日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

カテゴリ: 平成25年度日本語教育能力検定試験問題の解説

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平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題5は【教材の作成とリソースへのセルフ・アクセス】です。
平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題5は【教材、シラバス】
平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題5は【教材】
近年の問題5は毎年教材関係ですので、要チェック分野です。

問1
コースデザインの流れについては、ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』174頁の図がわかりやすいです。
まずは、ニーズ分析レディネス調査から始まります。
教材作成は、教授法・教室活動が決まらないとできないので最後になります。
ニーズ分析にはじまり、教材作成に終わる選択肢を探します。正解は4になります。


問2
既成の教科書を利用するには、①全体の構造、②各課の構成、③練習の特徴などの点から分析する必要があります。そのうち、②各課の構成を分析するときの観点として不適当なものを選ぶ問題です。
選択肢を見てみると、「クラスの規模と学習者の母語」が②各課の構成とは関係ないだろうことが分かります。「クラスの規模と学習者の母語」といった観点が必要なのは、①全体の構造や③練習の特徴を分析するときではないでしょうか。
よって、正解は4です。


問3
年少者日本語教育ではリライト(書き換え)が注目されているそうです。学校の教科書を年少者向けにリライトする方法として、不適当なものを選ぶ問題です。
2,自分の能力よりもやや高いレベルのインプットが与えられれば第二言語習得が進むのだとインプット仮説も言っています。すでに習ったことしか乗っていない教科書は、教科書と言えるのでしょうか。私は小学生の頃に何度か転校したのですが、そのたびに教科書が変わり、すでに習ったことをもう一度習うこともありました。同じことの繰り返しは飽きてしまい授業に身が入りません。
よって、2が正解です。
 

問4 「リソースへのセルフ・アクセス」のための環境作りで、留意することとして最も適当なものを選ぶ問題です。ツッコミどころがないか各選択肢を丹念にみます。 
1,とくにツッコミポイントは見当たりません。
2,「リソースを分類せずに配置する」と格好つけてますが、要は整理整頓しないということです。私の部屋も「リソースを分類せずに配置」しているため、利用したい資料がしばし行方不明になり困っています。助けてください。資料を利用するストラテジーとは「汚部屋から欲しいものを見つけ出す能力」のことでしょうか? そんなストラテジーを養成する暇があったら、片付けましょう。
3, 自習していてわからないことがあったらどうすればいいのでしょう。近くに書庫があれば「リソースへのセルフ・アクセス」ができます。学習スペースに書庫を置くべきと考えます。
4, 日本語の情報提供が理解できないと「リソースへのセルフ・アクセス」ができなくなってしまいます。
よって、正解は1です。 

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平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題6は【学習観の変遷】です。
 
学習観の変遷については、ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』162頁の図がわかりやすいです。

問1
 「スキナー」「行動主義」といえば、オペラント条件付け(道具的条件付け)です。飼い犬(猫)に、お手をしたらおやつを上げるという行為を繰り返し続ければ、お手という習慣が形成されます。学習は刺激反応によって起こり、習慣形成が習得を促進するという考えです。
よって、正解は4です。

1,項目応答理論は、語学の大規模試験に採用されています。テスト作成前に予備テストを行い、テスト項目ひとつひとつの困難度弁別力などのパラメータ(変数)の関係を表す推定値を算出し、検証します(ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』210頁)。

2,統率・束縛理論(GB理論 government binding theory)とは、チョムスキーが唱えた文法理論で、後に原理とパラメータの理論と呼ばれるようになりました。言語能力を、普遍的な「原理」と値の変動する「パラメータ」から成る体系としてとらえようとしたものです。

3,学習可能性理論(learnability theory)とは、ピーネマンが唱えた理論で、学習者は学習の準備ができたときにのみ学習が可能であり、準備ができていない段階の項目の習得には至らないとする理論。教える側からの視点では、教授可能性の仮説といいます(ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』256頁)。

4,行動心理学習慣形成理論オーディオリンガル・アプローチ(オーディオリンガル・メソッド)と関連付けて覚えたいです(ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』250頁参照)。

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平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題6は【学習観の変遷】です。

問2 
ヴィゴツキーといえば、社会的構成主義です。子どもの知的発達は社会との関わりで起きるという発達の最近接領域(ZPD)という概念を唱えました。
よって、正解は1です。

2,相互交流主義理論とは、何でしょうか。ロング相互交流仮説(インターアクション仮説/インタラクション仮説)でしょうか。相互交流仮説は、相互交流(インターアクション)において、互いの意思疎通のため行う意味交渉のプロセスによって理解可能になったインプットが習得を促進するという考え方です。

3,論理実証主義については、Hatena Keywordをご参照ください。

4,新行動主義は、ワトソンの行動主義から発展した心理学の諸学派の総称です。詳しくはコトバンクをご参照ください。

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平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題6は【学習観の変遷】です。

