日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

カテゴリ: よく分からない問題

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平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題9は【教師の会話〈フォーカス・オン・フォームを取り入れた指導〉】です。

問1
フォーカス・オン・フォーム(言語形式の焦点化)は、 コミュニケーション重視の言語活動の中で、学習者の注意(Focus)を文法、文型などの言語形式(form)に向けさせる指導法。
1, フォーカス・オン・フォームでは、文法などの言語形式に焦点をあわせるので、内容語だけでなく機能後も指導対象となります。
2, 研究社日本語教育事典の241R242Lによると、「コミュニカティブ・アプローチでは概念シラバスと合わせた、概念・機能シラバス(notional functional syllabus)が用いられている」とのことですが、フォーカス・オン・フォームがどんなシラバスに基づいて行われることが多いのかは分かりませんでした。同じく概念・機能シラバスでしょうか? 
3,文法などの言語形式に焦点をあてるので、明示的に文法説明をすることを禁止されてはいません。
4,マッピングとは、ある情報を一対一に別の情報に対応させること(大辞林)。フォーカス・オン・フォームは、フォーカス・オン・ミーニング(意味のみに注意が向かう)とフォーカス・オン・フォームズ(言語形式のみに注意が向かう)の中間であり、言語の伝達活動を行う(意味中心)中で、必要に応じて言語形式にも注意を向けるので、意味と形式のマッピングの促進が期待できます。
よって、正解は4です。


問2  モダリティ表現に当てはまらないものを選ぶ問題です。
モダリティ表現は、『文が表す事態』に対する話し手の態度を表す表現です。
文は、命題(客観的な部分)モダリティ(主観的な部分)の2つの部分からなります。
1,「話せるようになる」というのは客観的な部分なので、命題です。「だろう」がモダリティです。
2,「〜後悔している」が客観的な部分なので命題です。「違いない」というのは強い推量、主観なのでモダリティです。
3, 「交通事故に遭ったが、軽い打撲だけで済んだ」が客観的な部分なので命題です。それを「幸い」と考えるのは主観なので、モダリティです。
4,終助詞「ね」で同意を求めているので、話し手の気持ちを表しており、モダリティです。
よって、正解は1です。


問3
フィードバックには、誤用の存在をはっきり示す明示的フィードバックと、応答の中でさりげなく訂正する暗示的フィードバック(リキャスト)があります。 
大場衣織『「インプット貧困環境」におけるリキャストとプロンプトの有効性』によると、明確化要求メタ言語的印誘導繰り返しを総称して「プロンプト(prompt)」と呼ぶとのことです。選択肢3が、繰り返しを使っているので、プロンプトになります。選択肢1は、応答のなかで自然に訂正しているので、リキャスト(暗示的フィードバック)です。選択肢2と4は何でしょうか。私には分かりません。
正解は3です。


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平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題3のAは【音声・国際音声記号・音素】です。

試験Ⅰの冒頭が例年と異なり音声記号じゃなかったので愕然としていたのですが、こんなところにいたんですね。平成25年度は大問で音声記号を扱ったので、冒頭の小問は変えたのだと思います。
ということはやはり音声記号は毎年出るようです。暗記必須ということでございます。日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版であれば、402頁に母音の一覧表が、436頁に子音の一覧表が載っています


(1)
[ɯ]は後舌非円唇狭母音なので、3が正解です。



(2)
「シ」の音声記号は[ɕ]なので、1が正解です。


(3) 
ラ行子音は通常、歯茎弾き音となりますので、正解は3です。


(4)
「環境に応じて具現化する」という意味がよく分かりませんでしたが、ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』436頁の一覧表から音声記号を書き出してみます。
1,ナ行の子音…ナヌネノ[n]、ニ[ɲ] 2つ。
2,ヤ行の子音…ヤユヨ[ j ] 1つ。
3,マ行の子音…マミムメモ[m] 1つ。
4,ハ行の子音…ハヘホ[h]、ヒ[ç]、フ[ɸ] 3つ。
よって、正解は4です。
他にハ行っぽい発音だと、[x]無声軟口蓋摩擦音(ドイツ語やスペイン語にある、せきをするような音(増補版 日本語教育能力検定試験 合格するための問題集p403)、[ɦ]有声声門摩擦音などがあります。


