日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

カテゴリ: 平成25年度日本語教育能力検定試験問題の解説

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平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題3のBは【副詞】です。

副詞は大きく3つに分けられます。
1,様態副詞(情態副詞)…動詞を修飾し、その動作を詳しく説明する。
2,程度副詞…状態性の概念を修飾し、程度を表す。
3,陳述副詞…話し手の気持ちなどを表す成分と呼応する。誘導副詞ともいう。

副詞の3分類については、ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』81頁に詳しい説明があります。


(6)
1の「せっかく」は、話し手の気持ちを表す成分と呼応するので、陳述副詞です。
2の「さっぱり」は、分からない程度を表しているので、程度副詞です。
3の「ぐっすり」は、眠った様子を詳しく説明しているので、様態副詞です。
4の「ちょっと」は、すみませんの程度を表しているので、程度副詞です。
よって、正解は3です。
「ちょっと」は問題1の(3)に出てきました。このように本試験では同じ年度に同じワードが何度も現れることがあります。問題作成者の手抜き、ではなくて重要なワードを教えてくれる優しさに違いありません。  


(7)
1の「仰々しく」は、お辞儀の様子を詳しく説明しているので、様態副詞です。
2の「もしかすると」は、 話し手の気持ちを表す成分と呼応するので、陳述副詞です。
3の「ぎゅっと」は、抱きしめた様子を詳しく説明しているので、様態副詞です。
4の「ほとんど」は、食べなかった程度を表しているので、程度副詞です。
よって、正解は4です。


(8)
「話し手の伝達的態度や事態に対する認識、評価を表す」のは「陳述副詞」です。
よって、正解は1です。 


(9)
この問題の答えは、平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題3のAの問題文にあります。
正解は3です。
なお、照応(しょうおう)は、代名詞や指示語を用いて何かを指すことです。平成26年度 日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3のCの(14)で出題されました。


(10)
副詞と同様の働きを持つ「動詞のテ形」を探すには、副詞の働きを知らなければなりません。
副詞の働きとは、動詞や形容詞にかかって、その動詞や形容詞を詳しく説明することです。
1,「弾んで」が「長居」の理由として、単独で使われています。
2,「飲んで」が「歌った」と並列的に使われています。
3,「行って」が「行った」と並列的に使われています。
4,「黙って」が「見ていた」にかかり、「見ていた」様子を詳しく説明しています。
よって、4が正解です。

 

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平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題3のCは【取り立て助詞と格助詞】です。

取り立て助詞は、平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題3のEや、平成27年度 日本語教育能力検定試験Ⅰの問題1の⑾から⒂でも出題されていますので、要チェックです。 
取り立て助詞には、文の表面には書いてない情報を表す働きがあります。

(11)
大辞林によると、「極限」とは、「物事の一番の果て。かぎり。極」です。
各選択肢の取り立て助詞を見て(ぱっと見で分からない場合は頭の中で例文を組み立てて)みます。

1,「など」は「極限」を表しません。「累加」(重ね加えること)です。
累加の例… 僕は猫などが好きだ。(猫以外にも好きなものがあると加えている)

2と3,「 ばかり」は「極限」を表しません。「限定」です。
限定の例…僕の家の猫は僕ばかり噛む。

4,「さえ」「でも」「まで」は「極限」を表します。
「さえ」極限の例…あの猫は僕にさえ懐いた。
「でも」極限の例…あの猫は僕でもお腹を触れた。
「まで」極限の例…あの猫にまで僕は噛まれた。

よって、正解は4です。


(12)
強い格弱い格を見分ける問題です。ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』では86頁です。また、『日本語教育能力検定試験に合格するための文法』には詳しい説明があります。
強い格といえば「ガ格」「ヲ格」なので、4が正解です。
強い格を覚えていなかった場合は、(11)で出てきた取り立て助詞の「さえ」を使って、検討してみます。
「が」→がさえ☓ 
「で」→でさえ○ 例…母でさえチョコをくれなかった。
「から」→からさえ○ 例…母からさえチョコをもらえなかった。
「を」→をさえ☓
よって、正解は「が」と「を」の組み合わせ、4です。


(13)
通常の順番、格助詞+取り立て助詞、と異なり、取り立て助詞+格助詞、になる取り立て助詞を選ぶ問題です。(12)に出てきた格助詞「から」を使って実際に組み合わせてみます。
1,「しか」→母からしかチョコをもらえなかった。
2,「も」→母からチョコをもらえなかった。
3,「だけ」→母だけからチョコをもらえた。
4,「なんて」→母からなんて欲しくなかった。
よって、正解は3です。


