日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

カテゴリ:平成27年度日本語教育能力検定試験問題の解説 > 試験Ⅰ

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題1は例年どおり、他と性質の異なるものの五肢択一です。

⑴【唇のまるめ】
冒頭は毎年、発音(読み)に関する問題です。
H25は、二字熟語の読み。
H23,H24,H26,H27は、音声記号でした。
確実に正解して勢いに乗りたいので、一覧表を使って音声記号の意味を暗記しましょう。不安な方は試験会場で一覧表を確認日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版であれば、402頁に母音の一覧表が、436頁に子音の一覧表が載っています。
また、過去の冒頭問題と比較しておくこともお勧めします。
平成23年度は【調音法】
平成24年度は【声帯振動】
平成25年度は【音読み・訓読み】
平成26年度は【調音点】

1,[e]非円唇前舌中母音
2,[ɯ]非円唇後舌高母音
3,[a]非円唇低母音
4,[ɔ]円唇後舌中母音
5,[i]非円唇前舌高母音
 よって、正解は4です。


⑵【アクセントの変化】
平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ 問題1の⑶にも同じタイプの問題が出されていますので、比較してみてください。

1,れきし(低高高)+がく→低高高…最初の3拍のアクセントは変わりません。
2,かいしゃ(低高高)+いん→低高高…最初の3拍のアクセントは変わりません。
3,ゆうびん(低高高高)+きょく→低高高高…最初の4拍のアクセントは変わりません。 
4,でんき(高低低)+だい→低高高→最初の3拍のアクセントが変わりました。
5,こうこう(低高高高)+せい→低高高高…最初の4拍のアクセントは変わりません。 
よって、正解は4です。


⑶【ローマ字のつづり方】
1,chiはヘボン式
2,jiはヘボン式
3,shiはヘボン式
4,tsuはヘボン式
5,syuは訓令式と日本式
よって、正解は5です。


⑷【オノマトペの動詞化】
1,にやにやする
2,いらいらする
3,せかせかする
4,くよくよする
5,へとへとする×→へとへとになる
よって、正解は5です。 


⑸【接頭辞「新」の意味】
1,それまでなかった星。
2,それまで存在しなかった館。
3,使われたことのない品。
4,それまで存在しなかった商品。
5,それまで存在しなかった成人。
よって、正解は3です。 
 

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題1の続きです。

⑹ 【「から」の用法】
各選択肢は全て接続助詞の「から」ですが、 
1,3,4,5の「から」は「〜してね」「〜してくれないか」「〜したら」「〜したらどうですか」と行動を促しています。
一方、2の「から」は「〜しないでください」と行動を禁止しています。
よって、正解は2です。


⑺ 【「うちに」の用法】
1,3,4,5の「うちに」は自分の行動です。「〜したら」に言い換えても意味が通じます。
1,必死で勉強したら、中国語は話せるようになった。
3,公園でぼんやりしたら、憂鬱だった気分も晴れた。
4,丁々発止の大論戦をしたら、妥協点が見えてきた。
5,何度も取材したら、真相が明らかになってきた。
一方で、2の「うちに」は他者の行動です。「〜したら」に言い換えられません。
2,社長が居眠りをしたら、仕事を片づけてしまった。×
よって、正解は2です。


⑻【「(ら)れる」の用法】
2,3,4,5の「話せる」は、サ行五段活用「話す」の可能動詞です。
一方、1の「話せる」は、サ行下一段活用「話せる」(ものわかりがよい、話がわかるの意味)です。
よって、正解は1です。


⑼【動詞の項の数】
動詞のとは、その動詞に必須の補語のことです。
『日本語教育能力検定試験に合格するための文法27』の27頁以下に詳しい説明があります。


1,AがBにぶつかる…二項動詞
2,AがBを食べる…二項動詞
3,AがBに歯向かう…二項動詞
4,AがBにCを借りる…三項動詞
5,AがBと結婚する…二項動詞
よって、正解は4です。


⑽【漢語の構造
1,2,3,4は修飾構造です。修飾語を動詞、被修飾語を名詞とみなせば、
1,力が無い
2,音が高い
3,額が多い
4,数が少ない
と読むことができます。
一方、5は並列構造(似た意味の語を並べる)です。
よって、正解は5です。


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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題1の続きです。