問3 
1,「それまでの絶対的な知識観」が崩壊した結果、経験による学習が中心で、学習者が中心となりましたので、逆です。
よって、正解は1です。


問4
学習者が自身の学習について反省・洞察などを行うといえばメタ認知なので、正解は4です。
メタ認知は頻繁に登場しますので、確実に理解しておく必要があります。他の学習ストラテジーとまとめた頁を作りましたので、ご参照ください。
メタ認知とは、認知を認知することです。学習においては学習を学習すること。具体的には、学習するものを予習したり、学習したものを復習したり、学習について計画したり、学習について内省したりすることです。

1,情報リテラシーとは、情報を活用する能力です。情報が氾濫するインターネット社会においては必須の能力だと言われています。

2,演繹的思考とは、一般的・普遍的な前提から、個別的・具体的な結論を導く思考です。三段論法が有名です。
例…(大前提)猫は僕を噛む。(小前提)花子は猫だ。→(演繹的思考)→花子は僕を噛む。

逆に、帰納的思考では、個別的・具体的事実の積み重ねから一般的・普遍的な結論を導きます。
例…飼い猫は僕を噛む。近所の猫は僕を噛む。猫カフェの猫は僕を噛む→(帰納的思考)→猫は僕を噛む。

3,拡散的思考収束的思考は、アメリカの心理学者ジョイ・ギルフォードが提唱した概念。
拡散的思考は、既知の情報から様々な考えを巡らせて(拡散させて)、新しいアイディアを生み出す思考。
収束的思考は、既知の情報から、論理的に思考して、唯一の正解に辿りつく思考。


問5
ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』162頁の図のように、
・1950年代〜 『行動主義』教師は教育者。
・1960年代〜 『認知主義』教師は支援者。
・1980年代〜 『構成主義』教師はチームの一員。
と教師の位置づけが変遷しています。
1の「学習者にモデルを示しトレーニングを行う」のは、教師が教育者だったころの役割なので、変化する前です。
よって、正解は1です。
なお、
エンパワーメントとは、自信を与えること、力をつけてやること、自己決定する力の獲得、社会を変えようという意欲を持たせること、本来持っている生きる力を湧き出させること、など。詳しくは、『日本語教育能力検定試験に合格するための異文化理解13』178頁以下の『フレイレの教育理論』をご参照ください。
コーディネーターとは、物事が円滑に行われるように、全体の調整や進行を担当する人(大辞林)。
ファシリテーターとは、活動そのものには参加せず、中立的な立場から活動を援助する人。 

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平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題7は【日本語学習者の多様性と個別性】です。

問1
JSL(Japanese as a Second Language)は、第二言語としての日本語。
JFL(Japanese as a Foreign Language)は、外国語としての日本語。
よって、正解は4です。


問2
一般日本語教育JGP」(Japanese for General Purposes)は、一般的な目的の日本語、つまり日常会話です。
目的別日本語教育JSP」(Japanese for Special Purposes)は、特別な目的の日本語、つまり技術研修、研究活動、特定の仕事などで使われる日本語です。

1,技術研修生という言葉に騙されないでください。選択肢1で実際に教えるのは、技術研修に特化した日本語ではなく、「簡単な日本語の会話と文字の読み書き」とのことなので、JGPになります。
2,「接客業で」「用いられる日本語」なので、JSPです。
3,「運転免許取得」という特定の目的のための日本語なので、JSPです。
4,「論文の書き方」という特定の目的のための日本語なので、JSPです。
よって、正解は1です。


問3 
ツッコミポイントを探します。
1,専門分野の教師による「学習計画の管理」とは何でしょうか。専門の日本語を学習しなければならないのだから、管理では不十分だと思います。
2,ツッコミポイントはありません。
3,特定の目的によっては「産出」が重要かもしれません。一概には言えません。
4,目的により活動は変わります。決めつけないでください。
よって、正解は2です。


問4
「家庭では日本語」を使っていたとのことなので、日常会話に問題はないはずです。よって、1、3、4の選択肢は消えます。「現地校で現地の言葉で教育を受けた」ということは、日本語の読み書きは習っていない可能性があります。
よって、正解は2です。


問5
1,留学生の国と日本では、ビジネスマナーが異なる可能性があるので、仕事をするための態度や能力の育成は重要です。
2,就職するためには、日本語の文法能力だけでなく、日本のビジネス社会の背景知識を知る必要があります。
3,「ある特定の業種の実務に必要な日本語語彙の指導」をしても、その業種に就職しなければ役に立ちませんので、不適当です。「将来的に日本での就職を考えている」とは言ってもまだ「学生」ですから。どこに就職できるか分かりません。
4,逆に「社用での電話やメールなど非対面型の日本語運用練習」ではあれば、特定の業種ではなく、一般的に役立つ日本語能力なので、ビジネス日本語教育で重視すべきです。
よって、正解は3です。 

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