえで」「職員室などで、場面や相手に応じた適切な表現をつかって意見を伝え合うことができる」「日本語力をつける」です。
全てを単文にしたら小学生のような文章になってしまい、「場面や相手に応じた適切な表現」とはいえないでしょう。

2,具体例は大事です。

3,職員会議はディベートではありません。

4,職員会議は仕事場です。同僚です。「場面や相手に応じた適切な表現」にしましょう。

よって、2が正解です。 

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題8は【上級レベルの留学生を対象としたクラスにおける読解・口頭表現・作文を組み合わせたグループワーク】でした。
平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題8は【中級前半レベルの文法・読解クラス】です。

授業で使用したテクスト要約+α
タイやベトナムでは入っているのに日本の十二支にネコが含まれていないのはネズミにだまされて神様にあいさつに行くのが一日遅れたから。それ以来、ネコはネズミを追いかけるようになり、トムとジェリーが生まれました。

問1
日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第3版194頁によると、
1,ディクトコンポ…文を途中までディクテーションさせ、その続きを考えさせる。

2,ディクトグロス…①まとまりのある内容を持つ短めの文章を、教師が数回音読している間、学習者はキーワードのメモを取る、②その後、学習者が個別に、または他の学習者と協働して、元の文章と同等の内容・構成になるよう、文章を復元していく活動。
CD付 日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第3版 (EXAMPRESS) 

3,ディクテーション… 読み上げた外国語を書き取ること。また、その試験。(スーパー大辞林3.0)

4,ディクタカンバセーション…なんですかこれは? dictaconversation?

正解は2です。


問2「テクスト」を選ぶ際の留意点
1,注意深く聞かなくても理解できる文章だと習得に結びつきません。インプット仮説。
2,簡単に字句を記憶できる長さだと、ディクトグロスの意味がありません。
3,どこからそのような数字が……
4,中級前半レベルの文法・読解クラスですから、学習対象は文法です。活動の流れ④で「教師が、テクスト中の注意すべき文法項目について説明する」ことからしても、「テクスト」を選ぶ際に大事なのは、「学習対象の文法項目が含まれていること」になります。
よって、正解は4です。


問3
1,振り返ってみるに、小中高大、いずれにおいても、グループ学習において、成績(習熟度)が同程度によって分けられた記憶はありません。同じ中級前半レベルのクラスなのですから、その中でさらに習熟度で分ける必要はないと存じます。

2,学習者の様子を見ながら、テキストを読み上げるスピードを調整する配慮が大事だと思います。問2の選択肢のように簡単すぎても、難しすぎても、習得に結びつきませんから。

3,中級前半なんですから、日本語で頑張ってください。

4,固定する必要はないかと。

よって、正解は2です。

追記)
何の疑問も持たずに正解は2だと決めつけて、よくよくアルク他の解答速報を確認したら、いずれも正解は3になっておりました。日本語教育の経験もないくせに偉そうなことを言って誠に申し訳ございませんでした。
グーグル先生のお力も借りた結果、以下の資料にあたることができました。

中級学習者に対するディクトグロスの実践
ディクトグロスを用いたリスニング能力を伸ばす指導

読んだ結果、考えが変わりました。
2,読み上げる途中でスピードを訂正していたら、学習者の注意力が削がれるのではないかと。
3,あくまで「文法的に正しく整合性のある文章を再構築する」ことが目的なのだから、日本語がうまく話せない学習者には母語使用を認めるべきだろうと。

よって、正解を3に訂正いたします。



問4
「ネコは含まれていない」→「ねこは入られていない」
「ネコがネズミにだまされた」→「ねずみがねこにだました」
など受動表現に問題があるので、正解は1です。


問5 ディクトグロスに期待される効果
1,暗示的な指導…説明しないで自然に習得できるよう誘導
  明示的な指導…学習目標となる言語項目を、学習者がはっきり意識するように説明して教える。
活動の流れ③が暗示的指導、④が明示的指導ではないかと存じます。融合されてます。

2,聞くというインプット活動と、話す書くというアウトプット活動を統合してます。

3,私にはどういうことなのかよく分かりませんでしたので、保留。

4,聞いた目標言語を、自分の言葉で書いてみることで、学習者の中間言語と目標言語の認知比較を促せます。

以上より、消去法で3が正解です。

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