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平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題10は、【第二言語習得】です。

問1
臨界期仮説は、言語習得には臨界期(クリティカル・ピリオド)が存在するという仮説で、言語習得が容易になされる時期は、生後から思春期までの間とする(ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』262頁)。 

よって、4が正解です。


問2「フィードバック」の一種である「リキャスト」に関する問題です。
リキャストは、誤りを明示的に示さずに正しく言い直すフィードバック。自然なコミュニケーションの流れを止めないため、コミュニカティブな教室では最も使いやすいフィードバック。フォーカス・オン・フォームの一つの方法(日本語教育能力検定試験に合格するための用語集95頁)。

よって、 2が正解です。


問3
ブルックリンあおぞら学園のウェブサイトによると、
バイリテラルとは、二言語をただ理解するだけではなく、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4領域すべてで両言語が同等にしっかり出来る事を意味します。

よって1が正解です。


問4
敷居仮説(Thresholds Theory)は、バイリンガリズムの程度と認知との関係をまとめた理論(ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』(以下、ガイド本といいます)272頁。ガイド本273頁にわかりやすい図があります)。
平成25年度 日本語教育能力検定試験Ⅰの解説 問題8の問5にも敷居仮説は登場しています。

二言語基底共有説(氷山説)は、バイリンガリズムを2つの氷山に例え、2つの言語は表面的には異なっていても、両言語とも同じ処理システムを通じて機能しているとみなす。話すこと、聞くこと、読むこと、書くことをともなう思考は同じ中央の装置からきており、2つ以上の言語を持つ場合でも、統合された思考の源が1つ存在すると考える(ガイド本272頁)。

日本語教育能力検定試験に合格するための用語集(以下、用語集といいます)101頁によると、
生活言語能力(BICS)は、日常的な生活のコミュニケーションに必要な言語能力。1〜2年で身につく。
学習言語能力(CALP)は、学習に必要な言語能力。読み書きや複雑なディスカッションにかかわる言語能力。年齢相応のレベルに達するのに5〜6年かかる。

以上の知識をもとに検討します。
問題文は、母語と第二言語の言語能力について説明しているので、(ア)には、二元語基底共有説(氷山説)が入ることが分かります。
問題は、(イ)です。
BICSのほうが短期間で身につくことを考えれば、共有しているのはBICSではないか、という結論に至りそうです。

ですが、ここで思い出してほしいのです。
あの過去問の存在を。
そう、
平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題9【第二言語習得】の問5です。
この問題では、選択肢3が正しいというのが公式解答です。
選択肢3「CALPは母語で発達していると、第二言語でも発達しやすくなる。」

どういうことか?
子どもの第二言語学習は、日常的な会話(BICS)ができるようになるのは大人より早いですが、抽象的な文章を読んだりする(CALP)のは苦手です。一方、大人の第二言語学習は、日常的な会話(BICS)では子どもに負けるかもしれませんが、外国語で難しい本を読んだりするのは、子どもより先にできるようになります。大人のほうが、CALPが発達しており、CALPは母語と第二言語で共有するからです。

以上より、3が正解であると思料します。


問5「最近接発達領域(ZPD)」に関する問題です。
心理学者ヴィゴツキーが唱えた、最近接発達領域(ZPD)とは、まだ一人ではできないが、他者のサポートを受ければできる領域のことなので、正解は2であると思料します。

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