日本語教育能力検定試験の過去問解説

最新の過去問はこちらから⇒https://www.hamasensei.com/ 日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

カテゴリ:日本語教育能力検定試験の対策 > 時事問題対策

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昨年10月に成立した技能実習適正実施・実習生保護法と改正入管難民法は平成29年度あるいは平成30年度の日本語教育能力検定試験に出題される可能性がありますので要チェックです。

日本語教育能力検定試験に出題されそうなポイントは3点
・実習期間が3年から最長5年に延長
技能実習生の実習先に「介護」を追加
在留資格に「介護」を追加

在留資格に「介護」が加えられたことで日本語学校の留学生が介護福祉士の養成学校に進学し「介護福祉士」の資格を取得して卒業後は在留資格を「介護」に切り替え介護施設で働くというパターンもありに。

近年激増しているネパール人とベトナム人の日本語学校留学生がさらに増えるかもしれません。
ネパールやベトナムからの日本語学校留学生は出稼ぎ目的が多いらしいですが、今までは「留学」が終われば帰らなければなりませんでした。

www.nhk.or.jp


技能実習生として来日しても3年しか働けませんでした。
しかし在留資格介護には期間制限がありません(最長5年の更新可)。
すでに介護福祉士養成施設にはアジアからの留学生が急増しているようです。留学生が一般企業に就職するのは難しかったけれど、介護施設は圧倒的人手不足なので外国人介護士は必要とされているはず。だからこその法改正。
日本語教師としては介護分野の専門的な日本語が教えられる能力も必要になるのかな。日本語教師の就職先は広がりそう。

これからは外国人介護士の時代。
日本では日本人に不人気の仕事は労働力不足が続いていて移民を受け入れないとやっていけないのだけれど、日本国民は移民が嫌いなので日本語学校留学生のアルバイト週28時間や技能実習生の3年間で凌いできましたが、それも限界に達したのでしょう。ついに日本も事実上、移民の受け入れが始まりました。今後、日本政府の移民政策に注目です。
 
diamond.jp 
 
日本でEPAによる外国人介護士の受け入れが失敗した経緯や、台湾やドイツにおける外国人看護師・介護士の実態については『ルポ ニッポン絕望工場』が詳しいです。

・フィリピン、インドネシア、ベトナムとの間でEPAによる外国人介護士・看護師の受け入れが決まった経緯について

フィリピン側は、ちょうど日本と交渉中だったEPAに介護士らの受け入れを含めるよう提案した。一方、日本はEPAを通じ、フィリピンに産業廃棄物を持ち込もうとしていた。そのための交渉材料に使えると判断し、介護士の受け入れを呑んだ。こうして外国人介護士の受け入れは、「人手不足」とはまったく無関係なところで決まっていく。(中略)その後、同じEPAの枠組みで、インドネシアとベトナムからも介護士・看護師の受け入れが決まる。

(引用:井出康博著『ルポ ニッポン絕望工場』110頁)

外国人介護士・看護師の受け入れに投入された予算は、2008年からの4年間だけで80億円に上った。もちろん、私たちが納めた税金である。その間、国家試験の合格者は、介護士と看護師を合わせても104人に過ぎない。つまり、一人の合格者を出すために約8000万円の税金がつぎ込まれたことになる。

(引用:井出康博著『ルポ ニッポン絕望工場』117頁)


・ドイツがフィリピン等との間で2013年から始めた「トリプル・ウィン」という看護師の受け入れプロジェクトについて

トリプル・ウィンは、日本のEPAと似た制度である。外国人看護師が仕事を始める前には、ドイツ側の負担で語学研修が行われる。また、母国で資格を持っていても、ドイツで改めて国家試験に合格しなければ正式に「看護師」とは認められない。ただし、試験のやり方は日本とはまったく異なっている。(中略)日本の国家試験は筆記試験である。しかしドイツの場合、口頭試験で行われる。(中略)日本が受け入れたEPA看護師の場合、2016年の合格率は11パーセントだった。「過去最高」の合格率だとはいえ、429人が受験して合格者は47人に過ぎない。ドイツが「合格」を前提に外国人看護師たちを受け入れているのに対し、日本は意図的に「不合格」にしているわけである。

(引用:井出康博著『ルポ ニッポン絕望工場』128頁)

外国人看護師の試験がドイツは口頭なのに、日本は筆記。
おもしろいなと思いました。私が若かりし頃、日本の英語教育は猛烈に批判されていました。文法・長文読解ばっかりで会話を練習しないから中高6年間英語を勉強してもまるで英語が話せないと。普通の人にとって大事なのは実践的な英会話なのに、知識ばかり文法ばかり重視していた日本の英語教育。
日本語でも同じことをしているとは。
外国人看護師や外国人介護士にとって大事なのは日本語会話力なのに、試験は筆記。
文科省といい厚生省といい、日本のお役所は書面が大好物らしい。

ルポ ニッポン絶望工場 (講談社+α新書)  

国家試験(国家資格)じゃないけれど日本語教育能力検定試験も筆記試験ですね。日本語教師に求められる能力は口頭で日本語を教える技術であって書面で教えることはないのに。日本人の書き物好きは平安時代からの伝統でしょうか。
本日もいとをかし!! 枕草子 