(5)
韓国・朝鮮語や中国語では、無声音と有声音の対立はなく(弁別的ではない)、無気音と有気音の対立があります(弁別的)(『日本語教育能力検定試験に合格するための基礎知識50』22頁)。
よって、正解は1です。


↑2016年10月13日(本試験まであと10日)0時20分現在、Amazonの『日本語教育能力検定試験の売れ筋ランキング』で1位です。基礎知識50が1位なのは初めて見ました! 記念に記録しておきます。

 

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平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題11は【パラ言語情報と非言語情報】です。

問1 パラ言語情報に含まれないものを選ぶ問題です。
パラ言語繰り返し出題されていますので、超重要キーワードの一つです。
平成23年度 日本語教育能力検定試験Ⅲの解説 問題12
平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲの解説 問題2
平成27年度 日本語教育能力検定試験Ⅰの解説 問題13

パラ言語情報とは、声の出し方、質、間の取り方など、言語の周辺部分に関する情報のことです。

1,プロミネンスは、声の大きさ、高さ、など言語の周辺部分に関する情報なのでパラ言語情報です。
2,アクセントは、言語情報そのものです。
例…アメ(低高)→飴。アメ(高低)→雨。
3,ポーズは、声を出し方という言語の周辺部分に関するパラ言語情報です。ポーズなしで喋るより、適切なポーズをとって喋ったほうが自信があるように聞こえます。
4,イントネーション(抑揚)は、声の出し方という言語の周辺部分に関するパラ言語情報です。

よって、正解は2です。


問2
1の「…」は沈黙(ポーズ)を表しているので、パラ言語情報が記号等で補完されているといえます。
よって、正解は1です。


問3
エンブレムとは、語彙の代用になるものです。
例…親指と人差指で丸を作って、手のひらを上に向ければ「お金」
  首を横に振れば「いいえ」
  口の前に人差し指を立てて「静かに」

よって、正解は3です。


問4
この問題の公式正解は3ですが、私は納得できません。
3,日本人は親しい人との間でも広くとる。
取り立て助詞が使われていますので、「日本人は知らない人との間も広くとる」という意味が含まれていると思います。
しかしながら、満員電車や日本の家の狭さを考えれば、日本人のパーソナル・スペースが広いとは思えません。
私はタイにしばらくいましたが、タイの方は多少混雑しているだけでBTSの乗車を諦めていましたし、並ぶ時も人と人との距離がかなり離れていて、日本人の私からすれば並んでいるのか分からない状態でした。また、アメリカ人はタイでも日本でも広い家に住もうとする傾向がありましたが、日本人は広さよりも利便性を重視していました。一方で、インドに旅行したときは、人が近いな、と思いました。
さて、日本人のパーソナル・スペースは広いのでしょうか?
単に、ハグなどをする習慣がないから、広くみえるだけではないでしょうか。一概に広いとは言えないと思います。


問5
インドネシアは国民の多くがイスラム教の国ですが、イスラム教では、「左手」が不浄の手とされているので、左手で物を渡してはいけません。
よって、正解は4です。

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平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題1は、【他と性質の異なるものの五肢択一】です。

(1) 【調音点】
1, [ç]無声硬口蓋摩擦音
2, [t]無声歯茎破裂音
3, [dz]有声歯茎破擦音
4, [ɾ]有声歯茎叩き音
5, [n]有声歯茎鼻音
よって、正解は1です。


(2)【漢字の読み方】
1,手袋(訓訓)
2,献立(音訓)
3,縁組(音訓)
4,菜箸(音訓)
5,茶柱(音訓)
よって、正解は1です。
なお、音訓の読み方を重箱読み、訓音の読み方を湯桶読み(ゆとうよみ)といいます。


