日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

カテゴリ:平成27年度日本語教育能力検定試験問題の解説 > 試験Ⅲ

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題1は【授受動詞と待遇表現】です。

問1
求心とは、中心に近づこうとすること(スーパー大辞林3.0)。
遠心とは、中心から遠ざかること(スーパー大辞林3.0)。

「あげる」は、物が自分から遠くへ行くので「遠心的
例)僕は猫にササミをあげた。ササミ→

「くれる」「もらう」は、物が遠くから自分の方に来るので「求心的
例)猫は僕に虫の死骸をくれた。虫の死骸←

「あげる」「くれる」は与え手が主語
例)僕は猫にササミをあげた。
  猫は僕に虫の死骸をくれた。

「もらう」は受け手が主語
例)僕は猫から虫の死骸をもらった。

このように使い分けができます。
よって、正解は1です。


問2
格助詞の使い方が誤っているのは3だけです。この場合、物の移動を伴わないので、「私に」ではなく「私の」になります。
よって、正解は3です。


問3
1,恩恵の意味がありません。
2,雨が降るという恩恵。
3,手紙を出すという恩恵。
4,髪を切るという恩恵。
よって、正解は1です。


問4
3,補助動詞「てさしあげる」は、目上の人に直接対面して言う場合は使うべきではありません(Yahoo知恵袋参照)。 
よって、正解は3です。


問5
有情名詞とは、「いる」で存在を表す名詞。
無情名詞とは、「ある」で存在を表す名詞。 
2,「もらう」は恩恵的な意味が含まれますが、「受ける」は恩恵的な意味がふくまれていません。
よって、正解は2です。
 

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題2は【初級の学習項目に現れるモダリティ形式】です。

問1
「なければならない」は行為の妥当性に加え、行為が義務的に要請されることが重視されます。
例…お金がないので、働かなければならない。
「べきだ」は行為の妥当性を重視します。
例…過去問を解くべきだ。
よって、正解は3です。


問2
「ほうがいい」には行為を行わないと望ましくない結果になるという含意があります。
例…試験を受けるなら過去問を解いたほうがいい(解かなければ試験に受からないかもしれないという含意)。
よって、正解は1です。


問3
・「べきだ」の過去
例…過去問を解くべきだった。

・「ほうがいい」の過去
例…過去問を解いたほうがよかった。

いずれも、行為が実現しなかったことを示し、それに対する後悔や不満の意が強調されています。
よって、正解は2です。


問4
1は勧めです。
2は(不)必要です。
3は義務です。
4は意志を表しています。
よって、正解は4です。


問5
1,「なければならない」も丁寧にできます。「なければなりません」
2,「なきゃならない」「なきゃいけない」いずれもあります。
3,教科書では「なければならない」のほうが多く取り上げられていますが、話し言葉の使用頻度は「なければいけない」のほうが高いです。
4,「なければならない」のほうが書き言葉的なニュアンスが強く、「なければいけない」のほうが書き言葉的なニュアンスが強いです。
よって、正解は3です。



 

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題3は【日本語の名詞修飾表現】です。

問1 
内の関係の名詞修飾(連体修飾)と外の関係の名詞修飾(連体修飾)を分ける問題は、平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ 問題1の⒀にも出題されていますので、比較してみてください。

内の関係名詞修飾(連体修飾)表現とは、
「昨夜訪れたレストラン」←「レストランに昨夜訪れた」
「海水浴に行った日曜日」←「日曜日に海水浴に行った」
「社長が行なった会見」←「会見を社長が行なった」
のように修飾される名詞が修飾している節の一部であったと考えられるもの。 

一方、外の関係名詞修飾(連体修飾)表現は、そのような関係になりません。
「景気対策を批判する声」←×「声 景気対策を批判する」

よって、正解は1です。


問2
外の関係の名詞修飾には、内容(同格)節補充節があります。

内容(同格)節…修飾する節が名詞の内容を表しているもの。内容(同格)節は、「という」を入れるかどうかの観点から、3つに分けられます。
⑴「という」をいれるのが自然。
例1…iPhone7が出るという噂が広まった。
例2…IPhone7を買えという命令がありました。
例3…iPhone7は革新的ではないという意見もあります。
⑵「という」を入れない。
例4…新品のiPhone7の味はいかがですか。
⑶「という」を入れても入れなくてもよい。
例5…iPhone7が盗まれる(という)事件があった。

