日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

カテゴリ:平成25年度日本語教育能力検定試験問題の解説 > 試験Ⅰ

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平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題8は【第二言語習得と個人差】です。

問1
ツッコミポイントを探します。
1,先行研究は存じ上げませんが、この広い世の中で見解が一致することなんてそうそうありません。限りなく黒に近い選択肢でございます。
2,学習段階によって、重要になる言語適性は異なると思います。リスニングには音韻処理能力が、語彙には記憶力が、と要求される能力が異なるからです。
3, 逆じゃないでしょうか。言語適性がある人のほうが習得が早いです。音を認識する能力が高い人は正しい発音ができるようになるのも早いです。でも最終的な到達段階はそんなに変わらないという説があります。
4, コミュニカティブな指導は、言語適性と関係があります。音を認識する能力が高い人は、コミュニカティブな指導が向いているのではないでしょうか。
よって、正解は2です。


問2
動機づけの種類は、ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』258頁、259頁にあります。

○ガードナーとランバートは、第二言語学習における動機づけを統合的動機づけ道具的動機づけに分類しました。
統合的動機づけ…目標言語の社会に溶け込みたい、一員になりたいぞ!
例…「僕は猫になりたい」と言って猫の鳴き声を必死に真似る人。

道具的動機づけ実益が目的。お金持ちになりたい! 偉くなりたい! 有名になりたいよ!
例…「猫と会話できる男」というYouTuberになってお金稼いで好きなことして生きていきたいので、猫の鳴き声を学んでいます。

○内発的動機づけと外発的動機づけに分けることもできます。
内発的動機づけ…内からの力で勉強。学習そのものが楽しいの! 
例…猫の鳴き声を真似するのって楽しいんですよ。

外発的動機づけ…外から力で勉強。学習したらいいことある! 
例…近所の美猫の気を惹くために、イケてるオス猫の鳴き声を学習してるんです。


問2
1,会社での昇進が目的なので、道具的動機づけです。
2,日本へ出張するために会社の命令で勉強するのは外からの力なので、外発的動機づけです。
3,日本が好きで、いつか渡日して就職したいと思っているので、統合的動機づけです。
4,日本企業から届く書類を読むために日本語を勉強する場合、外からの力なので外発的動機づけです。
よって、正解は1です。


問3
1,成人になってから日本語を学んで、日本人並みにペラペラの外国人タレントさんいますよね。
2,初期の習得スピードは認知能力が発達した大人の方が、幼い子どもより早いらしいです。
3,インプットの量は大事です。
4,文法に比べて音声は幼いうちのほうが正確に覚えます。
よって、正解は2です。

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平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題8は【第二言語習得と個人差】です。

問4
個人差、といえば、ビリーフです。本試験に何度も登場している重要キーワードです。というわけで、選択肢は1か3に絞れます。知能によって第二言語習得に差が出ると思います。一方で、パラメータとは何のパラメータなのかわかりません。
以上より、正解は3です。


問5
学習者の不安度が高いと第二言語習得が阻害されるとする仮説は、情意フィルター仮説ですので、正解は4です。

1,根本的相違仮説とは、幼い子どもが言葉(母語、第二言語)を覚えるメカニズムと、大人が第二言語を習得するメカニズムは、根本的に相違しているという仮説です。子どもの(母語)言語習得に個人差はあまりありませんが、大人の学習者には大きな個人差があります。

2,インターアクション仮説(インタラクション仮説/相互交流仮説)は、言語の習得には、意味交渉(意味が通じるように行う工夫)によるインターアクション(やり取り)が重要とする仮説。

3,敷居仮説(しきい理論)とは、バイリンガリズムの程度と認知の関係をまとめた仮説で、3階建ての家で表されます。
3階…均衡バイリンガル:両方の言語が年齢相当の能力。認知にプラスの影響。
2階…弱い均衡バイリンガル:片方の言語が年齢相当。認知に影響なし。
1階…限定的なバイリンガル:両方の言語が年齢不相当。認知にマイナス。

詳しくは、ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』272,273頁をご参照ください。



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平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題9は【ステレオタイプ・偏見・差別】です。

問1
1,国際化とインターネットの浸透により、以前に比べ、お隣の国に関する情報がたくさん入ってきていますが、ステレオタイプが修正されたり変化したりはしていません。
2,逆です。自身の所属集団のほうがよくわかっているので、違いを知っています。外の人々には詳しくないので、単純で極端な考えになりがちです。 
3,「イギリス人男性は紳士だ」のように肯定的なステレオタイプもあります。
4, ステレオタイプに基づく反応を避けようとして(意識しすぎて)、逆にステレオタイプ化が促進されることは、ありそうです。
よって、正解は4です。


問2
1,相手と親密になれば偏見も変化するでしょう。
2,逆です。偏見といえば感情的な要素です。
3,実際にイギリス人と関わったことがなくても、イギリス人男性は紳士だと思っていることはありそうです。
4,相互に協力しあっている国際的な集団内でも、「○○の奴らは☓☓だ」なんて会話が交わされていそうですね。
よって、正解は2です。


