日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

カテゴリ:平成24年度日本語教育能力検定試験問題の解説 > 試験Ⅰ

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は【外国語教育・日本語教育の教授法】です。

問 4
サジェストペディア は、精神科医ロザノフ暗示学を理論的基板にして提唱した教授法です。独特の学習感で、潜在意識を用いて行う超学習で得た知識と、顕在意識を用いて行う通常の学習で得た知識が融合することを重視しています。学習者の潜在能力の開発が目的です。
ウォールピクチャー(壁に掛けた絵)、クラシック音楽や適切な明るさの照明でリラックスできる環境を作ります。
授業はプレセッションコンサートセッションポストセッションの3部からなります。メインであるコンサートセッションでは、教師がクラシック音楽に乗せてモデル会話を朗読します。
利点は学習者がリラックスして参加できることです。
欠点は設備投資にコストがかかること、教師養成が難しいこと(常に明るく肯定的な態度で学習者に接しなければならない、高度な朗読技術を求められる)です。
よって、正解は2です。 

ヒューマンアカデミーの完全攻略ガイド第3版(第2部 言語と教育)を参考にしました。

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は【外国語教育・日本語教育の教授法】です。

問5
1,ナチュラル・アプローチは、スペイン語教師テレルが、幼児の母語習得過程を参考に、応用言語学者クラッシェンのモニター理論を応用して提唱した聴解優先の教授法。習得のほうが学習より優れていると考えます。学習目的・到達目標や使用教材はコミュニカティブ・アプローチと共通です。指導法は独特で、教師が学習者に適切なインプットを口答で与え、その後学習者のリラックスした状態を保つため、簡単な応答練習を行います。
利点は、学習者に理解可能な大量のインプットを提供できること、過度の緊張がないこと。
欠点は、教師の発話が多くなりがち、チャレンジングな発話練習がないこと。
ナチュラル・アプローチの理論的背景については、平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4問3で問われています。要確認でございます。

2,トータル・フィジカル・レスポンス(TPR)は、心理学者アッシャーが提唱した聴解優先の教授法で、幼児の母語習得過程を理論的基板としています。ジェスチャーを中心とした身体運動を用いることが特徴です。教師の口答による指示通りに学習者は身体を動かすことによって理解を示します。
利点は、聴解力を集中的に伸ばせること、発話のプレッシャーから解放されること。
欠点は、(サイコロジカル・メソッドと同じく)身体を動かすのが幼稚に映るので学習者によっては抵抗を感じること、動作にかかわらない表現を学習しにくいこと。

3,コミュニティ・ランゲージ・ラーニング(CLL)は、心理学者カランがカウンセリングの理論を基盤に提唱した教授法で、カウンセリング・ラーニングとも呼ばれます。教師をカウンセラー、学習者をクライアント、教室を一つのコミュニティとみなします。知識のみならず、情意面の向上を学習目的とし、学習者の全人的な成長が到達目標です。学習の成功に必要な心理的条件として、安心感(Security)、注意力(Attention)、積極性(Aggression)、定着(Retention)、振り返り(Reflection)、識別(Discrimination)の頭文字をとってSARDと呼んでいます。
利点は、知りたいことをすぐに教えてもらえる、自由なコミュニケーションが楽しめる、自律的学習が組み込まれていること。
欠点は、教師の負担が大きい(カウンセリング理論への精通、学習者の全人的な受け入れ、高い指導力)こと。

4,サイレントウェイは、心理学者ガッテーニョが、認知心理学を理論的基板として提唱した教授法。学習者自らが言語規則を発見することが目的なので、教師はできるだけ沈黙し、サウンド・カラー・チャート(発音を色分け)、ポインター(指示棒)、ロッド(多色で様々な長さの棒)を使う。
利点は、学習者の自律性が尊重されることによって記憶が促進される、発話するのは学習者のみなのでリラックスできる、教師の動きを追わないと理解できないので集中して参加するようになること。
欠点は、特殊な教材の使いこなしが必須、少人数に限定、明示的な説明をしないため学習進度が遅くなりがちであること。
サイレント・ウェイの背景にある学習観については、平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題4の問4で問われています。要確認です。
よって、正解は3です。