補充節…修飾する節が名詞の内容を表してはいないもの。補充節は、因果関係的な名詞を使うもの(例1)と、相対的な名詞を使うもの(例2)に分けられます。
例1…過去問の解説を書いた結果、合格した。
例2…過去問の解説を書いた翌日に頭が痛くなった。

よって、正解は3です。


問3
アスペクトについては、平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅱ 問題6の8番の解説をご参照ください。
正解は4です。


問4
1,二文のときは、初めに生徒達の様子が描写され(生徒は入学したばかりで緊張している)、次に私の動きが描写され(教室に入ると)、最後に生徒達の動きが描写されています(生徒達が私の方を一斉に見た)。一方で、一つの文にまとめると、最初に私の動きが描写され(教室に入ると)、その後は、生徒たちの描写だけになっており、語りの視点の移動が少なく、スッキリしています。もっとも、最初に私の動きを描写していますので、「生徒達」に語りの視点を固定しているとはいえないのではないでしょうか。

2,「入学したばかりで緊張している」が名詞修飾表現になったため、旧情報のように扱われています。それによって、「生徒達が、私の方を一斉に見た」という主節の出来事が、二文のときに比べ相対的に目目立っています。

3,生徒たちが、「入学したばかりで緊張している」というのは、「私」の主観です。

4,文の最後の述語を中心としたひとまとまりを主節といい、文の途中の述語を中心としたひとまとまりを従属節といいます(日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版104頁)。
「教室に入ると」が従属節であり、「入学したばかりで緊張している生徒が、私の方を一斉に見た」は主節です。節の主従関係を断ち切ることはできていません。

よって、正解は2です。


問5
1,名詞修飾表現のみで一文を構成する特殊な文体は、具体的な対象に注目させるモノ的表現であるため、「ポケモンGOプラスの発売で大行列となったポケモンセンター」などのように、写真のキャプションで使用されます。

2,名詞修飾表現のみで一文を構成する特殊な文体は、主名詞に関する背景的な情報を提供できるため、「ベジータとブルマの息子であり、未来からやってきたトランクス」などのように、フィクション作品などで新しい登場人物を紹介するために使用されます。

3,名詞修飾表現のみで一文を構成する特殊な文体は、出来事の生起よりも、主名詞に注目させる表現ではないでしょうか。報道番組などで事件の発生を伝える際に、体言止めの表現(名詞修飾表現のみで一文を構成する特殊な文体)はあまり用いられないと思います。

4,名詞修飾表現のみで一文を構成する特殊な文体は、被修飾語の主名詞に注目させる表現であるため、「黙れ小僧!と怒鳴られて黙り込む真田信之」のように、シナリオのト書きなどで用いられます。

よって、正解は3です。

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題4は【談話】です。

問1 話し言葉では書き言葉の文に相当するものを発話と呼ぶ理由として不適当なものを選ぶ問題です。
4,話し言葉でも文法的に正しい「文」を話すことはあります。
よって、正解は4です。


問2 隣接ペアを選ぶ問題です。
平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲ 問題12の問2でも隣接ペアについて出題されていますので要チェックです。
隣接ペアは、前の文によって後の文の型が決まります。以下のような種類があります。
1,「あいさつーあいさつ
例…「おはよう」「おはよう」
2,「質問ー答え
例…「昨日の夜、何を食べましたか」「国の料理です」
3,「不平ー否定/謝罪
例…「新品のiPhone7に傷がついていたんですけど」「そんなはずはありません/申し訳ございません」
4,「確認ー言明
例…「昨日の夜?」「昨日の夜」
5,「勧誘ー承諾/拒否
例…「ご飯にいきませんかーいいですね/いやです」

また、挿入連鎖といって、隣接ペアの中に、もう一つ(以上)の隣接ペアが挿入されることもあります。
例①「昨日の夜、何を食べましたか」
 ②「いつ?」
 ③「昨日の夜」
 ④「国の料理です」
上の会話は、①と④が「質問ー答え」の隣接ペアになっていますが、その中の②と③も「質問ー答え」の隣接ペアになっています。

 ④「国の料理です」
 ⑤「いいですねえ」
のペアは、前の文が後ろの文の型を決めるわけではありませんので、隣接ペアではありません。
よって、正解は2です。


問3
1の文章は、「お雑煮は知っています。でも、ぜんざいは知りません」と直すことができます。文と文の間を適切につなぎ、関連づけることに関する誤用ではありません。

2の文章は、「私は6時に着きました。けれど、電車はすでに出た後でした」と直すことができます。文と文の間を適切につなぎ、関連づけることに関する誤用です。

3の文章は、「暖房はいりません。私は少し寒くないです」と直すことができます。文と文の間を適切につなぎ、関連づけることに関する誤用ではありません。

4の文章は、「確かに東京は物価が高いです。しかし多くの外国人が暮らしています」と直すことができます。文と文の間を適切につなぎ、関連づけることに関する誤用ではありません。

