日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

カテゴリ:平成24年度日本語教育能力検定試験問題の解説 > 試験Ⅰ

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題3のBは【様々な品詞】です。

⑸は、選択肢から適当なものを選ぶ穴埋め問題です。

動詞は主節の述語にも従属節の述語にもなることができます。
例…毎日ごはんを食べないと、僕は死ぬ。
従属節「毎日ごはんを食べないと」 の述語は動詞「食べる」
主節「僕は死ぬ」の述語は動詞「死ぬ」

動詞は名詞を修飾できます。
例…造られた花(動詞「造る」が名詞「花」を修飾している)

よって、正解は1になります。


⑹も穴埋め問題です。
「ある」が持つ他の多くの動詞と異なる特徴を選ぶ必要があります。他の五段活用の動詞と比べてみれば異なる特徴が浮かび上がります。
1、「ある」の可能形は思い浮かびません。五段活用なら「あれる」になるはずですが、おかしいです。
  「ある」のマス形は「あります」。他の五段活用の動詞と同じです(例えば、書きます)。
2,「ある」のナイ形は「ない」。五段活用であれば本来「あらない」になるはずなので特殊です。
  「ある」のテイル形は思い浮かびません。ありている? おかしいです。
3,「ある」のテオク形は思い浮かびません。ありておく? おかしいです。
  「ある」のバ形は「あれば」。他の五段活用の動詞と同じです(例えば、書けば)。
4,「ある」のテアル形は思い浮かびません。ありてある? おかしいです。
  「ある」のタ形は「あった」。「ありた」ではなく促音便になっていますが、促音便は他の動詞にもたくさんあり、異なる特徴とはいえません(例えば、取った、散った、終わった)

よって、二つとも異なる特徴といえる2が正解になります。


⑺も穴埋め問題です。
「病気」の対義表現は「健康」が考えられます。
「健康」は「健康な」と「ナ形容詞」になります。
よって、正解は1になります。
なお、連体詞とは、体言(名詞)を修飾することばで、形容詞に意味が近いけれど、活用はしません。
例…ある人の「ある」、たいした奴の「たいした」、大きな猫の「大きな」。


⑻は数量表現の品詞を考える問題です。
1,「3人の学生が来た」の「3人」は名詞的に働いているので誤りです。
ノ格で名詞に修飾するのは名詞です。
例…猫ご飯(名詞+名詞)、綺麗な猫、美しい猫(形容詞+名詞)

2,「学生が3人来た」の「3人」は、「来た」という動詞に情報を加えているので副詞的です。名詞に情報を加えるのが形容詞です。
例…【速い車】の「速い」は形容詞。【速く走る】の「速く」は副詞。

3,「水を250㏄入れる」の「250㏄」は副詞的に働いています。「250㏄の水を入れる」の「250㏄」は名詞的に働いています。

よって、正解は3になります。

なお、数量表現については日本語動詞文型用例辞典というサイトがとても参考になります。
 

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平成24年度日本語能力検定試験Ⅰの問題3のCは【形式名詞】です。
この問題は難しいですね。

⑼ モダリティ表現のうち形式名詞を含むものを選ぶ問題です。
モダリティとは、話し手の気持ちを表す表現です。ムードともいいます。
1「らしい」は推定の助動詞です。
2「べきだ」は当然の助動詞です。
3「だろう」は断定の助動詞「だ」の未然形+推量の助動詞「う」で、不確かな断定や推定の意を表します。
4「つもりだ」の「つもり」は形式名詞です。
よって、正解は4です。
形式名詞は他に「はず・わけ・よう・ところ・ほう・の」などがあります。
形式名詞についてのサイトに詳しい説明があります。


⑽ 形式名詞「こと」が「補足節」として使用されている例として最も適切なものを選ぶ問題です。
まず、補足節とは、従属節のうち、節全体が名詞となり(そのため補足節を名詞節と呼ぶ人もいる)、述語に対する補語(補足語)の役割を果たす節のことです(用語検索マンボウを参照)。
1は、述語「聞いた」の内容について、従属節「彼女が結婚すること」が名詞となり補足しているので、補足節になります。
2は、従属節「主役が来ないことには」が、主節「パーティーが始まらない」理由という情報を加えている(修飾している)ので、副詞節になります。
3の「こと」は主節です。
4の「こと」も主節です。
よって、正解は1になります。


