日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

カテゴリ: 平成24年度日本語教育能力検定試験問題の解説

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題8は【第二言語習得研究】です。

問1 習得順序研究と発達順序研究に関する記述を選ぶ問題です。
習得順序とは、複数の異なる文法項目が習得される順番のこと。
発達順序とは、ある特定の文法項目や構造が完全に習得されるまでにたどる、いくつかの発達段階のこと。
よって、正解は4です。


問2 一度できたことが、できなくなって、またできる(できる→できない→できる)ようになる発達段階と関係ないものを選ぶ問題です。

1,できる→できない→できる、をグラフにするとU字型になります。U字型発達です。

2,定着とは「ある物・場所などにしっかりついて離れないこと(スーパー大辞林3.0)。できる→できない→できる、とついたり離れたりしているので、定着化ではないですね。

3,できる→できない→できると変化しているので、可変性があります。

4,できる→できない、と逆行しています。

よって、正解は2です。


問3 転移に関する記述として不適当なものを選ぶ問題です。
1,中国語話者は母語に漢字があるので漢字語彙の理解をしやすいです。
2,韓国語話者は母語に助詞があるので格助詞を理解しやすいです。
3,中国語・韓国語にあるのは有声音・無声音ではなく、有気音・無気音の区別です(wikipadeia参照)。 
4,英語・中国語・韓国語では、日本語と異なり、母音の長短をあまり意識しません(wikipedia参照)ので、母音の長短を混同しやすいといえます。
よって、正解は3です。


問4 有標性の具体例を選ぶ問題です。
無標は基本。
有標は応用。
英語を学んだ順番を思い出せば解ける問題です。まず基本(無標)を習って、次に応用(有標)を習います。
1,単数形は基本なので無標、複数形は応用なので有標。
2,否定文は応用なので有標、肯定文は基本なので無標。
3,規則動詞は基本なので無標、不規則動詞は応用なので有標。
4,主語の関係節化は基本なので無標、目的語の関係節化は応用なので有標。
よって、正解は2です。


問5 
ディクトグロスとは、日本語を統合的に練習する活動で、
①まとまりのある内容を持つ短めの文章を、教師が数回音読している間、学習者はキーワードのメモを取る。
②その後、学習者が個別に、または他の学習者と協働して、元の文章と同等の内容・構成になるよう文章を復元していく活動のことです。

よって、正解は1です。

ディクトグロスの説明は、日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版 [ ヒューマン・アカデミー ]
日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版 [ ヒューマン・アカデミー ]第3版194頁を参考にしました。

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題9は【第二言語習得と記憶能力】です。

問1 
記憶の仕組みは、情報のインプット→符号化転送貯蔵検索→アウトプット、という流れです。
下線部Aは情報のインプットについてなので、関連する概念は符号化になります。
よって、正解は3です。


問2 情報を努力なしに思い出せることに関連する概念を選ぶ問題です。
長期記憶には、宣言的記憶手続き的記憶があります。自転車の乗り方などの運動技術や言語を実際に運用する技能が手続き的記憶です。宣言的記憶が手続き的記憶に移行し、迅速に処理できるようになった状態を自動化といいます。
よって、正解は4です。
 

問3 ワーキングメモリに関する記述を選ぶ問題です。
1,20秒というのは短期記憶の保持時間でしょうか。ワーキングメモリといえばマジカルナンバー7±2ですね。
2,ワーキングメモリには個人差があります。
3,言語情報に限りません。
4,容量に制限がありますので、情報処理に使いすぎるとメモリ不足となり、保持ができません。
よって、正解は4です。


問4 
長期記憶は言語化できない手続き的記憶と言語化できる宣言的記憶に分けられます。宣言的記憶は、個人的経験に関するエピソード記憶(思い出など)と、一般的な知識の記憶である意味記憶(クジラは哺乳類など)に分けられます。
よって、正解は3です。


問5 文章を読むとき、長期記憶に貯蔵されている情報と照らし合わせながら文章の意味を理解している、ことに関する問題です。
4,語句→文→段落→文章全体という一方向の流れで、文章の意味を理解するわけではありません。選択肢2のように次に来る内容を予想したり、選択肢3のように文章に書かれていないことを推論したり、臨機応変に文章の意味を理解しています。
よって、正解は4です。