よって、正解は2です。


問4 談話全体の目的を考えて発話を組み立てる能力を学習者が身につけられるような練習に関する問題です。
1の会話は、雨が降っているという話題が、傘を持っていますかと心配りする次の会話につながっています。

「質問ー応答」のやりとりは、質問をし、それに答えることで、目的が達成されるような場合だけではなく、その次の別の目的のために行う場合があります。これを先行連鎖といいます。
例(2の会話)
 「今、忙しいですか」
 「いいえ。何ですか」
 「昨日の宿題が分からないんですが」
 「どれですか」

 (3の会話)
 「もう昼ごはんを食べましたか」
 「いいえ、まだなんです」
 「一緒に学食へ行きませんか」
 「いいですね。行きましょう」

一方で、4の会話は、質問をし、それに答えることで、目的が達成される会話です。その次の別の目的のために行う会話ではありませんので、談話全体の目的を考えて発話を組み立てる能力を学習者が身につけられる練習とはいえません。
よって、正解は4です。


問5
平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題12問5では、高コンテクスト文化低コンテクスト文化の違いを訊いていますので、そちらも要チェックです。
高コンテクスト・コミュニケーションでは、非言語的要素に依存することが多く、言葉ではっきりと表現されません。このような言葉を制限コードといいます。
低コンテクスト・コミュニケーションでは、曖昧性のない具体的なコミュニケーションが好まれ、伝えるべき内容をできる限り正解に言葉にします。このような言葉を精密コードといいます。

1,日本語は、高コンテクスト的特徴を持つため、話し手が話した内容の解釈を聞き手に委ねる傾向があります。 
よって、正解は1です。 

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題5は【ある地域の日本語教室の学習者グループのニーズ・レディネス】です。
地域の日本語教室(背景が様々な学習者が集まる)に関する問題は、平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題8でも出題されています。

問1
背景が様々な学習者が集まる日本語教室は、多様な学習者のレディネスやニーズに対応するため柔軟な運営が求められます。〈資料1〉の方針にも『教科書を使用せず、学習者のニーズを反映し、レディネスを生かした活動を行う』とあります。
よって、正解は3です。


問2
1,学用品の値段を調べてくる活動は、学校に関わりがない他のグループメンバーにとって有意義とは思えません。
2,Eメールで欠席や遅刻の理由を適切に伝える練習は、「漢字が苦手で、スマートフォンで練習している」Xにとっても有意義です。「日本語力が原因で」「技術職の仕事」「に就けずに困っている」Yにとっても有意義です。「Eメールは今まであまり使っていないが、書いて送れたら、職場の人とも連絡が取りやすくなると思う」Zにとっても有意義です。
3, 面談場面を想定した会話練習は、学校に関わりがない他のグループメンバーにとって有意義な活動とは思えません。
4, 学校からの手紙や案内を読む練習は、学校に関わりがない他のグループメンバーにとって有意義な活動とは思えません。
よって、正解は2です。


問3
4、「地域のグルメスポット」についてインターネットで情報を集め、発表することは、読むこと話すことの練習になり、話のタネにもなりますので、「先生や保護者とうまくコミュニケーションが取れるようになりたい」Wにとって有意義な活動です。また、飲食店で働いているYやZにとっても身近な素材であり、有意義な活動といえます。
よって、正解は4です。


問4
Yには、「高度な専門知識を生かし」た「技術職の仕事に就きたい」という目的があります。
1,2,3,はいずれも就職活動に役立ちます。
4は、現在の仕事で使う日本語ですが、現在の仕事で使う日本語に関しては求めていないので、4が正解になります。


問5
1,「峠」「辻」などの文字を居酒屋店員が使用する機会はあまりなさそうです。
2,夜遅くまで仕事があり、宿題をする時間はありません。
3,居酒屋は予約の電話対応などの仕事がありますし、「自分で書けると便利だと思っている」Zのニーズに適当な練習だと思われます。
4,夜遅くまで仕事があり、宿題をする時間はありません。
よって、正解は3です。
 

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