間違いでした。
もちろん、最低限の労力で、受かることだけを考えるならば、五つ星の本である『過去問』と『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド』だけでよいのですが、より高みを目指すならば、『日本語教育能力検定試験に合格するための教授法37』も必要だったのです。
具体的にいうと、『モジュール型教材』です。
モジュール型教材というのは、日本語教育能力検定試験が好きなワードの一つで過去問にも何度か登場していました。なのに私はあいまいな理解のまま本試験に臨んでしまい、間違えてしまいました。解説も間違えてしまいました。
『日本語教育能力検定試験に合格するための教授法37』の111頁を読んでおけば、こんな過ちを犯すことはなかったのです。
日本語教育能力検定試験では、試験Ⅰの問題4で教授法が、問題5で教材・シラバスが、毎年出題されます。
試験Ⅲでは、実践的な教室活動に関する出題もあります。
『日本語教育能力検定試験に合格するための教授法37』を読めばそれらの問題に対応できるのです。
私は「教授法」という言葉から、文法翻訳法、ナチュラル・メソッド、ベルリッツ・メソッド、フォネティック・メソッドなど外国語教授法について書かれた本だと思っていたのですが間違いでした。
もちろんそれらの外国語教授法についての説明もありますが、最終章第5章170頁以降にすぎません。
『日本語教育能力検定試験に合格するための教授法37』における「教授法」とは、もっと広い意味での教授法でした。「日本語を外国人にどう教えるか」という意味の教授法でした。
具体的には、
第1章 コース・デザイン
第2章 教室活動
第3章 教材・教具
第4章 評価
第5章 外国語教授法と日本語教育
という構成になっています。
これらはいずれも日本語教育能力検定試験において重要な分野です。
私は残念ながら受験後に気づいたのですが、『日本語教育能力検定試験に合格するための教授法37』はなかなか良い本です。おすすめします。

日本語教育能力検定試験対策本としてのオススメ度:★★★★
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おすすめ参考書 日本語教育能力検定試験に合格するための文法27の感想
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『基礎知識50』
『記述式問題50』
『異文化理解13』
『聴解問題10』
『世界と日本16』
『社会言語学10』
『語彙12』
『教授法37』
『言語学22』
『日本語の歴史30』
『文法27』
『音声23』
『用語集』
の合計13冊も出ている大シリーズなのですが、その中でも2番目の売上を誇るのが『日本語教育能力検定試験に合格するための文法27』です。
なぜ『文法27』が売れるのか?
日本語教育能力検定試験では文法関連がもっとも多く出題されるからです。
巷では「文法を制するものは日本語教育能力検定試験を制す」と言われています。
そのため分野ごとの本は買わないという人でもこっそり文法の本は持っていたりするのです。ですが正直に言いますと、文法はつまらない、というか難しい。退屈で難解で読み進めるのが困難で、勉強が嫌になってしまう本もあるのです。その点『文法27』は、
留学生に日本語を教える中で、どのように文法を説明すればよいのかを考え続けました。その答を本書にまとめました。というように、基本書を読むというよりは、文法入門講座を受講しているような流れになっていますので、比較的取り組みやすい文法書になっています。
(藤原雅憲著『日本語教育能力検定試験に合格するための文法27』4頁より)
また、英語など外国語と日本語を比較しながら文法を説明していますので日本語教師として日本語文法を外国人に教える際には本書の説明をそのまま使えます。日本語教師になってからも役立つのです。
日本語教育能力検定試験対策本としてのオススメ度:★★★