⑾ 選択肢から適切な言葉を選ぶ穴埋め問題です。
1,連体修飾節とは、字のとおり、体言(名詞)に連なり修飾する節です。
例…みんなが集まる広場
2,主節とは、複文(述語が複数ある文)のうち、文末の述語を中心に、文全体をまとめる働きをする節です(用語検索マンボウを参照)。
3,従属節とは、接続節(複文を構成するのは主節と接続節)のうち、主節に従属的な節をいいます。補足節は従属節の一種です。
4,名詞節とは、字のとおり、名詞の性格を持った従属節のこと。補足節ともいいます。
問題文にある「とりあえず入学したものの」は「従属節」なので、正解は3になります。


⑿ 動詞が関わる文法化の例として不適当なものを選ぶ問題です。
本来の意味が薄れていない動詞を選びます。
1は「いう」という本来の意味が薄れています。
2は「する」という本来の意味が薄れています。
3は「したがう」という本来の意味どおりです。
4は「もつ」という本来の意味が薄れています。
よって、正解は3になります。


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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題3のDは【複合動詞】です。

⒀ 複合動詞の要素になる動詞以外の品詞を見つける問題です。
名詞+動詞の複合動詞には、旅立つなどがあります。
よって、正解は2となります。
なお、
陳述副詞とは、 話し手の態度や気持ちを表す副詞です(用語検索マンボウ参照)。副詞のうち、述語のモダリティにかかわります。
例… 決して諦めない。たぶん雨が降るだろう。たしか今日だったはずだ。

連体詞とは、字のとおり、体言(名詞)に連なり修飾します。形容詞と似た働きをしますが、活用せず、文の述語にもなりません(用語検索マンボウ及び連体詞と形容詞の違い参照)。


⒁ 複合動詞のうち、複合要素の前項あるいは後項が実質的な意味を失い接辞化しているものと、前項、後項ともに実質的な意味を残しているものとに分ける問題です。
平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ 問題1の⑺にも同じタイプの問題があります。

1,差し戻す→「差す」の意味が薄れています。
  取りかかる→「取る」の意味が薄れています。
2,切り開く→「切って開く」という意味なので、いずれの意味も薄れていません。
  出回る→「回る」の意味が薄れています。
3,読み切る→「切る」の意味が薄れています、といえるでしょうか。読み切るは『終わりまで読む』(スーパー大辞林3.0)ことなので、読むとは明らかに意味が違います。物事に区切りをつけるという「切る」の意味が残っているとはいえないでしょうか。でも公式解答は3なんですよね。よく分かりません。
  食べ残す→「食べて残す」という意味なので、いずれの意味も薄れていません。
4,分け与える→「分けて与える」という意味なので、いずれの意味も薄れていません。
  送り届ける→「送って届ける」という意味なので、いずれの意味も薄れていません。
正解は3です。


⒂ 複合動詞から名詞を新しく形成すること(乗り入れる→乗り入れ)を何というでしょう。
1,混淆(こんこう)とは、複数の語が混ざって、新たな語になること。
例…「やぶる」+「さく」→「やぶく」、「ゴリラ」+「クジラ」→「ゴジラ」
2,逆成とは、派生したように見える形から基本形を生みだす現象。
例…「もくろみ」から「もくろむ」を作る。
3,転成とは、あるものが性質の違った別のものに変わること。
4,転義とは、言葉のもとの意味から転じた意味。
よって、正解は3です。


⒃ 前項、後項ともに動詞からなる複合動詞に関する記述として最も適当なものを選ぶ問題です。
1,複合動詞がとる格は、前項の動詞がとる格と同じとは限りません。
例えば、「取りかかる」の前項の動詞「取る」はヲ格をとりますが(〜を取る)、「取りかかる」はヲ格ではなく、ニ格をとります(〜に取りかかる)。
2,前項が他動詞の場合、後項も他動詞の場合が多いですが、例外もあります。
「届け出る」「つかみかかる」(他+自)
3,漢語動詞も複合要素になれます。
例…愛し合う(愛するは漢語動詞)、感じ入る(感ずるは漢語動詞)。
4,結合前の各動詞のアクセントを保持するとは限りません。
よって、正解は4です。
なお、アクセントについては、
が詳しいです。

京言葉の複合動詞のアクセントについては、複合語のアクセントに詳しい説明があります。
複合動詞については、26,複合動詞に詳しい説明があります。

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題3のEは【場所を表す格助詞】です。

⒄ 「を」の働きに関する穴埋め問題です。
「はしごを上る」の「はしご」は「到達点」ではありません。「着点」でもありません。「期間」でもありません。「経路」です。
よって、正解は3です。