(14)
1は、睡眠時間以外も活用していることを表しているので、取り立て助詞です。
2は、バイト代以外も取り上げられたことを表しているので、取り立て助詞です。
3は、病気にならない程度には頑張ることを表しているので、取り立て助詞です。
4は、文の表面に書いてない情報を表してはいませんので、取り立て助詞ではありません。
よって、正解は4です。


(15)
1,「関係者以外入れない」は「部屋」という体言を修飾しているので、連体修飾節です。
2,「ぬいぐるみ」という体言を修飾している連体修飾節は、「おじいちゃんにもらった」です。「息子は」は連体修飾節の外です。
3,連体修飾節はありません。
4,「店」という体言を修飾しているのは「料理が安くておいしいお得な」です。「ここは」は関係ありません。
よって、正解は1です。

 

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平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題3のDは【複文】です。

(16)
ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』107頁によると、
単文とは、述語が1つある文。
複文とは、述語が複数ある文。
よって、正解は2です。 


(17) 因果関係を表す複文のうち、順接的なつながりの「原因・理由」の用法例を選ぶ問題です。
1,会議が長引いた「原因・理由」は、役員が遅刻したことなので、「原因・理由」の用法です。
2,急いで走っていった「目的」は、「電車に間に合うように」です。 
3,「逆接」です。
4,「会う」ことと「大きくなっている」ことに因果関係はありません。
よって、正解は1です。


(18)
「逆接的なつながり」なので、「1並列」ではないとすぐに分かります。他の選択肢はじっくり見てみます。
大辞林によると、
2,比況…他と比べること。
3,譲歩…自分の主張の一部または全部をまげて、相手の意見と折り合いをつけること。
4,否定…そうではないと打ち消すこと。
という意味です。
逆接(に接続)。
比況には、の意味がないので、「2比況」ではなさそうです。3と4は単語の一般的意味から削るのが難しいので、「仮定の逆接」の具体例を考えてみます。
例…懐かなかったとしても、僕はあの猫が好きだ。
「否定」はしてないですね。
というわけで、消去法的に「譲歩」が残りました。
実は、加藤重広著『日本文法入門ハンドブック』115頁によりますと、「文法における譲歩(concessive)とは、一般的な考えや念頭にある概念を後退させて別の可能性を検討する余地を作ることを意味する」そうです。
上の例で言えば、「懐くから好き」という一般的な考えを後退させて、「懐かなくても好き」という別の可能性を示しているので、譲歩といえます。
以上より、正解は3です。


(19)
反事実条件」の複文を実際に作ってみます。
1の例…あの猫が生き返るなら、僕は一生独身でもいい。
すぐに思い浮かんだので、まれとはいえなさそうです。
2の例…思い浮かびません。
3の例…思い浮かびません。
4の例…あの猫を飼えばよかったのに。
後件に「のに」を使うことができました。

2と3が残ってしまったので、「例外を認めない選択肢は誤りの可能性が高い」ストラテジーを使います。2は「まれ」と例外を認めているのに対し、3は「できない」と断言しています。
よって、正解は2です。


(20)「複文」を構成する接続助詞を終助詞的に使う用法の例を選ぶ問題です。
接続助詞ということはその後に文が続くはずなので試してみます。
1,これ、道に落ちていたんです、あなたのですか。
2,今日中に終わらなかったら、許さないから、ご飯おごりなさいよ。
3,だから、やめときなよ。危ないって言ってるでしょ。
4,私はこれで。明日、会社もあることだ、帰ります。

全ての選択肢で文を続けることができましたが、3だけ雰囲気が違いますね。
3の「って」は、接続助詞(節と節をつなぐ役割)ではなく、格助詞です。詳しくは、デジタル大辞泉の解説をご参照ください。
よって、正解は3です。

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平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は【外国語教授法・教室活動】です。

試験Ⅰの問題4は毎年、教授法が出題されていますので、教授法は最重要分野の一つです。他の年度の問題4とも比較してみてください。
平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は【外国語教育のコースデザインやシラバス、教授法】です。
平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は【外国語教育・日本語教育の教授法】です。
平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は【学習者がグループで話し合う教室活動(ディスカッション・ディベート)】です。
平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は【外国語教授法とその日本語教授法への影響】です。