⑾【「なら」の用法】 
1,3,4,5の「なら」は、文の表面にはない情報を暗示しているので、取り立て助詞の「なら」です。
1,多くは話せない。
3,ほかの店は置いてない。
4,他の料理は作れない。
5,早くは歩けない。
2の「なら」は「聞き手の発言を受ける用法」(初級を教える人のための日本語文法ハンドブック225頁)です。「「なら」は相手が述べたり質問したりしたことの中から主題を受け取って、それについて話を展開させる場合に用いることができます。このような「なら」は主題の受取りの「なら」と呼ばれることがあります」(中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック336頁)。
よって、正解は2です。
なお、取り立て助詞については、を参照。


⑿【逆接条件の表現】
1,2,4,5は仮定の逆接ですが、3は確定の逆接です。
よって、正解は3です。


⒀【「上で」の用法】
1,2,3,5の「上で」は「(〜する)ために」に言い換えられます。
4の「上で」は「(〜した)のち」に言い換えられます。
よって、正解は4です。
 

⒁【取り立ての対象】
また、取り立て助詞がでてきました。お好きですね。
1,2,3,4,の取り立て助詞の対象は述語ですが、5の対象は主語です。取り立て助詞を抜いてみると分かりやすいです。
1,微動しなかった
2,出血しなかった
3,入賞できなかった
4,想像できなかった
5,教員できなかった
よって、正解は5です。


⒂【複合名詞と複合動詞の対応】
平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ 問題1の⑸にも同じタイプの問題がありますので(なんと正解も同じです)、比べてみてください。

各選択肢の名詞と動詞を比べてみます。
1,着回し 着回す
2,持ち込み 持ち込む
3,見直し 見直す
4,走り書き 走り書きする
5,やり過ぎ やり過ぎる
4だけ、動詞が「名詞+する」の形になっています。
よって、正解は4です。
ちなみに、
動詞を名詞にするときは、連用形(マス形のマスを省く)にします。
1,着回す→着回し(ます)
2,持ち込む→持ち込み(ます)
3,見直す→見直し(ます)
5,やり過ぎる→やり過ぎ(ます)
名詞を動詞にするときは、「する」を加えます。
4,走り書き→走り書きする

 

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題2は例年どおり【学習者の誤用と異なる種類の誤用】です。

⑴ 「は」を「あ」に間違っているので、子音の脱落です。
1,「へ」を「え」に間違っているので、子音の脱落です。
2,「ほ」を「お」に間違っているので、子音の脱落です。
3,「ん」を「あ」に間違っているので、子音の脱落ではありません。
4,「ば」を「あ」に間違っているので、子音の脱落です。
よって、正解は3です。


⑵「落ちている」(落ちる)を 「落としている」(落とす)に間違っているので、自動詞を使うべきところを他動詞にしているという誤りです。
1,「掛かる(掛かっている)」という自動詞を使うべきところ「掛ける(掛けている)という他動詞に間違っています。
2,まず、活用が誤っています。「置く」は「置きて」ではなく、イ音便化して 「置いて」になります。もっとも、「置く」は他動詞なので「携帯電話が置いている」も正しくありません。自動詞を使いたいところですが、「置く」に対応する自動詞が見つかりません。なので、受身にしてみます。「携帯電話が置かれている」
3,「入る(入っている」」という自動詞を「入れる(入れている)」という他動詞に間違っています。
4,「破れる(破れている)」という自動詞を「破る(破っている)」という他動詞に間違っています。
よって、正解は2です。


⑶「AしながらB」 はAとBという動作を同時に行うことを意味します。「AしたままB」はAの状態でBすることを意味します。「立ちながら食べる」だと、立つ瞬間に食べるという早食い選手権なみの技術が要求されます。瞬間動詞に「ながら」をつけると変になる場合が多いようです。正しくは「立ったまま食べる」でしょう。

1, 「開ける」は瞬間動詞です。窓を開けながら寝たら病気が疑われます。正しくは「開けたまま寝た」でしょう。

2, 「入れる」は瞬間動詞です。コンタクトレンズを入れながらお風呂に入ったらコントです。正しくは「入れたままお風呂に入った」でしょう。

3,「帰る」などの移動動詞は「瞬間動詞」としての性質と「継続動詞」としての性質があります。
例…妻は実家に帰った→別居している状態を示す継続動詞としての性質。
 …家に帰ってお風呂に入った→家に移動するという動作は終わり、その結果が残っている瞬間動詞としての性質(なお、動詞の分類については、ウェブサイト「日本語教師の広場」に詳しい説明がありました)。
そのため、「帰りながら歌を歌った」という表現は、「瞬間動詞」としての性質から違和感がありますし、「帰ったまま歌を歌った」という表現は「継続動詞」としての性質から違和感があります。
どちらも使えなさそうです。「歩きながら歌を歌った」でどうでしょう。