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外国人が介護福祉士として就労することを全面的に解禁するとともに、介護現場に外国人の技能実習生を受け入れることも可能にする法律が成立しました。
改正出入国管理及び難民認定法(入管法)と外国人技能実習適正化法です。
日本はこれまで、経済連携協定(EPA)を締結しているベトナム、フィリピン、インドネシアの3カ国出身者のみ、介護福祉士の国家資格取得を認めてきた。今回の入管法改正により、全ての国の人に機会を与える。 一方、外国人が日本で働きながら技能を身に付ける外国人技能実習制度は従来、農業や製造業、建設業を対象としてきたが、今後は新たに介護分野も認める。
    引用:時事ドットコムニュース【外国人介護士を全面解禁=関連2法成立、実習も受け入れ】

ついに、外国人介護士が全面解禁されます。
平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題15で【外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れ】が問われたように、 平成29年度あるいは平成30年度の試験で、出題される可能性が高いと思われます。

また、今回の法改正では、 
実習生の受入れ期間を最長3年から5年へと延長する「第三号技能実習」の創設
    引用:連合【2016年11月18日外国人技能実習法案の成立についての談話】

など他にも重要な点がありますので、今後の動きも要チェックです。

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国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は、海外における日本語教育機関の状況を把握するために、3年に1度「海外日本語教育機関調査」を実施しています。
前回の2012年度調査では、398万5669人だった海外の日本語学習者。
2015年度調査の速報では、365万1715人と減少してしまいました。

一方で、教育機関数と教師数は微増しています。
教育機関数
16,167機関(2012年度は16,046機関)
教師数
64,041人(2012年度は63,805人)


日本語学習者の上位5カ国に変動はありません。()内は2012年の学習者数です。

1位 中国      95万3,283人(104万6,490人)
2位 インドネシア  74万5,125人(87万2,411人)
3位 韓国      55万6237人(84万187人)
4位 オーストラリア 35万7,348人(29万6,672人)
5位 台湾      22万45人(23万3,417人)

増減率はそれぞれ、中国が8.9%の減少、インドネシアが14.6%の減少、韓国が33.8%の減少、オーストラリアが20.5%の増加、台湾が5.7%の減少です。

JFは、韓国、インドネシア、中国における日本語学習者の変動について、以下の通り分析しています。

韓国
「2011年の中等教育の教育課程改定において第二外国語が必修科目から外されたことで、韓国全体の日本語学習者のうち約8割を占める中等教育における学習者が大きく減少したことと、少子化により学生数全体が減少したことを背景に、2012年度調査に引き続き減少した」

インドネシア
「高等教育では、日本への文化的な関心などから日本語を履修する学生が増加し、前回比25%以上の学習者数の増加があったが、中等教育機関においては、2013年の政府による教育課程の改定によって、それまで必修科目であった第二外国語が選択科目になった。また、教育課程の改定を契機に第二外国語を中止し、受験に有利な科目に切り替える機関もあった。その結果、インドネシアにおける日本語学習者の大半を占める中等教育においては、学習者数が15.8%減少したことから全体としては学習者数が減少した」

中国
「2001年に「全日制義務教育英語課程標準」(日本の学習指導要領に相当)が制定されて以降、全国的に広く初等教育における英語導入・強化が進み、中等教育においても外国語科目として英語を選択する機関が増加した。この影響は高等教育にも及んでおり、今回の調査においても英語科目の重視が日本語科目の運営に影響を及ぼしていると回答する機関が多かった。このような英語志向の高まりを背景に日本語専攻の学科・学生数が減り、全体として学習者数が減少した」 

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文部科学省の「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成26年度)」によると、

・公立学校に在籍している外国人児童生徒数は、 7万3,289 人(平成 26 年5月1日現在)

・日本語指導が必要な外国人児童生徒は、2万9,198 人

・日本語指導が必要な外国人児童生徒のうち、日本語指導を受けている者は、2万4,197 人。割合は82.9%

・母語別では、
1,ポルトガル語
2,中国語
3,フィリピノ語
4,スペイン語
の順。

・都道府県別では、
1,愛知
2,神奈川
3,静岡
4,東京
の順。


・日本語指導が必要な日本国籍の児童生徒は 7,897 人
・日本語指導が必要な日本国籍の児童生徒のうち、日本語指導を受けている者は 6,182 人。 割合は78.3%

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国際交流基金(JF)が日本語教育機関調査を行っておりますが、2015年のものはまだ公表されていませんので、2012年が最新の数字になります。

追記 2017/01/14 
2015年版が公表されたので、記事にしました。

nihongokyouiku.net




海外の日本語学習者数は398万5669人。
海外の日本語教師数は、6万3805人。
海外の日本語教育機関数は、1万6046機関。

国別の学習者数は、
1,中国
2,インドネシア
3,韓国
4,オーストラリア
5,台湾
の順となっています。

教育段階別では、
中等教育(中学・高校)段階が最も多く、約半数を占めています。

ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』では、360頁以下に記載されています。 

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