日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

カテゴリ:平成28年度日本語教育能力検定試験問題の解説 > 試験Ⅰ

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平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は、【コミュニケーション能力の育成を重視した教授理念】です。

問5 学習者に様々な認知活動を促す「内容言語統合型学習(CLIL)」に関する問題です。
恥ずかしながら小生は、クリル(内容言語統合型学習)という言葉を全く知らず、この問いも分からなかったのですが、調べてみると、とても興味深い学習法であることが判明しました。
  
CLIL 新しい発想の授業 


上智大学とCLIL CLIL導入への軌跡と実践によると、
CLIL内容言語統合型学習)は、イマージョンとCBI(Content-Based Instruction、内容重視の言語教育)の中間で、科目教育と語学教育の両方の習得を目指すもの。非母語で科目を学ぶことで、科目内容・語学力・思考力・協同学習という四つの要素をバランスよく育成する教育法。

ということは、2が正解ではないでしょうか。
 
CLIL Japan Primaryのサイトも参考になりました。 

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平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題5は、例年どおり【教材・シラバス】です。

2017/1/22 追記
解説を書き直しましたので、下記ブログをご参照ください。

kyujin.nihongokyouiku.net



問1 
4,「様々な情報を盛り込んだ詳細な図」だと、余計分かりにくくなるのではないでしょうか。私はシンプルが好きです。
よって、正解は4と思料します。


問2 
オンラインでの学習と、教室での対面学習を効果的に組み合わせた学習形態といえば、ブレンディッド・ラーニング(混ぜた学習)です。
よって、正解は2です。


問3「モジュール型教材」という文字を見て、またかよ! どんだけ好きなんだよ! と思いましたよ私は。過去問以外ではあまり目にしないワードですが、過去問では平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題5平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題7で出題されています。

モジュールとは、交換可能な構成部分という意味です。目的に合わせて組合せを変えることができます。

ということで、4が正解と思料します。

追記)
コメントいただいたとおり、正解を2に訂正いたします。


問4「トピックシラバス」の特徴を選ぶ問題です。
研究社 日本語教育事典
 
研究社日本語教育事典によれば、
トピックシラバス(話題シラバス)とは、『実社会で話題になっている事柄や、学習目標、学習者のニーズ、関心等に応じて必要性が高いと思われる話題を配列したもの。これらの話題を理解し、付随する学習活動を行うのに必要な語彙や文型を提示している。中級以上の学習者を対象にした教科書で採用されることが多い。』

日本語教育能力検定試験に合格するための用語集によれば、
トピックシラバス(話題シラバス)とは 、『「旅行」「家族」「日本の教育」など、コミュニケーションの際に挙がる話題で分類し構成されたシラバスのこと。ある話題について意見を述べたり、話し合ったりする能力を養成するのに適しているが、一方で体系的に学習を構成することが難しいという難点もある。コース開始直後から話題に関する語彙や表現を網羅的に学ぶこと、相応のコミュニケーション能力も求められることから、中級以上の学習者に適している。ナチュラル・アプローチの中心を成すシラバスである。』

以上より、正解は1と思料します。


問5 教科書を選ぶ際に行う「教科書の『構造分析』」の観点として不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は迷いました。
教科書を選ぶ際にどんな観点で教科書を分析するかと聞かれても、日本語教師の経験がないため想像力を働かせるほかありません。
自分が教師になって教科書を選ぶとしたら、選択肢の中では、
3,課の構成の背景にはどのような学習理論があるか。
が一番検討しない観点だと思いましたので、正解は3でしょうか。

追記)
コメントでご教示いただいた過去問と比較した結果、たしかにおっしゃるとおりだと思いましたので、正解を4に訂正いたします。
過去問が重要としつこく繰り返しておきながら、私自身過去問を見逃しているという大失態、申し訳ございませぬ。 

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平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題6は、【読解】です。

問1「スキミング」の活動例を選ぶ問題です。
スキミング (走り読み)…スキム(skim)とは『すくいとる』という意味であるが、文章の読み方として用いる場合は、すくい読み走り読み斜め読み飛ばし読み大意読みなど様々な呼び方がある。教科書としては『中・上級のための速読の日本語』がある(研究社 日本語教育事典)。 
Rapid Reading Japanese: Improving Reading Skills of Intermediate and Advanced Students
 
よって、
「地方都市の過疎化に関する新聞記事に目を通し、大意を把握する」
3が正解であると思料します。


問2 クラスで行う読解活動の一つである「ジグソー・リーディング」の活動例を選ぶ問題です。
ジグソー・リーディングとは、学習者の持つ情報の差によって、語学力のレベルにかかわらず学習活動への参加度を高めるよう構造化された読解活動。クラスを数人のグループに分け、グループのメンバーそれぞれが一つの読解教材を分割した異なる部分を読んだ後、情報の交換をしながら協働学習を行う。情報の断片から全体を作り上げることで読解力を強化するねらいがある(日本語教育能力検定試験に合格するための用語集118頁)。

