日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

カテゴリ: 平成26年度日本語教育能力検定試験問題の解説

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平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題8は【インターアクション】です。

問1
問題4の問3に登場したコミュニケーション能力談話能力が再び出てきました。日本語教育能力検定試験では、同じキーワードが何度も登場することがしばしあります。意味を知らないと手痛い失点になりますので、頻出キーワードは暗記必須です。

談話能力とは、単なる文の羅列ではなく、意味のある談話や文脈を理解して、作り出す能力。
1,言えない、つまり、表現を使用できないということなので、文法能力の問題になります。
2,文法的には正しいですが、文と文の繋がりに欠けます。談話能力の問題といえます。
3,相手によって言い方を変えることができていないので、社会言語能力の問題になります。
4,知らない言葉を別の言葉で言い換えるのは、ストラテジー能力(方略能力)です。
よって、正解は2です。


問2 インテイクに関する問題です。
インテイクとは、学習者がインプットのある部分に注意を向けて、意味を理解し、頭に取り込んだものです。
1,ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』243頁の図によれば、インプットが符号化されて、インテイクになり、インテイクが転送されて長期記憶に貯蔵されるという流れなので、1は誤りです。
2,仮説検証してフィードバックする必要はありません。
3,インプットがインテイクになるには、その言語形式に気づき、意味を理解する必要があります。
4,自動化とインテイクは関係ありません。
よって、正解は3です。


問3
インターアクション仮説(インタラクション仮説)とは、意味交渉によるインターアクション(やり取り)で、インプットが理解可能になり、習得につながるという仮説。
よって、正解は4です。



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平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題8は【インターアクション】です。

問4
意味交渉とは、コミュニケーションが滞ったときに、通じるよう工夫する対話のこと。明確化要求理解チェック確認チェックなどがある。
明確化要求とは、相手の発言が不明確なとき明確にするよう要求。
理解チェックとは、相手の発言を自分が正しく理解しているか確認。
確認チェックとは、自分の発言を空いてが正しく理解した確認

選択肢3のように、詳細な関連情報を求めることは、コミュニケーションが滞ったときの工夫とはいえませんので、意味交渉にあたりません。
よって、3が正解です。


問5
フィードバックとは、他者の行動に対する何らかの反応。
訂正フィードバックとは、誤りを訂正するフィードバック。
肯定証拠(positive evidence)とは、文法的に何が可能かという情報。
否定証拠(negative evidence)とは、文法的に何が不可能かという情報。
中間言語(Interlanguage)とは、母語でも目標言語でもない、発達途上の言語体系。学習者言語(Learner language)ともいう。
 
1,訂正フィードバックによる否定証拠は母語習得でも役割を果たします。
2,インプットでは全ての誤りは分からないので、訂正フィードバックにより、 インプットでは得られなかった否定証拠を得ることができます。
3,訂正フィードバックは、誤りを正しくしますので、肯定証拠も得られます。
4,中間言語は発達している段階であり、訂正フィードバック以外でも言語能力は発達しますので、訂正フィードバックにによる否定証拠がなくても、中間言語の再構築は起こりえます。


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平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題9は【第二言語習得】です。

問1
グローバルエラーローカルエラーを見分ける問いは、平成23年度 日本語教育能力検定試験Ⅰの問題7の問4にも出題されていますので、そちらも要チェックです。
グローバルエラーとは、意味が分からなくなるエラー。
ローカルエラーとは、意味は分かるエラー。

1,言いたいことは分かるので、ローカルエラーです。
2,私が友達に教えたのか、私は友達に教えてもらったのか、どちらかわからないので、グローバルエラーです。
3,言いたいことは分かるので、ローカルエラーです。
4,言いたいことは分かるので、ローカルエラーです。
よって、正解は2です。


問2
過剰般化については、平成23年度 日本語教育能力検定試験Ⅰ問題8の問2でも問われていますので、そちらも要チェックです。

過剰般化とは、規則の適用をやりすぎてしまうこと。
よって、正解は4です。


問3
母語の転移とは、母語が学習している言語に及ぼす影響。
正の転移…習得を促進するのに働く。
負の転移…習得を妨げるのに働く。

1,母語の転移は、文法より語彙に起きやすいそうです。
例1…中国語で「病」は「心配事」の意味があるので、中国語母語の学習者が日本語でも「病」を心配事の意味で使ってしまう。
例2…英語で「cool」は人にも温度にも使えるので、英語母語の学習者が日本語の「冷たい」を温度に使ってしまう。今日は冷たい。☓
2,英語母語話者に「冷たいはcoolという意味です」と教えると、転移を助長してしまいますので、教え方も転移に影響します。
3,母語が同じでも、性格や学習スタイルなど人によって転移の起き方は大きく異なると思います。
4,レベルが上がるほど、転移は起きないでしょう。
よって、正解は3です。


問4
語用論的転移については、平成23年度 日本語教育能力検定試験Ⅰ問題8の問3でも問われていますので、そちらも要チェックです。
1,「住んでいました」としなければならないので、テンスに関する誤りです。
2,上記平成23年度の問題と同じですね。文法的には間違っていませんが、英語の表現をそのまま日本語訳したため、おかしくなっています。語用論的転移です。
3,「助けて」ではなく「手伝って」と言うべきなので、語彙的誤りです。
4,「日本語の先生」としなければならないので、格助詞が抜けています。
よって、正解は2です。