4,「つける」は瞬間動詞です。正しくは「つけたまま出かけた」でしょう。

よって、正解は3です。


⑷ 
「と、ば、たら、なら」の使い分けに関しては日本語教育能力検定試験完全攻略ガイドの114頁以降に詳しい説明があります。


上記本によると、
「と」は、後件に、意志・勧誘・命令などの表現が来ません
よって、「と」を「たら」に変えるべきです。「駅に着いたら」
他の選択肢も全て、後件に、意志、提案、命令などの表現が来ているので「と」は使えません。「たら」に変えます
1,「買ったら」
3,「合格したら」
4,「生まれたら」
これらはいずれも、前件(従属節)が実現したら、後件(主節)という関係にあります。つまり、従属節の後に主節という時間経過になります。
一方で、選択肢2は、前件(従属節)が実現するなら、後件(主節)という関係にあります。つまり、従属節と主節の時間関係は同時です。この場合、「たら」は使えません。「なら」になります。
2,「行くなら」
よって、正解は2です。

なお、「と、ば、たら、なら」の使い分けに関しては、「教えて!goo」にもありました。


ニ格を使うべきところをヲ格に間違えています。
1,ガ格を使うべきです。「が分かる」 
2,ニ格を使うべきです。「に苦しむ」
3,ニ格を使うべきです。「に満足する」
4,二格を使うべきです。「にあきれる」 
よって、正解は1です。 

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平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題3Aは【文法カテゴリー】です。

⑴ 形態素とは意味を持つ最小の単位のことです。分解して数えてみます。
1,使役の助動詞「せる」の「せ」
2,受身の助動詞「られる」の「られ」
3,接続助詞の「て」
4,補助動詞「いる」の過去形「い」
5,過去の助動詞「た」
6,推定の助動詞「らしい」
7,丁寧な断定の助動詞「です」
8,終助詞の「ね」

合計八つです。
しかし、公式の正解は、3(七つ)となっています。
どうしてだろうとインターネットの森を徘徊していたら、
日本語自動品詞分解ツールという素晴らしいサイトを発見しました。
こちらで試してみても、上と同じ八つになりました。
どうして七つなのでしょうか。どなたか教えてください。

追記)
micoさんありがとうございます!
以下、コメントを引用。
「日本語文法では、「手伝わせられていた」の「て」を接続助詞とせず、動詞の活用の一部(テ形)とみなしているようです。①せ ②られて ③い ④た ⑤ らしい ⑥です ⑦ね」
というわけで、7つになるようです。



アスペクト)とは、動作や出来事が、その動作中のどの時点にあるかという文法的概念。詳しくは、を参照。
テンス時制)とは、その動作や出来事が、発話時点と時間的にどのような関係(過去・現在・未来)にあるかという文法的概念(アルクの『日本語教育能力試験に合格するための用語集』213頁より)。


テンスを表すル形…明日、試験が行われる(未来を表している)
アスペクトを表すル形…今から食べる(未了(動作の開始直前)を表している)
テンスを表すタ形…昨日、試験が行われた(過去を表している)
アスペクトを表すタ形…もう食べた(完了を表している)

よって、正解は2です。

なお、「もう食べた」のように、動作動詞「食べる」のタ形は完了も表すので、選択肢3は誤りです。
また、「愛を感じる」のように、状態動詞「感じる」のル形は、現在も表すので、選択肢4は誤りです。



モダリティとは、話し手の心的態度聞き手への働きかけを表す表現です。ムードともいいます(ムードは述語のカテゴリー、モダリティは文のカテゴリーと分けて考える説もある)。
事に対するものと、他の人に対するものにわけられることがあります。
対事的モダリティ(事柄をどのように見ているか)
例…これが携帯電話らしい
対人的モダリティ(他の人にどう伝えるか)
例…iPhone7を買ってください
対事的モダリティ対人的モダリティはこの順番で接続します。
例…iPhone7は防水かもしれないよ(「かもしれない」が対事的モダリティ、「よ」が対人的モダリティ)

よって、正解は1です。


⑷ パズル問題です。各選択肢の三つの終助詞を並べ替えて、組合せ可能なセットを探します。
正解は、2の「ね」「よ」「わ」です。
「わよね」に組合せ可能(例…浮気しないって言ったわよね!)



1,サ入れ言葉になっています。正しくは、「もう帰らせていただきたいんですけど」
よって、正解は1です。 

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