記述試験のときは、受験生という立場を忘れてください。

自分が、問題作成者・採点者になった気持ちで臨んでください。

どうしてこんな問題を日本語教育能力検定試験の記述問題として出題したのだろう。
この言葉が使われているのはどうしてだろう。

自分が採点者だったら、どんなことを評価するだろう。
どのように書けば採点しやすいだろう。伝わるだろう。

問題作成者・採点者の気持ちを頭に入れた状態で問題文を読み、解答を書いてほしいのです。

そうすれば客観的な視点で自分の答案を眺めることができます。

自分とは離れた視点から文章を組み立てることが、論理的な文章を書くコツだと私は思います。

これが第6条【問題作成者・採点者の気持ちになる】の意味です。

そうだ。
忘れるところでした。
JEESのウェブサイトに、出題者の言葉を見つけましたので、ここに引用します。

『記述問題は、前回(平成15年)の試験改定時に示された「日本語教育は広い意味でコミュニケーションそのものである」という観点から、論理性と日本語力を測るものとなります。測定の対象となるのは主張の正当性ではありません。主張を正確に説得力をもって相手に伝えられるかどうかを、書記言語の側面から測定します。』(日本語教育能力検定試験「よくある質問」より)

読み手の視点で取り組めば、自分の主張を相手に伝えられる文章が書けると思います。
反対説の根拠に配慮して、抽象論と具体論、二つの観点から論じれば、説得力を持った文章が書けると思います。



最後に、今までの記事でお伝えしきれなかったポイント・重要なので繰り返したいポイントをまとめて、記述問題対策を終えたいと思います。

1,問題文に印をつける
問題文を読んだときに、①使えそうなキーワード、②問われていること、この2点は必ず線を引くなり、丸で囲むなりして、印をつけてください。
なぜか?
何を書くか、構成を考えているうちに忘れてしまうからです。
特に問いが複数あるときは、一つの問いのことを考えている間に、別の問いのことを忘れてしまいがちなので、必ずマークをつけて、1,2,と数字を書き込んでおくことを強くオススメします。

2,記述問題で一番大事なのは書き出し
書き出しを制するものは記述問題を制します。
記述式試験に苦手意識のある方は、公式解答のような書き方を真似しないでください。問題文の問いの言葉を使って自分の意見を書いてください。書き出しを誤ると、問いからずるずる離れていく恐れがあります。
問いの言葉を使って、問いに対応させましょう。

3,最後のまとめは字数調整に使う
市販されている論文(記述式)問題の書き方には、冒頭に自分の立場を述べ、最後も自分の立場を主張して締めるというサンドウィッチ構成を推奨しているものが多いと思いますが、日本語教育能力検定試験の記述問題においては、最後のまとめ(自説の再主張・問いへの再回答)は、必須とは思いません。
なぜか?
字数が足りないからです。
たった400字しかないのに、書くべきことは多いので、最初と最後、二度も自説を書くスペースはなかなか作れません。
平成27年度記述問題の公式解答も、一段落目でサブの質問に対する自説の主張、二段落目で反対説。三段落目でメインの質問に対する自説の主張という構成になっており、サンドウィッチ型ではありません。
私がオススメした、苦手な人でも簡単に高得点が狙える記述問題の書き方は、冒頭で自分の立場を書きます。最後のまとめは、字数が余れば、問いに対応する形で書いてください。

私の解答例で説明すると、

『私は今後もこのクラスでの活動にディベートを取り入れたい。論理的思考能力を高めるにはディベートが必要だと考えるからだ。
 確かに、自分の考えとは違う立場で意見を述べるのは、精神的に苦痛かもしれない。普段とは異なった視点で物事を考えなければならないからだ。
 しかし、それこそがディベートの目的である。自分と違う意見を述べるには、まず自分を理屈で納得させなければならないので、いつもと違う視点から深く考えなければならない。すると、物事を多角的に見る力が身につき、論理的思考能力も高まるのである。日本語クラスにいるであろう他文化の人間との交流にも役立つはずだ。
 もちろん、学習者の申し入れに対する配慮も考えたい。例えば、最初の授業では自分と同じ立場で立論させる。そのかわり、次の授業では反対の立場に立たせる。「自分で自分の意見を論破できるかな?」というのは面白そうで受け入れられやすいのではないか。
 以上のとおり、今後このクラスでの活動を進めていきたいと考える。』

太字が今回追記した最後のまとめ(自説の再主張・問いへの再回答)です。
これを入れると確かにまとまりが良いですし、問いに応えていることがより明確になるのですが、なにせ字数が400字しかありませんから、スペースがなければ省略可、と考えます。


以上で記述問題対策は、終わります。
短い間でしたが、お付き合いありがとうございました。

明日は、当日直前にチェックすべきポイントの記事を書いて、本試験前最後の更新にしたいと考えております。

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