日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

カテゴリ:平成24年度日本語教育能力検定試験問題の解説 > 試験Ⅲ

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題6【中級後半の学習者を対象とした「話す」授業】です。
 
問1
資料を読むと、「各自がインタビューした内容(入手した情報)を、グループでまとめ(整理して)発表する(聞き手が理解できるよう説明する)」 授業であることが分かります。
よって、正解は2です。


問2 
アンナさんの「すみません、もう一度」は言葉が足りなかったので、アザマトさんに通じませんでした。そこで教師としては、「何がもう一度なのか、分かるよう具体的に伝えたほうがよい」とアンナさんに助言すべきです。
よって、正解は1です。


問3
コース後半のアザマトさんの発話を見ると、
×「要らないことです」→「要らないということです」
×「分からない言葉」→「分からない言葉」
など、名詞に修飾する語句(連体修飾)の誤りが見られます。 
よって、正解は4です。 


問4
1,資料2では、「増税」という難しい言葉をそのまま使っていますが、資料3では、「不要な」「税制」などの言葉を分かりやすく言い換えています。
2,資料2では、一方的に話していましたが、資料3では、「大丈夫ですか」「皆さん、このタイトルに感心がありますか」など、聞き手に問いかけたり、理解を確認したりしながら話しています。
3,資料2では、文末を名詞で終わらせたり、「〜だね」など、発表にふさわしくないスタイルが見られましたが、資料3では、改まったスピーチスタイルで話せるようになっています。
4,資料3で、たばこ増税、一箱40円という新情報を提供しながら話していますので、コース後半で成長が見られたというわけではありません。
よって、正解は4です。


問5 
あらかじめ提示していた学習目標意外にも学ぶべきポイントがあれば取り上げるべきだと思います。
よって、正解は2です。
 

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題7は【クラス決め】です。

問1
タスクシラバスとは、「就活する」「婚活する」「離活する」など、言語を使って遂行すべき課題(タスク)で分類したシラバス。
構造シラバスとは、「〜は〜です」「〜する予定です」「〜すべきです」など、言語の構造、表現、文型で分類されたシラバス。文型シラバスともいいいます。

〈方法A〉は「今は、三時です」「夏休みは沖縄に行く予定です」など、項目に関連がなく、様々な表現方法で答えるよう求められていますので、構造シラバスのクラスが設定されていると考えられます。
また、「今、何時ですか」「いつ日本に来ましたか」「それは高かったですか」など簡単な質問が含まれていますので、正解は、4になります。


問2
〈方法A〉は、徐々に難しくなっていますので、(ア)に入る質問は「5 日本語の辞書を持っていますか」より難しく、「7 漢字はいくつぐらい書けますか」より簡単な質問が入るべきと考えられます。また、他の回答の表現・文型と重複しないような質問にすべきです。以上の観点から各選択肢を見ていきます。
1は7の質問より難しいです。
2は5の質問より簡単です。
3は9の質問と回答の表現が類似します。
4は適当と思われます。
よって、正解は4です。


問3
易しすぎて、学習者の能力を判断することができなくなるおそれがありますので、正解は1です。


問4
〈方法B〉は、どのような言語行動ができるのかを確認する質問になっています。
よって、正解は3です。


問5
1,できる、できないを答えさせるだけなので、プライバシーの侵害にはなりません。
2,休憩時間の会話は、不特定の人との不特定の話題になります。そのため、相手や話題によって難易度が大きく異なります。
3,友達と会う約束ができるのであれば、初歩的な日本語能力はあると判断できます。
4,苦情を言えと強制しているわけではないので、不利益にはつながりません。
よって、正解は2です。


 

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題8は【地域における日本語教室】です。
 
問1
分からない語の意味を推測できるようになれば、分からない語があっても進むことができます。
よって、正解は3です。


問2
文法の本(読解中心で構造シラバス)が合わないのであれば、反対の教材(会話中心で場面シラバス)を試してみるのはどうでしょう。
よって、 正解は4です。


問3
見知らぬ外国語の本を渡されて、自分で読んで理解しろと言われたときに、選択肢のうちいずれの支援が一番役立つかを考えて見ると分かりやすいと思います。
1,自分で教科書を読んで教科内容を理解するためには、教科書に出てくる語彙の母語訳一覧が最も役立つと思います。
2,文型の練習をしても、そもそも語彙が分からなければ本を読めません。
3,文字の読み方が分かっても、意味が分からなければ本を理解できません。
4,自分で読んで理解する支援には遠いです。
よって、正解は1です。


