平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題3のDは【複文】です。

(16)
ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』107頁によると、
単文とは、述語が1つある文。
複文とは、述語が複数ある文。
よって、正解は2です。 


(17) 因果関係を表す複文のうち、順接的なつながりの「原因・理由」の用法例を選ぶ問題です。
1,会議が長引いた「原因・理由」は、役員が遅刻したことなので、「原因・理由」の用法です。
2,急いで走っていった「目的」は、「電車に間に合うように」です。 
3,「逆接」です。
4,「会う」ことと「大きくなっている」ことに因果関係はありません。
よって、正解は1です。


(18)
「逆接的なつながり」なので、「1並列」ではないとすぐに分かります。他の選択肢はじっくり見てみます。
大辞林によると、
2,比況…他と比べること。
3,譲歩…自分の主張の一部または全部をまげて、相手の意見と折り合いをつけること。
4,否定…そうではないと打ち消すこと。
という意味です。
逆接(に接続)。
比況には、の意味がないので、「2比況」ではなさそうです。3と4は単語の一般的意味から削るのが難しいので、「仮定の逆接」の具体例を考えてみます。
例…懐かなかったとしても、僕はあの猫が好きだ。
「否定」はしてないですね。
というわけで、消去法的に「譲歩」が残りました。
実は、加藤重広著『日本文法入門ハンドブック』115頁によりますと、「文法における譲歩(concessive)とは、一般的な考えや念頭にある概念を後退させて別の可能性を検討する余地を作ることを意味する」そうです。
上の例で言えば、「懐くから好き」という一般的な考えを後退させて、「懐かなくても好き」という別の可能性を示しているので、譲歩といえます。
以上より、正解は3です。


(19)
反事実条件」の複文を実際に作ってみます。
1の例…あの猫が生き返るなら、僕は一生独身でもいい。
すぐに思い浮かんだので、まれとはいえなさそうです。
2の例…思い浮かびません。
3の例…思い浮かびません。
4の例…あの猫を飼えばよかったのに。
後件に「のに」を使うことができました。

2と3が残ってしまったので、「例外を認めない選択肢は誤りの可能性が高い」ストラテジーを使います。2は「まれ」と例外を認めているのに対し、3は「できない」と断言しています。
よって、正解は2です。


(20)「複文」を構成する接続助詞を終助詞的に使う用法の例を選ぶ問題です。
接続助詞ということはその後に文が続くはずなので試してみます。
1,これ、道に落ちていたんです、あなたのですか。
2,今日中に終わらなかったら、許さないから、ご飯おごりなさいよ。
3,だから、やめときなよ。危ないって言ってるでしょ。
4,私はこれで。明日、会社もあることだ、帰ります。

全ての選択肢で文を続けることができましたが、3だけ雰囲気が違いますね。
3の「って」は、接続助詞(節と節をつなぐ役割)ではなく、格助詞です。詳しくは、デジタル大辞泉の解説をご参照ください。
よって、正解は3です。

スポンサードリンク