各教授法の説明は、ヒューマンアカデミーの完全攻略ガイド第3版(第2部 言語と教育)を参考にしました。

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題5は【聴解指導】です。
難しかったです。
聴解とは、文章を聞き取り、その内容を理解すること。

問1  聴解が認知的で創造的な過程と言われる理由を探す問題です。
1,聴解は、単なる音のまとまりに意味を付与します。また、音の意味だけではなく話し手の意図を推測します。
2,音の表記のバリエーションを考えるのは聴解ではありません。
3,形態素を組み合わせて語を造るのは聴解ではありません。
4,言語行動と非言語行動を区別するのは、聴解ではありません。
よって、正解は1です。


問2 聴解指導における前作業の目的を選ぶ問題です。聴解指導の本作業に役立つのか、という視点で各選択肢を見ます。
1,教材のトピックについて話し合うことで、本作業で聞く内容 の背景知識を活性化でき、聴解に役立ちます。
2,教材のトピックを話し合うことと、音声への集中力を高めることはあまり関係ありません(高まる場合もあれば低まる場合もある)。例えば、聴解教材が料理番組だった場合、料理番組に関する話し合いが熱中するあまり、お腹が減ってきて集中力が 低下するかもしれません。
3、短期記憶に保持しても聴解指導の役に立ちません。
4,聞く前に新出語句をチェックすることが聴解指導に役立つとは思えません。聴解指導を重視するのであれば、聞いた後にチェックするべきではないでしょうか。私が昔聞いていたNHKラジオ英会話でも、まずは二人の会話を聞いて、その後に新出語句のチェック、という流れでした。


問3 聴解指導における、内容を理解するための本作業についてです。内容を理解させるための聴解指導になっているか、という視点で各選択肢を見ていきます。
1,聴解教材を何度か聞かせ内容を理解させることは、聴解指導になります。
2,表現を問う穴埋め問題は、文章を聞き取っているだけなので、聴解の定義の後半部分(その内容を理解すること)とは関係がなさそうです。
3,聞いた話の大筋を理解させるのは聴解指導です。
4,途中まで聞かせ、その後の話の展開を予測させることは、まさに聴解の認知的で創造的な作業です。
よって、正解は2です。


問4  テキストについて理解したことを自分の言葉で話す「再話」の目的を選ぶ問題です。
1,聞き逃したり聞き取れなかったりした内容を推測するのは、内容を理解するための本作業でやるべきことだと思います。
2,推測した内容と聴解教材の内容の相違の検証するのも、内容を理解するための本作業なのではないでしょうか。発展的とは思えません。
3, 内容を細部にわたって理解させるのであれば、教材を何度も聞いたほうが良いのではないでしょうか。自分の言葉で話すと細部は異なってしまうと思われます。
4,自分の言葉で話すことで記憶が定着します。発展的な学習です。私がこの解説を書いているのも同じ理由からです。
よって、正解は4です。


問5  初級レベルの聴解能力を測るテストを作成する際の工夫として不適切なものを選ぶ問題です。
1,聴解能力に関係なくなってしまうので、この工夫は大事です。
2,聴解能力を測るためにこの工夫は大事です。
3,聴解テストに含まれる語句や表現は、学習したものに限定する必要はありません。聴解とは文章を聞き取り、その内容を理解することであって、一言一句全ての言葉を知っている必要はありません。私が英語の勉強をしていたときもリスニングテストには知らない単語がいくつも出てきました。
4,初級レベルの人へのサポートですね。
よって、正解は3です。 

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題6は【語彙学習・語彙指導】です。

問1
初級300時間までに学習する語数は2000語、中級が6000語、上級が1万語。
よって、正解は2です。


問2 語彙のグルーピング(記憶ストラテジー)として不適当なものを選ぶ問題です。
1はプラスの言葉を集めたようですが、それでどうしろというのでしょう。ポジティブ人間になれということでしょうか。
2は衣類の着脱に関する動詞たちです。
3は頻度の副詞たちです。
4は方向を示す言葉たちです。
よって、正解は1です。


問3 多義語の指導例として適当なものを選ぶ問題です。
多義語とは、一つで複数の意味を持つ語のことです。
1,どちらの「悪い」も同じ意味なので、多義語の指導になりません。
2,同形異音語の指導例です。
3,形容詞と名詞の使い分けの指導例です。
4,「甘い」の意味が異なっています。多義語の指導例です。
よって、正解は4です。