よって、
「グループのメンバーが短編小説の異なる部分を読み、互いに読んだ内容を報告して全体のストーリーを再構成する」
2が正解であると思料します。


問3「多読」のルールを選ぶ問題です。
NPO多言語多読によると、多読には以下のルールがあります。
①やさしいレベルから読む
②辞書を引かないで読む
③わからないところは飛ばして読む
④進まなくなったら、他の本を読む

よって、3が正解であると思料します。


問4 読解能力を測定する方法としても活用できる「クローズテスト」の説明を選ぶ問題です。
クローズテストとは、文章中の空所に適当な語や文字を入れて、意味の通る文章を完成させるテスト(研究社 日本語教育事典)。

よって、3が正解であると思料します。


問5 日本語能力試験の読解で出題される「統合理解」の説明を選ぶ問題です。
新しい「日本語能力試験」ガイドブックによると、
「統合理解」のねらいは「複数のテキストを読み比べて、比較・統合しながら理解できるかを問う」とあります。

よって、
「関連がある複数のテキストの内容を比較し理解する問題」
1が正解であると思料します。

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平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題7は、【評価】です。

問1 コースの途中で指導や学習を改善する目的で行う評価に関する問題です。
CD付 日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第3版 (EXAMPRESS)
 
の202頁によると、
1,総括的評価…コース修了時に到達度を見たり、成績評価をしたりするために行われる。
例)期末テスト

2,診断的評価…コース開始前に実施される。
例)レベル・チェック、組分けテスト

3,選抜的評価(選抜評価)…候補者の選び出しを行う。
例)入学試験

4,形成的評価…学習状況を見るためにコース開始後に随時実施される。
例)クイズ(小テスト)、単元テスト

以上より、4が正解であると思料します。


問2「集団基準準拠テスト」に関する問題です。
集団基準準拠テスト」と「目標基準準拠テスト」の違いについては、テストの種類(CRTとNRTの違い)をご参照ください。

1,目標に対する個人の到達度を測るのは「目標基準準拠テスト」かと存じます。

2,受験者感の能力の違いを明らかにするのは「集団基準準拠テスト」と存じます。

3,個人の結果の解釈に平均値や標準偏差などを用いるのは「集団基準準拠テスト」と存じます。

4,得点分布から受験者の特徴を理解できるのは「集団基準準拠テスト」と存じます。

よって、1が正解であると思料します。


問3 テストに求められる「妥当性」「信頼性」「客観性」のうち「妥当性」に関する問題です。
テストの妥当性とは「テストが測ろうとしているものを適切に測れているか」ということです(ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』207頁)。

よって、2が正解であると思料します。


問4「文法テスト」と「聴解テスト」の得点の関係を示した図に関する問題です。

正の相関…X軸が増えるとY軸が増える。
負の相関…X軸が増えるとY軸が減る。

文法テストと聴解テストの得点分布図は、X軸が増えるとY軸が増えているので、正の相関です。
しかし、ばらつきも大きいので
「弱い正の相関である」
2が正解であると思料します。


問5「Can-do Statements」に関する問題です。
国際交流基金のウェブサイト「Can-do Statements」がもたらすものによると、
Can-do Statementsとは、
・「日本語を使って何ができるか」を記述したもの
・学習者にとって現在の能力を診断するものであると同時に、今後の学習の目標ともなるもの
・あくまでもサンプルとしての行動記述であり、学習上達成すべき行動のリストではありません。学習者のニーズ等も考慮しながら、指導の目標を定める際の参考のひとつとすることにより、評価と指導が裏表で一体化し、学習者と目標が共有されることにこそ、その価値があると言える
・外部指標としてのCan-do statementsはあくまでも参照的なレベル記述であり、それらの記述を参考としながらも、各教室における学習内容にあった内部指標としてのCan- do statementsを開発することが必要
・日常的または職業的なコミュニケーション場面で達成可能な行動を記述したコミュニカティブタスクに基づいたものが多いですが、教室での学習を考える際には、その達成の下支えとなるスキルやサブスキルを学ばせることも多く、学習タスクに基づいたCan-do statementsが同時に存在することが望ましい

日本語能力試験のウェブサイト『日本語能力試験Can-do自己評価リストとは』によると、
日本語能力試験Can-do自己評価リストは、
・学習者が自分のできることとできないことを確認して、今後の学習の目標を持つことができる。
・日本語教育関係者は、教授活動を組み立てる際の参考にできる。