問1 ナチュラル・アプローチで用いられるシラバスを選ぶ問題です。
ナチュラルな(自然な)アプローチというくらいだから、ナチュラルなシラバスだろうと想像できます。
「文型」「技能」「課題」という言葉には作為的な香りが漂っています。
「話題」は自然な雰囲気です。
よって、正解は1です。
なお、ナチュラル・アプローチは繰り返し出題されており、詳しい説明は他年度の解説にありますので、下記のタグをクリックしてください。


問2 
学習者の母語や媒介語を活用する教授法といえば、文法訳読法が思い浮かびますが、選択肢にありません。そこで、消去法を用います。
1,オーラル・メソッド…オーラル(口述の)といえば、ダイレクトというワードが連想されます。媒介に反するワードなので、1は消去です。
2,ナチュラル・メソッド…ナチュラルといえば、そのままというイメージが浮かびます。媒介に反するので、2は消去です。
3,コミュニティ・ランゲージ・ラーニング(CLL)…直訳すると、共同体言語学習。名称からは学習者の母語や媒介語を積極的に活用するかしないか分からないので保留です。
4,グレイデッド・ダイレクト・メソッド(GDM)…ダイレクトというワードは、媒介に反するワードなので、4は消去です。
よって、残った3が正解です。
実は、コミュニティ・ランゲージ・ラーニング(CLL)では、いつでも教師に母語を介して助力を仰ぐことができます。
なお、グレイデッド・ダイレクト・メソッド(GDM)(段階的直接法)とは、学習者の負担を減らすため、段階的に簡単な言葉で教える直接法です。ハーバード・メソッドとも呼ばれています。学習者は身体を使って感覚的に理解します。詳しくは、GDM英語教授法研究会のウェブサイトをご参照ください。

その他の教授法については、他年度の解説で説明していますので、下記のタグをクリックしてください。

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平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は【外国語教授法・教室活動】です。

問3 オーディオ・リンガル・メソッドとコミュニカティブ・アプローチの特徴を比較する問題ですが、両者とも他年度で解説しておりますので、詳しい説明は下記のタグをクリックしてください。

オーディオ・リンガル・メソッド     
・構造言語学、行動心理学         
・口頭能力重視              
・文法を体系的に学習(易しい文型から難しい文型へ)
・誤りは母語の影響によって生じる 

コミュニカティブ・アプローチ 
・機能言語学、社会言語学 
・コミュニケーション能力を重視 
・誤りは言語習得の過程的現象
 
以上より、オーディオ・リンガル・メソッドでは、書き言葉は重視しませんので、2が正解です。


問4
『研究社日本語教育事典』236頁によると、
プロジェクトワークは、タスクを中心とした教室活動の一種で、例えば新製品開発という目標を設け、実際に教室内外で調査をしたり、話し合ったりしながら、学習者が自らの言語知識やストラテジーを駆使して計画を遂行することによって、総合的な目標言語の運用力を伸ばす活動です。
つまり、新製品開発という「課題達成」型の学習であり、調査したり話し合ったり発表したりすることで、読む、書く、聞く、話すの4技能がまんべんなく鍛えられる「技能統合型」の学習であり、実践的で「内容重視」の学習です。
よって、正解は1です。
なお、自己研修型といえば、アクション・リサーチが思い浮かびます。
アクション・リサーチとは、教師が自らの授業を分析し、改善策を実行し(アクション)、その行動によって起きる学習者の学習状況の変化を観察・内省・報告する(リサーチ)という現場密着型の実践研究です。
 

問5
プロセス・ライティングというくらいだから、プロセスが大事なのだろうと推測できます。そこでプロセスを重視しているかという観点から、各選択肢を検討します。
1,「特定の文法・語彙項目の定着を目的」として、それらを「繰り返し」書くというのは、オーディオリンガル・メソッドのパターン・プラクティスに似ていますね。あちらは口頭練習ですが、そのライティングバージョンということでしょうか。プロセス(過程)よりも、結果を重視しています。
2,学術的な文章を書くことを目標にしたアカデミック・ライティングでしょうか。プロセス(過程)を大事にするのとは視点が異なります。
3,専門分野にふさわしい語彙や文体を用いて書くことと、プロセス(過程)重視とは視点が違います。
4,書き直しを学習ととらえ、下書きと推敲を繰り返しているので、プロセス(過程)を重視しています。
よって、4が正解です。
なお、ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』196頁によれば、
プロセス・ライティングとは、プロセス・アプローチの一種で、文章を書くことは思考の循環的なプロセスであるとして、 文章を推敲する過程を重視して何度も書き直しをさせる方法です。

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