問5
生活言語能力BICS Basic Interpersonal Communicative Skills)は、日常生活に必要な言語能力。2年ほどで身につくとされる。
学習言語能力CALP Cognitive/Academic Language Proficiency)は、教科学習に必要な能力。5年以上かかるとされる。

1,CALPは年齢が低すぎると理解できません。母語でも幼児に学習言語は教えていないです。
2,CALPは5年以上かかります。
3,CALPは母語で発達していると、第二言語でも理解が促進されるので発達しやすいです。
この選択肢は、平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題8の問5の選択肢4と同じことを言っているので、そちらも要チェックです。日本語教育能力検定試験では同じような選択肢にしばし再会します。
4,CALPのほうが負荷が大きいです。
よって、正解は3です。


 

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平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題10は【留学生アドバイジング】です。

問1 これは「問題対応の流れ」に関する問題です。 
異文化問題にかかわらず、国際問題、法律問題、男女関係など、あらゆる揉め事は、当初、問題が発生してから解決しようとします。後手の対応です。
しかし、経験を積むと、そもそも問題が発生しないように予防しようとします。先手の対策です。
例えば、法律問題であれば、労働者と揉めてから弁護士を雇っていた(解決)企業が、顧問弁護士を雇い、労働者と揉める前に先手を打って揉めそうな事項を契約書にします(予防)。
例えば、男女関係であれば、 機嫌が悪そうな妻に頼み事をして怒られて謝っていた(解決)夫が、今は機嫌が悪そうだから頼みごとは後にしようと考えます(予防)。
よって、正解は1です。


問2 
「特別なトレーニングは必要とされない」などという断定は、明らかに誤りだと主張しています。
よって、正解は4です。


問3
ソーシャル・サポートには、情動的サポート(情緒的サポート)道具的サポートがあると言われています。
情動的サポート(情緒的サポート)とは、共感したり勇気づけること。肯定的な評価を与えて励ます評価的サポートなどがある。
道具的サポートとは、問題解決のための具体的援助。アドバイスや情報提供を行う情報的サポートなどがある。という。
よって、正解は4です。


問4
「周囲の人々とのネットワーク」を限定すべきではないので、2が正解です。


問5
1,何度も出題されたように、人の話を理解するにはパラ言語情報や顔の表情なども重要になりますので、関心を向ける必要があります。
2,話を遮るのは、「人の話を聴くためのスキル」ではありません。
3,その話題に関連した質問をすれば、相手は話しやすくなりますので、「人の話を聴くためのスキル」といえます。
4,「自分のことを話」すために「話題を転換」するのは、「人の話を聴くためのスキル」ではありません。
よって、正解は3です。

 

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平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題11は【パラ言語情報と非言語情報】です。

問1 パラ言語情報に含まれないものを選ぶ問題です。
パラ言語繰り返し出題されていますので、超重要キーワードの一つです。
平成23年度 日本語教育能力検定試験Ⅲの解説 問題12
平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲの解説 問題2
平成27年度 日本語教育能力検定試験Ⅰの解説 問題13

パラ言語情報とは、声の出し方、質、間の取り方など、言語の周辺部分に関する情報のことです。

1,プロミネンスは、声の大きさ、高さ、など言語の周辺部分に関する情報なのでパラ言語情報です。
2,アクセントは、言語情報そのものです。
例…アメ(低高)→飴。アメ(高低)→雨。
3,ポーズは、声を出し方という言語の周辺部分に関するパラ言語情報です。ポーズなしで喋るより、適切なポーズをとって喋ったほうが自信があるように聞こえます。
4,イントネーション(抑揚)は、声の出し方という言語の周辺部分に関するパラ言語情報です。

よって、正解は2です。


問2
1の「…」は沈黙(ポーズ)を表しているので、パラ言語情報が記号等で補完されているといえます。
よって、正解は1です。


問3
エンブレムとは、語彙の代用になるものです。
例…親指と人差指で丸を作って、手のひらを上に向ければ「お金」
  首を横に振れば「いいえ」
  口の前に人差し指を立てて「静かに」

よって、正解は3です。


問4
この問題の公式正解は3ですが、私は納得できません。
3,日本人は親しい人との間でも広くとる。
取り立て助詞が使われていますので、「日本人は知らない人との間も広くとる」という意味が含まれていると思います。
しかしながら、満員電車や日本の家の狭さを考えれば、日本人のパーソナル・スペースが広いとは思えません。
私はタイにしばらくいましたが、タイの方は多少混雑しているだけでBTSの乗車を諦めていましたし、並ぶ時も人と人との距離がかなり離れていて、日本人の私からすれば並んでいるのか分からない状態でした。また、アメリカ人はタイでも日本でも広い家に住もうとする傾向がありましたが、日本人は広さよりも利便性を重視していました。一方で、インドに旅行したときは、人が近いな、と思いました。
さて、日本人のパーソナル・スペースは広いのでしょうか?
単に、ハグなどをする習慣がないから、広くみえるだけではないでしょうか。一概に広いとは言えないと思います。


問5
インドネシアは国民の多くがイスラム教の国ですが、イスラム教では、「左手」が不浄の手とされているので、左手で物を渡してはいけません。
よって、正解は4です。

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