問4
学校では、分からないことは友達に聞いたり先生に質問したりします。
1の活動では、クイズに子ども同士で取り組むことで分からないことを友達に聞く訓練になり、ボランティアへの質問は学校で先生に質問する訓練になります。
2の活動では、質問する訓練になりません。
3の活動では、分からないことを自分で見つけ質問する訓練になりません。
4の活動では、質問するための文法知識(どう聞くか)は身につきますが、何を誰に聞くかの訓練になりません。
よって、正解は1です。


問5
「韓国ではよくできたのですが、日本語がわからないと勉強もわからないですかね」という心配に対するそれぞれの助言は、
1,「生活面の会話は、2年程度で身につくものですよ」
母親が心配しているのは生活面ではなく勉強面です。答えになっていません。
2,「学習には試験などの外的な動機づけが必要ですね」
心配を和らげていません。
3,「国によって教科の学習進度に違いがありますから」
だから何だというのでしょうか。心配を和らげることはできないでしょう。
4,「母語で培った学力は、第二言語でも発揮できます」
つまり、日本語が上達すれば、韓国にいたときのように学力も上がるということです。心配を和らげる情報です。
よって、正解は4です。


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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題9は【第二言語習得研究】です。

問1
ナチュラル・アプローチの指導方針は、以下のとおりです。
①伝達技能を目標にする。
聞くことを話すことに優先させる。
話すことや書くことを強制しない(産出より理解を優先)
④形式的な「学習」よりも「習得」を中心にする(言語形式より内容を重視)
※「学習」は意識的に学んだ結果得られる知識、「習得」は自然に身についた知識。
⑤学習者の学習動機を高め、不安を少なくする(情意面に配慮する)。

よって、正解は4です。


問2
明確化要求とは、相手の発言が不明確で理解できないときに発言を明確にするよう要求すること。
確認チェックとは、相手の発言を自分が正しく理解しているか確認すること。
理解チェックとは、自分の発言を相手が正しく理解したか確認すること。
明示的フィードバックとは、誤用の存在をはっきり示すこと。
例…「これ、昨日買ってもらたのスマホです」という誤りに対し、「間違ってますよ」「これは昨日買ってもらったスマホです、が正しいです」「これ、昨日買ってもらたのスマホです?」「意味がわかりません」などと言ったり、小首を傾げたりして、誤っていることをはっきり示すフィードバック。
暗示的フィードバックとは、自然な応答の中でさりげなく訂正すること。
例…「これ、昨日買ってもらたのスマホです」という誤りに対し、「ああ、それは昨日買ってもらったスマホですか。iPhone7ですね。」とさりげなく訂正するフィードバック。

よって、正解は1です。


問3 「IRF/IRE型」と呼ばれる教室談話の典型的な例を選ぶ問題です。
IRF/IRE型クラスとは、教師が質問を出し、学習者が答え、教師がその答えに評価やフォロー・アップを加えることです。
教師の評価があるのは選択肢4だけなので、4が正解になります。


問4 
提示質問(ディスプレイ・クエスチョン)とは、すでに答えを知っている質問。学習者の理解を試すために行う。
例…時計を指して「いま何時ですか」、鉛筆を手に取って「これは何ですか」

意味交渉とは、コミュニケーションが滞ったときに、言っていることが通じるよう互いに工夫すること。明確化要求確認チェック理解チェックなどがある。

アウトプット仮説では、学習者は、自分の発話が誤りであるとことを示す否定的フィードバック(negative feedback)により修正を強要されると、意味を正確に伝えようとしてアウトプットを調整すると予測できる。これが、いわゆる「強要アウトプット(pushied output)である(以上、小柳かおる『日本語教師のための新しい言語習得概論110頁より)。

