平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題2は【学習者の誤用と異なる種類の誤用】です。

⑴ 直筆の「直」は、「ジキ」と読む場合と「チョク」と読む場合があります(どちらも音読み)。
a「チョクヒツ」…真実をありのままに書くこと。
b「ジキヒツ」…本人自身が直接書くこと。
ここでは、bの意味なので、「ジキヒツ」と読まなければならないのに、別の音読みである「チョクヒツ」と読んでいます。
1,「荷物」の「物」は「モツ」と読みますが、別の音読みである「ブツ」に間違っています。
2,「都合」の「都」は「ツ」と読みますが、別の音読みである「ト」に間違っています。
3,「楽器」の「楽」は「ガッ」と読みますが、楽の音読みは「ガク」や「ラク」 であり、「ガッ」はありません。「楽器」を「ガッキ」と読むのは、促音便になっているからです。
4,「正月」の「月」は「ガツ」と読みますが、別の音読みである「ゲツ」に間違っています。
よって、正解は3です。


⑵ 正しくは「引いたからです」過去形にする箇所を間違っています。
1,正しくは「帰ったらしですよ」過去形にする箇所を間違っています。
2,正しくは「送ったはずですが 」過去形にする箇所を間違っています。
3,正しくは「来ことがあります」過去形にする箇所を間違っています 。
4,正しくは「 行くつもりです」過去形にする必要はありません。
 よって、正解は4です。


⑶ 「話す」手段を表す格助詞」が抜けています。正しくは、「彼とは電話でしか話したことがない」です。
1, 副助詞「だけ」の使用の誤りです。ここでは、「たった」を使うべきです。「この花はたった200円だった。
2,「遊ぶ」相手を表す格助詞「と」が抜けています。正しくは、「彼女はペットの犬とばかり遊んでいる」です。
3,「くれる」対象を表す格助詞「に」が抜けています。正しくは、「親切な彼は私の妹にさえプレゼントをくれた」です。
4,「輸入する」起点を表す格助詞「から」が抜けています。正しくは、「石油はインドネシアからも輸入されている」です。
よって、正解は1です。 


⑷ 恋しい対象を示すため、ヲ格を使っていますが、正しくはガ格を使うべきです。「母の作ってくれる料理が恋しい」です。ガ格は、通常、動作の主体を表しますが、今回のように、動作の対象を表すこともあります。 
1,正しくは「車の運転できない」です。「できない」という対象を表すガ格を使います。
2,正しくは「許可要る」です。「要る」という動詞の対象を表すガ格を使います。
3,正しくは「痛みなくなった」です。「なくなる」は自動詞(他動詞は「なくす」)なので、「痛み」が動詞の主体になります。よって、主体を表すガ格です。
4,正しくは「旅行するの好きだ」です。「好き」の対象を表すガ格を使います。
よって、正解は3です。


⑸ 「〜したい」は願望を表しますが、凡人には他人の心を透視できませんので、そのまま三人称には使えません。「会いたいと言っています」などに変える必要があります。
1,同じく、「信じる」もそのままでは三人称に使えません。「信じていると思います」などに変える必要があります。
2,逆に、自分がこれからする行動に「思います」を使うのは変です。自分の考えは自分で分かっているのだから、「勉強します」「勉強するつもりです」「勉強するかもしれません」などに言い換える必要があります。
3,「疲れる」など感覚を表す動詞も、感じている本人にしか分からないことなので、そのままでは三人称に使えません。「疲れているようにみえます」などに変える必要があります。
4,「うらやましい」は感情形容詞なので、そのままでは三人称に使えません。「うらやましがっています」などに変える必要があります。
よって、正解は2です。

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