⒅ 「に」と「へ」を比較した穴埋め問題です。
1、「は」などの取り立て助詞の前に来ることができるのは「に」です。
例…東京には行きません(他の場所なら行くことを暗示)。
なお、取り立て助詞とは、文中のある要素について、文には書いてない情報を表す助詞です。
例…私「は」日本人です(日本人ではない人がいることを暗示)。
  彼「も」日本人です(他にも日本人がいることを暗示)。

2、「の」を伴って名詞を修飾することができるのは「へ」のみです。
例…天国への片道切符。

3、物理的な移動を伴わない動詞と組み合わせることができるのは「に」のみです。
例…東京に住んでいます。

4,方向を表す名詞と組み合わせることができるのは「に」と「へ」です。
例…西へ行く、西に港がある。

よって、正解は2です。 


⒆ 主体の存在場所を表す「に」の具体例を探す問題です。
1の「に」が表しているのは「凧の存在場所」ですが、「主体」は子どもたちです。
2の「に」が表しているのは「存在場所」ではなく、「目的地点」です。
3の「に」が表しているのは「存在場所」ではなく、「目的地点」です。
4の「に」が表しているのは、「主体」である弟の「存在場所」です。
よって、正解は4になります。


⒇ 動作や出来事が起こる場所を表す「で」の具体例として不適切なものを探す問題です。
1の「で」は健康診断という「出来事が起きた場所」が病院であることを表しています。
2の「で」は表彰式という「出来事が起きた場所」が警察であることを表しています。
3の「で」は遠足という「出来事が起きた場所」が学校であることを表していません。遠足という出来事が起きた場所は学校以外のどこかでしょう。遠足とは学校の外に行くことですから。ここの「で」が表しているのは「原因・理由」でしょうか。
4の「で」は停電という「出来事が起きた場所」が図書館であることを表しています。
よって、正解は3になります。

なお、格助詞「で」の働きについて詳しいサイトは、
格助詞「で」
に・で、の使い分け!
があります。

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題4は【外国語教育・日本語教育の教授法】です。

問1 オーディオ・リンガル法の練習方法として不適切なものを探す問題です。

1のジグソー練習とは、学習者のペアに、細部が異なっていたり情報が虫食い状態になっている絵や文を配り、 互いの情報差を話し合いによって埋めていくオーラル・メソッドの応用練習のことです。

2の拡張練習とは、読みました(基本文)→本を(教師の与えるキュー)→本を読みました(学習者の発話)→図書館(キュー)→図書館で本を読みました(学習者)のように、徐々に文を長くしていく練習で、オーディオリンガル・メソッドパターン・プラクティスの一つ。拡大練習ともいいます。

3のミムメム練習とは、モデル会話をベースに、教師主導で文型を模倣させ記憶させる練習で、模倣反復記憶法ともいいます。オーディオリンガル・メソッド

4のミニマルペア練習とは、酒/sake/と竹/take/のように、1カ所の音素の違いによって意味の区別があるミニマルペアを使って、 音の違いに集中させる発音練習のこと。オーディオリンガル・メソッド

よって、正解は1です。



問2
コミュニカティブ・アプローチでは、実際のコミュニケーションにあるインフォメーション・ギャップ(情報差)チョイス(選択権)フィードバック(反応)に注目し、教室活動でもこれらの要素が備わっているべきであると考えます。
よって、正解は3です。
なお、
インフォメーション・ギャップとは話し手の情報差
チョイスとは何をどう言うかは話し手が自由に選べること。
フィードバックとは自分の発話に対し、相手から反応が得られ、相手の出方によって自分の発話を調整することが可能な状態であること。
インターアクションとは言語ないし非言語的なやりとり
リアクションとは反応。



問3 文法訳読法の長所として不適当なものを探す問題です。
文法訳読法とは、19世紀半ばから20世紀半ばにかけて主流となった外国語教授法で、特定の提唱者や基板理論はありません。学習目的は、読解力の養成であり、辞書を用いて母語訳をします。
1、文法訳読法は学習者数に関係なく行えます。
2、文法訳読法は文法用語を用いて分析的に解読しますが、学習者の学習スタイルによって効果が異なります場独立に属する学習者には文法訳読法が向いていますが、場異存の学習者は、個々の要素を周囲のものとの関連でとらえようとする傾向があるため、文法訳読法には向かず、コミュニケーションの領域に向いています。
3、辞書を用いて母語訳するので、比較的早い段階から生の読み物が扱えます。
4,文法訳読法は辞書を使うので母語が確認でき、理解不可能な状況は少ないです。学習者は一定の安心感をもつことができます。
よって、正解は2です。


なお、各教授法の説明は、ヒューマンアカデミーの完全攻略ガイド第3版(第2部 言語と教育)を参考にしました。

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