日本語教師のための新しい言語習得概論
小柳 かおる
スリーエーネットワーク
2004-11



学習者には教師ほどの知識がないので、誤用を訂正したり、意味交渉をしたり、強要アウトプットをしたりするのは難しく、簡単な提示質問が増えると思われます。
よって、正解は1です。


問5
学習者は、アウトプットしようとするときに、自分が表現したいことと、現在の能力で表現できることのギャップに気づきます。
よって、正解は3です。

以上の解説は、完全攻略ガイドの「第二言語習得研究から(266頁以下)」を参考にしました。

 

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題10は【学習ストラテジー】です。
オックスフォードの6分類ではなく、オマリーシャモーの三分類に関する問題なので注意が必要です。

問1
オマリーシャモーの分類によると、
認知ストラテジーとは、入ってくる情報に直接作用し、学習を促進するよう制御するストラテジー。例としては、練習、分類、推測、要約などがある。
メタ認知ストラテジーとは、学習者が学習を計画し、モニター(学習する内容がどのようなものであるか観察)し、評価するストラテジー。認知の過程に働きかける(自らの認知作用をコントロールする)。
社会情意的ストラテジーとは、他者とのインターアクション(やり取り)や情意的要素を制御するストラテジー。他者との協力、明確にするための質問などが含まれる。
(『第二言語学習と個別性: ことばを学ぶ一人ひとりを理解する』109頁110頁より)



 以上より、
1は、メタ認知ストラテジーです。
2は、他者に協力を求めているので、社会情意的ストラテジーです。
3は、特定の課題を達成する(学習を促進する)ため、学習素材を学習者自身が操作(入ってくる情報を直接作用)しているので、認知ストラテジーです。
4は、情意的要素を制御しているので、社会情意的ストラテジーです。
よって、正解は3です。 


問2
1、言い換え(パラフレーズ)は、コミュニケーション・ストラテジーです。
2、聞き返すのは、コミュニケーション・ストラテジー(リペア)です。
3、文脈から推測するのは認知ストラテジーです(オックスフォードの分類では補償ストラテジー)。
4、事前に質問に目を通し読み取るべきことを知るのは、学習する内容がどのようなものであるか観察(モニター)しているといえるので、メタ認知ストラテジーです。
よって、正解は4です。


問3
1,他者に協力を求めているので、社会情意的ストラテジーです。
2,ジェスチャーを使うのは、コミュニケーション・ストラテジーです。
3,知らない語があっても無視するのは、認知ストラテジーです(オックスフォードの分類では補償ストラテジー)。
4,モニターし、読み返すのはメタ認知ストラテジーです。
よって、正解は1です。


問4
1,トップダウン処理だって大事でしょう。
2,どうやって未修語の意味を推測したか話し合うことは、認知ストラテジー(オックスフォードの分類では補償ストラテジー)のトレーニングになります。
3,有効なストラテジーを知り、自分が使っているか確認することは、ストラテジー・トレニーングになります。
4,内容を予測させるのは、認知ストラテジーのトレーニングになります。
よって、正解は1です。


問5
コミュニケーション・ストラテジーとは、コミュニケーション上の様々な障害を乗り越えるため使用する方略です。
1,コミュニケーション・ストラテジーでは、該当する言葉が分からないとき部分的に母語を使います(言語交換)ので、中間言語に関する学習者の仮説検証に貢献し、言語習得に有利に働きます。
なお、中間言語とは、目標言語でも母語でもない中間的な言語のことです。

2,コミュニケーション・ストラテジーでは、言われたことがわからないとき、繰り返しを要求したり、わかった部分だけ自分で繰り返し、相手に確認を求めます(リペア)ので、理解できなかったインプットが理解可能になり、言語習得に有利に働きます。

3,わからない言語表現を避ける(回避)のも、コミュニケーション・ストラテジーのひとつです。しかし、わからない表現を避けてばかりいるのは言語習得に有利に働きません。

4,コミュニケーション上の障害を乗り越えることで、意味交渉に参加する機会が増え、言語習得に有利に働きます。

よって、正解は3です。

 

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