問3
空欄(イ)は、「表面化し行為になったもの」 とあります。
「偏見」「ステレオタイプ」「差別」のうち、行為になったのは「差別」だけなので、空欄(イ)には「差別」が入ります。
よって、正解は2です。


問4
1、ステレオタイプが形成された場合、それとは一致しない情報は記憶されにくくなるため、ステレオタイプは維持されやすいです。例えば、先日のサッカー、ロシアワールドカップアジア最終予選の日本対イラク戦において、韓国人審判は日本にかなり有利な判定をしました。しかし、韓国人は日本に不利なことばかりすると思っている人は、このことをすぐに忘れるでしょう。

2,少数派の人は、目立つ行動をしたら、その行動の原因が集団全体の特徴のように思われやすいため、ステレオタイプが形成されやすいです。海外では日本の代表として行動していると思えって言いますよね。日本人が一人しかいない場所では、あなたの特徴が日本人全体の特徴として認識されるということです。

3, 一度ステレオタイプが形成されると、そのカテゴリーに該当する情報によって自動的に活性化されるため、維持されやすいです。例えば、「ラティーノは陽気」というステレオタイプが形成されると、ラティーノがはしゃいでいるニュースや現場を見て、「ラティーノは陽気」というステレオタイプが自動的に活性化されます。

4, 統制側である「勢力者」は、統制される側である「非勢力者」に注意を向けやすいので、「非勢力者」のステレオタイプを形成しやすいです。

以上より、正解は3です。 

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平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題10は【インプット仮説とアウトプット仮説】です。

問1
クラッシェンは「意識的に学習された知識」は、発話の正確さをチェックする機能を持つ(モニター仮説)だけで、習得にはつながらない(ノン・インターフェイスポジションノン・インターフェイス仮説)と考えていたので、正解は2です。
 

問2
インプット仮説で、習得につながるとされているインプットは、現在の言語レベルより少し高いレベルのインプット(i+1のインプット)なので、正解は3です。


問3 
スウェインは、理解可能なアウトプットが重要であるとするアウトプット仮説を提唱しました。
アウトプット仮説では、アウトプットには次のような効果があると主張しています。
1,言いたいことと言えることのギャップに気づく(自分の言語使用を内省することにより、メタ言語的知識が高まる)。
2,言語形式に注意が向く。
3,相手の反応(フィードバック)によって、自分の言語が通じるか検証できる。

以上より、正解は2です。


問4
スウェインは、カナダイマージョン・プログラムを調査して、理解力や発話の流暢さは母語話者レベルなのに、文法が不正確であることを指摘しました。イマージョンではインプットばかりなので、アウトプットが足りなかったせいだと考えました。アウトプットによって言語形式(文法)に注意が向き、相手の反応によって、自分の言葉を修正できるのです。

2の「統語処理がされにくい」とは「文法が理解されにくい」ということです。「統語といえば文法
よって、正解は2です。


問5
3,余剰性の高い言語形式は、重要ではないので、インプットの中では気づかれにくいです。
よって、正解は3です。

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平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題11は【言語には話し手の属性を伝える機能がある】です。

問1
共通語化に向けた変化の度合いは、女性の方が比較的高いらしいので、正解は2です。


問2 
トラッドギルが提唱する、言葉の「顕在的権威」と「潜在的権威」のうち、潜在的権威に関する問題です。
潜在的とは「表面に現れないで内部に隠れて存在しているさま(大辞林)」
ということは、表面上は権威じゃないということなので、空欄(ア)は、「低く」が入ることが分かります。そして、例えば、若者が悪ぶって社会的地位が低い言葉を使うのは意識的だと思ったので、1が正解だと考えたのですが、公式の正解は3です。理由は分かりません。


問3
菊沢といえば位相論研究なので、正解は1です。
1,位相とは、性別、年齢、職業など、社会集団の違いや場面の相違に応じて言葉の違いが現れる現象(大辞林)。
2,方言周圏論とは、柳田国男が「蝸牛考」で唱えた、方言語彙の地理的分布の成因に関する学説(大辞林)。
3,社会方言とは、ある社会的集団に固有な諸特徴を持つ方言(大辞林)。
4,世相語とは、世相や風俗を反映した言葉。新語・流行語・若者語など。


問4
現代日本語では階層差が希薄になっていますので、正解は2です。


問5
国立国語研究所のウェブサイトを見ると、国立国語研究所は「国語及び国民の言語生活に関する科学的な調査研究を行い,あわせて国語の合理化の確実な基礎を築くための事業を行う機関として設置され」とありますので、正解は2です。


問6
3,警察用語など隠語志向に基づく集団語もあれば、漁師用語など仲間意識を高めるために使われる用語もあります。
よって、正解は3です。

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