問4 語の記憶を促進するストラテジーとして不適当なものを選ぶ問題です。
1,例えば「強い」という言葉を聞いて孫悟空のイメージに結びつければ、語の記憶は促進されそうです。
2,問2のようにグルーピングすることで覚えやすくなります。
3,身体で覚えるというやつですね。
4,文法知識を利用して語の意味を推測することは知らない言葉には有効でしょう。しかし、語の記憶を促進することとは関係がありません。
よって、正解は4です。


問5 中級段階の漢語指導項目として不適当なものを選ぶ問題です。
2,複数音を持つ語の呉音・漢音・唐音の識別なんて日本人にもできません(少なくとも私はできません)、中級段階で教える必要はないでしょう。
よって、正解は2です。

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平24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題7は【コースデザイン】です。

問1 学習者のニーズに関する記述として適切なものを選ぶ問題です。
学習者のニーズとは、日本語を学ぶ目的のことです。なので、各選択肢のニーズという言葉を、(日本語を学ぶ)目的に言い換えます。

1,学習者の(日本語を学ぶ)目的は、生活状況の変化や言語能力の向上に伴い変わりうる。
そうですね。

2、(日本語を学ぶ)目的には学習者の学習能力、学習態度、学習ストラテジーが含まれる。
意味が分からない日本語になってしまいました。
ちなみに学習ストラテジーとは、新しい知識の獲得のために学習者が用いる方略のことです。ニーズ(目的)を達成するための手段であり、ニーズ(目的)には含まれません。

3,同じ目的の学習集団は、学習方法の好みも共通する。
そうとは限りません。文法訳読法が好きな学習者(場独立の学習者)もいれば、コミュニケーションが好きな学習者(場依存の学習者)もいます。

4, 語学学習の目的は、学習者の文化的背景によって類型化される。
アメリカ人が日本語を学ぶ目的は皆、ニンジャになりたいからだ、とでもいうんでしょうか。とんでもないステレオタイプですね。

よって、正解は1です。 



問2 レディネス調査に関係ないものを選ぶ問題です。
コース・デザインをするために、学習者のプロフィールに関する情報を収集することをレディネス調査といいます。
・外的条件(国籍、母語・母文化、年齢、職業、経済的条件、時間的条件、学習環境、生活環境など)
・内的条件(外国語学習経験の有無、日本語を学習済の時間、使用教材、取得済みの資格レベル、運用能力に関する自己評価、学習スタイルなど)
について、アンケートやインタビュー(面談)によって調べます。日本語既修者には現在の日本語レベルを測り適切なクラスに配属するため、プレースメント・テストを実施します。

2の目標言語は、学習者のプロフィールと関係ありません。
よって、正解は2です。 



問3 特定の学習者を対象にした特定の目的を持つコースを選ぶ問題です。
1は「国内に住む国際結婚の配偶者」という「特定の学習者」を対象にしていますが、「特定の目的」を持っているのかは分かりません。
2は「ブラジルに住む日系人」という「特定の学習者」を対象にしていますが、「特定の目的」を持っているのか分かりません。 
3は「オーストラリアの専門学校生」という「特定の学習者」を対象にした、「観光ガイド」という「特定の目的」を持つコースです。
4は「日本語を母語としない人」という「特定の学習者」を対象に「カラオケ」という「特定の方法」で学ぶコースですが、「特定の目的」を持っているのかは分かりません。

よって、正解は3です。



問4  自律学習の説明を選ぶ問題です。
自律とは、自分の行動を自分の立てた規律に従って正しく規制することです。
1,自学自習と自律は意味が異なります。
2,自分のペースで進めていくことと、自律は意味が異なります。
3,自律とは自分を評価することではなく、自分を制御することです。
4,自分の行動に責任を持つことは自律です。
よって、正解は4です。



問5  モジュール型教材の説明を選ぶ問題です。
平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題5問1にも「モジュール型」が出てきています。要注意キーワードですね。
モジュールとは、交換可能な構成部分という意味です。目的に合わせて組合せを変えることができます。
よって、正解は3になります。

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