以上の各説明は、いつもの本の243頁以降を参考にしました。

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題10は【文化変容】です。

問1
ベリーの文化変容モデル(参入者側)
統合(integration)は、自分の文化を保持、相手の文化との関係も保持している状態。
同化(assimilation)は、自分の文化を保持せず、相手の文化との関係を保持している状態。
分離(離脱)(separation)は、自分の文化を保持、相手の文化との関係を保持していない状態。
周辺化(境界化)(marginalization)は、自分の文化を保持せず、相手の文化との関係も保持していない状態。
よって、正解は1です。


問2
分離(離脱)は、自分の文化を保持し、相手の文化との関係を保持していません。
よって、正解は3です。


問3
周辺化(境界化)は、自分の文化を保持せず、相手の文化との関係も保持していない状態です。
1は分離(離脱)です。
2は統合です。
3は同化です。
4は周辺化です。
よって、正解は4です。


問4 文化変容の4タイプに関する記述として不適当なものを選ぶ問題です。
1,四つのタイプは順次現れ、最後の状態が「周辺化」と決まっているわけではありません。参集者側、受入れ側の対応によって変わります。
2,分離は、自分の文化を保持し、相手の文化を拒否しているので、変化の度合が小さいです。
3,どのような年齢の人にも四つのタイプが見られます。
4,時間・状況によって変化します。
よって、正解は1です。


問5 文化的アイデンティティに関する記述として不適当なものを選ぶ問題です。
1,幼いときに異文化に移行したほうが、異文化に染まりやすいでしょう。
2,外見的特徴は文化的アイデンティティ形成に重要な役割を果たします。例えば、日本で生まれ日本で育ち日本国籍があったとしても、Aさんの外見が完全に白人であれば、周囲の日本人はAさんを日本人とみなしません。受入れ側の対応が一般的日本人と異なります。よって外見的特徴がAさんの文化的アイデンティティ形成に重要な役割を果たすといえます(自分は日本人だと思っていたのに周囲が認めてくれずアイデンティティがゆらぐ)。
3,上の例のAさんのように、自分が日本人だと思っていても、他者の認識が異なる場合は、アイデンティティがゆらぎ、混乱します。
4,成人以後にも、文化的アイデンティティは変化します。
よって、正解は4です。


いつもの本、303頁以下【文化変容と社会】を参考にしました。

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題11は【協調の原理と会話の公理】です。

問1 
会話の目的にかなうように話すことを協調の原理といいます。
よって、正解は3です。


問2
1、量の公理は、必要な量以下・以上の情報を与えないこと。
2,質の公理は、自分が偽りだと思っていることや確信していないことを言わないこと。
3,関連性の公理は、関係ないことを言わないこと。
4,様態の公理は、不明瞭な表現や曖昧な表現を使わず、簡潔に順序立てて言うこと。
ミナは一見、映画とは関係ない話を答えていますので、正解は3です。 


問3 
自分が何かに誘われたとき、どう答えるかを思い出せば解ける問題です。
誘いを受諾するときは、言いよどみが少なく、前置きしないので、短い表現で終わります。
誘いを断るときは、言いよどみ、前置きしたり、言い訳しますので 、長い表現になります。
よって、正解は4です。


問4 
関連性の公理について説明している文章なので、関係のないことは言わない、という選択肢2が正解になります。


問5 
含意とは、表面に現れない意味を含みもつことです。
ミナの答えは、イエス・ノーではありませんが、明日、レポートの締め切りがあるという表面的文章から問題文のような意味を読み取ることができます。
よって、正解は1の含意です。


問6
「どちらまで?」と行き先を聞いているのに対し、「ちょっとそこまで」は曖昧な表現で答えになっていません。
様態の公理に違反しているように見えます。
よって、正解は4です。
 

今回も、いつもの本、47頁以下を参考にしています。

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平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題12は【世代による言葉の特徴】です。

問1
発話者の属性や相手との関係、状況によって同じことに対し二つ以上の言い方が存在することを、変異といいます。
よって、正解は1です。

 
問2
「ゲームセンター」を「ゲーセン」「けばけばしい」を「けばい」と言ったりする造語のことを、省略語といいます。
よって、正解は3です。
 

問3
高から低に変わる部分がないアクセントの型を平板式といいます。
よって、正解は4(平板化)です。
なお、卓立(プロミネンス)とは、言葉のある部分を強く言ったり高く言ったりして、他と際立たせることです。



問4 老年層の言葉の特徴の例として不適当なものを選ぶ問題なので、若者も使う言葉かどうかを考えます。
1,フイルムと言う若者はいそうですね。
2,テッシュペーパーと言う若者はジジ臭いですね。
3,シーデーと言う若者もいなそうです。
4,レモンチーと言う若者は聞いたことがありません。 
よって、正解は1です。 

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