以上の知識を踏まえ、、各選択肢を検討します。

1,自己評価として使うことで、学習者が自身の能力を正確に測定できる。
→上にも自己評価リストというキーワードがありますし、そのとおりだと思います。

2,日本語コースの各レベルの言語行動目標を教員や学習者に明確に提示できる。
→上の説明では、「学習上達成すべき行動のリストではありません」「目標を定める際の参考のひとつ」と弱々しい発言なのに対し、この選択肢では「目標を明確に提示」と強気に言い切っている部分が気になりました。一方で、日本語科目における言語行動目標の設定 : Can-do-statementsを利用してというそのものスバリの論文があるようなので、この選択肢もやはり適当なのでしょうか。

3,実社会のコミュニケーション活動を想定したコースデザインができる。
→上の説明では、「日本語教育関係者は教授活動を組み立てる際の参考にできる」「Can-do statementsは日常的または職業的なコミュニケーション場面で達成可能な行動を記述したコミュニカティブタスクに基づいたものが多い」と言っているので、この選択肢も適当なのではないかと思ってしまうのですが。

4,教育現場の状況に合わせ、独自の「Can-do statements」を作成することができる。
→上の説明で「各教室における学習内容にあった内部指標としてのCan- do statementsを開発することが必要」とはっきり言っていますので、この選択肢は適当だと思います。

なんということでしょう。
どれも正しい気がしてきました。
1と4は明確な説明があるので、不適当ではないと思うのですが、
2と3は明確な説明がなかったので、このどちらかでしょうか。
と見せかけて、1か4だったり?
さっぱり分かりません。

追記)
コメントでご教示いただいたとおり、「正確に」測定とまではいえないと思いましたので、
正解は1と考えます。 

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平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題8は、【異文化適応のプロセス】です。

問1 「Uカーブ仮説」に関する問題です。
3,カーブの形は、異文化と自文化の違いの大きさによって異なるだろうから、3が正解であると思料しました。


問2「カルチャーショック」に関する問題です。
過去には、平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題11【カルチャーショック】などで問われています。

1,同じ言語文化圏への渡航では、カルチャーショックは起こりにくい。
→平成24年は「同じ言語を使用する国に行った場合には生じることはない」と言い切っていたので簡単だったのですが、今年はぼかしてきました。
しかしそれでも、フランス人がアフリカのフランス語圏に渡航した場合など、カルチャーショックは起こりにくいとはいえないでしょうし、アメリカ人とイギリス人も互いにカルチャーショックを受けそうですし、言語が同じだからこそ文化も同じ感覚になってしまって、実際違ったときのショックが大きいのではないかと存じます。

2,適応に支障をきたすため、なるべく経験しないよう避けるのがよい。
→避けようと思って避けられるものではありませんし、「Uカーブ仮説」によれば、ショック期のあとは、回復期が待っていますから、適応に支障をきたすとはいえないと思います。

3,不眠や食欲不振などの身体症状も、カルチャーショックに含まれると存じます。

4,異文化下でのストレスの蓄積により、徐々に現れることが多い。
→「Uカーブ仮説」によれば、移動直後の短い初期ショックの後、「ハネムーン期」に入り、時間が経つにつれて、「ショック期」に移行します。とすれば、この選択肢が正解でしょうか。一つ気になるのは、Uの字は「一気に」落下しているので、「徐々に」とは言えないのではないかという点です。しかし、ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』218頁によれば、「ハネムーン期」は一週間程度の海外旅行、何もかもが楽しい、とありますし、私が長期滞在していたタイにおいても、短期旅行者は皆楽しそうにしていますが、沈没組など滞在が長くなってくるとストレスが蓄積して「ショック期」に入っている方もおられましたので、やはり4が正解であると思料します。


問3「リエントリー・ショック」に関する問題です。
1,外国滞在中の自身の経験に、母国の人々が興味を示さないのは、寂しいことですが、リエントリー・ショックとは関係ありませんので、1が正解であると思料します。

追記)
アルク、大原、ヒューマンアカデミー、いずれも正解を3としているので、改めて考えましたところ、私はリエントリーショックというものについて誤って理解していたようです。
母国の人々が興味を示さないのは、予想外でそれもリエントリーしたときのショックだから、リエントリーショックなのですね。
一方、自身の価値観の変化に気づいていたら、ショックはあまり受けないんじゃないかということでしょうか。
正解を3に訂正します。


問4
1,コーピングとは、ストレスを評価し、対処しようとすること(スーパー大辞林3.0)。

2,アフォーダンスとは、環境の意味や価値は認識主体によって加工されるのでなく、環境からの刺激情報のうちにすでに提供され、固有の形をとっているという思想(スーパー大辞林3.0)。

3,フィルタリングとは、選別し、不要なものを取り除くこと(スーパー大辞林3.0)。

4,コンコーダンス(コンコルダンス)とは、聖書や特定の作家の用語索引(スーパー大辞林3.0)。

以上より、1が正解であると思料します。

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