(3)【並列表現における品詞】
これは難しい問題だと思います。
【並列表現における品詞】という意味が私にはよくわかりませんでした。

まず、各選択肢の「並列表現品詞」を見てみます。
1,であれ→助動詞「だ」+助動詞「ある」?
2,なり→副助詞
3,にしろ→副助詞?
4,やら→副助詞
5,とか→副助詞
ウェブサイト「国語の文法」によると、2,4,5は副助詞のようですが、1と3の品詞がわかりません。
そこで調べていくと、Yahoo!知恵袋で同じ質問の回答を発見しました。この回答者は、「並列表現の前の品詞」を見ています。
1,歌 踊り
2,検査 尋問
3,観光 買い物
4,驚き 喜び
5,面談 会議
全部、名詞です。
ですが、よくよく見てみると、選択肢4の名詞は元が動詞であることに気づきます(驚く、喜ぶ。このように別の品詞から名詞に転じたものを転成名詞といいます)。
では、選択肢4が正解なのかというと、選択肢1にも、一つだけ転成名詞が紛れ込んでいる(踊り←踊る)ことに気づきます。であれば、選択肢1も選択肢4も、他の選択肢と【並列表現における品詞】が異なるので、いずれが正解か分からない、という袋小路に迷い込みます。そもそも転成名詞も元からの名詞も品詞は同じ名詞なのではないか、という疑問も生じます。

そこでさらに、調べていくと、アークアカデミーの解説を発見しました。
そこには以下の記載がありました。
「1「であれ」の前に置けるのは名詞と形容動詞のみ。他は、形容詞、動詞も可」
なるほど、と思いました。
しかし問題文には【並列表現における品詞】として選択肢が示されています。
アークアカデミーの解説から質問を逆算するならば、【選択肢で用いられている並列表現がとることのできる品詞】としなければならないのではないでしょうか。どうなのでしょうか。
結局、もやもやが残っています。
このように日本語教育能力検定試験には答えるのが難しい問題が時々見受けられます。それらの問題はすぐに諦めないと時間が足りません。
スルースキルの問われる試験です。

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平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題4は【前提と焦点】です。
 
問1 前提に依存することでのみ成立している答え方として適当なものを選ぶ問題です。
1,「たぶんこの道をまっすぐでよかったと思いますけど」という答えは、この文章だけで、道順を答えているのだなと分かるので、前提に依存してはいません。
2,「ううん、4時から」という答えは、この文章だけで、何かの始まる時間を答えているのだなと分かるので、前提に依存してはいません。
3,「そうです」という答えは、この文章だけで、何かに同意したと分かるので、前提に依存してはいません。
4,「大阪です」という答えは、この文章だけでは地名を答えているにすぎません。実際は「出身地は大阪です」という意味ですが、それは「関西のご出身ですか」という前提に依存することでのみ成立しています。前提に依存することで主語を省略したのです。
よって、正解は4です。


問2
3の文は「日本語教師になった理由」に焦点が当てられていませんので、3が正解です。


問3
選択肢のうちで、「新情報と旧情報の問題」といえば、「は」と「が」の使い分けです。
新情報には 「が」を使い、旧情報には「は」を使います。
例…○ 昨日、iPhone7が発売されました。iPhone7はホームボタンがありません。
 (一文目はiPhone7が新情報。二文目はiPhone7が旧情報、ホームボタンが新情報)
  ×昨日、iPhone7は発売されました。iPhone7がホームボタンはありません。
詳しくは、日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版122頁以下に「は」と「が」の説明があります。
よって、正解は2です。


問4
日本では、遠足の持ち物に「水筒」の指示があれば、中身は入れてくるという前提があります。同じように、日本で「授業態度がよくない」といえば、寝ていたり、友達とおしゃべりをしたり、先生の話を聞いていなかったりを意味します。ところが選択肢3の外国では、「授業態度がよくない」とは、自発的発言がなく積極性がないことを意味します。前提(発話の中で話し手・聞き手双方が共通に了解していること)が異なっているのです。
よって、正解は3です。

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