平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題3は【日本語の名詞修飾表現】です。

問1 
内の関係の名詞修飾(連体修飾)と外の関係の名詞修飾(連体修飾)を分ける問題は、平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ 問題1の⒀にも出題されていますので、比較してみてください。

内の関係名詞修飾(連体修飾)表現とは、
「昨夜訪れたレストラン」←「レストランに昨夜訪れた」
「海水浴に行った日曜日」←「日曜日に海水浴に行った」
「社長が行なった会見」←「会見を社長が行なった」
のように修飾される名詞が修飾している節の一部であったと考えられるもの。 

一方、外の関係名詞修飾(連体修飾)表現は、そのような関係になりません。
「景気対策を批判する声」←×「声 景気対策を批判する」

よって、正解は1です。


問2
外の関係の名詞修飾には、内容(同格)節補充節があります。

内容(同格)節…修飾する節が名詞の内容を表しているもの。内容(同格)節は、「という」を入れるかどうかの観点から、3つに分けられます。
⑴「という」をいれるのが自然。
例1…iPhone7が出るという噂が広まった。
例2…IPhone7を買えという命令がありました。
例3…iPhone7は革新的ではないという意見もあります。
⑵「という」を入れない。
例4…新品のiPhone7の味はいかがですか。
⑶「という」を入れても入れなくてもよい。
例5…iPhone7が盗まれる(という)事件があった。

補充節…修飾する節が名詞の内容を表してはいないもの。補充節は、因果関係的な名詞を使うもの(例1)と、相対的な名詞を使うもの(例2)に分けられます。
例1…過去問の解説を書いた結果、合格した。
例2…過去問の解説を書いた翌日に頭が痛くなった。

よって、正解は3です。


問3
アスペクトについては、平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅱ 問題6の8番の解説をご参照ください。
正解は4です。


問4
1,二文のときは、初めに生徒達の様子が描写され(生徒は入学したばかりで緊張している)、次に私の動きが描写され(教室に入ると)、最後に生徒達の動きが描写されています(生徒達が私の方を一斉に見た)。一方で、一つの文にまとめると、最初に私の動きが描写され(教室に入ると)、その後は、生徒たちの描写だけになっており、語りの視点の移動が少なく、スッキリしています。もっとも、最初に私の動きを描写していますので、「生徒達」に語りの視点を固定しているとはいえないのではないでしょうか。

2,「入学したばかりで緊張している」が名詞修飾表現になったため、旧情報のように扱われています。それによって、「生徒達が、私の方を一斉に見た」という主節の出来事が、二文のときに比べ相対的に目目立っています。

3,生徒たちが、「入学したばかりで緊張している」というのは、「私」の主観です。

4,文の最後の述語を中心としたひとまとまりを主節といい、文の途中の述語を中心としたひとまとまりを従属節といいます(日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版104頁)。
「教室に入ると」が従属節であり、「入学したばかりで緊張している生徒が、私の方を一斉に見た」は主節です。節の主従関係を断ち切ることはできていません。

よって、正解は2です。


問5
1,名詞修飾表現のみで一文を構成する特殊な文体は、具体的な対象に注目させるモノ的表現であるため、「ポケモンGOプラスの発売で大行列となったポケモンセンター」などのように、写真のキャプションで使用されます。

2,名詞修飾表現のみで一文を構成する特殊な文体は、主名詞に関する背景的な情報を提供できるため、「ベジータとブルマの息子であり、未来からやってきたトランクス」などのように、フィクション作品などで新しい登場人物を紹介するために使用されます。

3,名詞修飾表現のみで一文を構成する特殊な文体は、出来事の生起よりも、主名詞に注目させる表現ではないでしょうか。報道番組などで事件の発生を伝える際に、体言止めの表現(名詞修飾表現のみで一文を構成する特殊な文体)はあまり用いられないと思います。

4,名詞修飾表現のみで一文を構成する特殊な文体は、被修飾語の主名詞に注目させる表現であるため、「黙れ小僧!と怒鳴られて黙り込む真田信之」のように、シナリオのト書きなどで用いられます。

よって、正解は3です。

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