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在留資格と技能実習に介護が加わり外国人介護士という名の移民受け入れが始まった。
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昨年10月に成立した技能実習適正実施・実習生保護法と改正入管難民法は平成29年度あるいは平成30年度の日本語教育能力検定試験に出題される可能性がありますので要チェックです。
日本語教育能力検定試験に出題されそうなポイントは3点
・実習期間が3年から最長5年に延長
・技能実習生の実習先に「介護」を追加
・在留資格に「介護」を追加
在留資格に「介護」が加えられたことで日本語学校の留学生が介護福祉士の養成学校に進学し「介護福祉士」の資格を取得して卒業後は在留資格を「介護」に切り替え介護施設で働くというパターンもありに。
近年激増しているネパール人とベトナム人の日本語学校留学生がさらに増えるかもしれません。
ネパールやベトナムからの日本語学校留学生は出稼ぎ目的が多いらしいですが、今までは「留学」が終われば帰らなければなりませんでした。
技能実習生として来日しても3年しか働けませんでした。
しかし在留資格介護には期間制限がありません(最長5年の更新可)。
すでに介護福祉士養成施設にはアジアからの留学生が急増しているようです。留学生が一般企業に就職するのは難しかったけれど、介護施設は圧倒的人手不足なので外国人介護士は必要とされているはず。だからこその法改正。
日本語教師としては介護分野の専門的な日本語が教えられる能力も必要になるのかな。日本語教師の就職先は広がりそう。
これからは外国人介護士の時代。
日本では日本人に不人気の仕事は労働力不足が続いていて移民を受け入れないとやっていけないのだけれど、日本国民は移民が嫌いなので日本語学校留学生のアルバイト週28時間や技能実習生の3年間で凌いできましたが、それも限界に達したのでしょう。ついに日本も事実上、移民の受け入れが始まりました。今後、日本政府の移民政策に注目です。
diamond.jp
日本でEPAによる外国人介護士の受け入れが失敗した経緯や、台湾やドイツにおける外国人看護師・介護士の実態については『ルポ ニッポン絕望工場』が詳しいです。
・フィリピン、インドネシア、ベトナムとの間でEPAによる外国人介護士・看護師の受け入れが決まった経緯について
フィリピン側は、ちょうど日本と交渉中だったEPAに介護士らの受け入れを含めるよう提案した。一方、日本はEPAを通じ、フィリピンに産業廃棄物を持ち込もうとしていた。そのための交渉材料に使えると判断し、介護士の受け入れを呑んだ。こうして外国人介護士の受け入れは、「人手不足」とはまったく無関係なところで決まっていく。(中略)その後、同じEPAの枠組みで、インドネシアとベトナムからも介護士・看護師の受け入れが決まる。
(引用:井出康博著『ルポ ニッポン絕望工場』110頁)
外国人介護士・看護師の受け入れに投入された予算は、2008年からの4年間だけで80億円に上った。もちろん、私たちが納めた税金である。その間、国家試験の合格者は、介護士と看護師を合わせても104人に過ぎない。つまり、一人の合格者を出すために約8000万円の税金がつぎ込まれたことになる。
(引用:井出康博著『ルポ ニッポン絕望工場』117頁)
・ドイツがフィリピン等との間で2013年から始めた「トリプル・ウィン」という看護師の受け入れプロジェクトについて
トリプル・ウィンは、日本のEPAと似た制度である。外国人看護師が仕事を始める前には、ドイツ側の負担で語学研修が行われる。また、母国で資格を持っていても、ドイツで改めて国家試験に合格しなければ正式に「看護師」とは認められない。ただし、試験のやり方は日本とはまったく異なっている。(中略)日本の国家試験は筆記試験である。しかしドイツの場合、口頭試験で行われる。(中略)日本が受け入れたEPA看護師の場合、2016年の合格率は11パーセントだった。「過去最高」の合格率だとはいえ、429人が受験して合格者は47人に過ぎない。ドイツが「合格」を前提に外国人看護師たちを受け入れているのに対し、日本は意図的に「不合格」にしているわけである。
(引用:井出康博著『ルポ ニッポン絕望工場』128頁)
外国人看護師の試験がドイツは口頭なのに、日本は筆記。
おもしろいなと思いました。私が若かりし頃、日本の英語教育は猛烈に批判されていました。文法・長文読解ばっかりで会話を練習しないから中高6年間英語を勉強してもまるで英語が話せないと。普通の人にとって大事なのは実践的な英会話なのに、知識ばかり文法ばかり重視していた日本の英語教育。
日本語でも同じことをしているとは。
外国人看護師や外国人介護士にとって大事なのは日本語会話力なのに、試験は筆記。
文科省といい厚生省といい、日本のお役所は書面が大好物らしい。ルポ ニッポン絶望工場 (講談社+α新書)
国家試験(国家資格)じゃないけれど日本語教育能力検定試験も筆記試験ですね。日本語教師に求められる能力は口頭で日本語を教える技術であって書面で教えることはないのに。日本人の書き物好きは平安時代からの伝統でしょうか。本日もいとをかし!! 枕草子
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情熱大陸に中塚さんが出ていたのできれいな字を書く練習するため本を開いた。
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MBSが制作しているドキュメンタリー番組『情熱大陸』が好きで、ときどき見ている。
昨日の放送は書家の中塚翠涛さんだった。
番組に見覚えのある本が出てきて愕然とした。

上記記事に書いたとおり、日本語教師になるにはきれいな字で履歴書を書く必要があると考え、この本を昨年末に買ったのだけれど、一度も練習していなかった。
買っただけで字がきれいになったつもりでいた。
私がペン字練習帳を買っただけで満足している間に、著者の中塚翠涛さんはパリのルーブル美術館で展覧会を開いていた。
なんてこった。
情熱大陸によると上記『30日できれいな字が書けるペン字練習帳』のシリーズは累計360万部に達しているらしい。
すごすぎる。
そんなすごい本をほっといたなんて。
私はなんてバカだったんだ。
情熱大陸は私にやる気を与えてくれた。
情熱大陸に登場した中塚さんの書は、きれいな字の見本というレベルではなかった。完璧な芸術品だった。美しすぎて惚れた。
明日からは本気出して、きれいな字を書く練習を始める。
きれいな字を書くコツを掴んでみせる。
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【日本語教師になるには】マンガでよくわかる教える技術、行動科学とは?
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『ルポ ニッポン絕望工場』を読み日本語学校の実態を知ったおかげで、俄然やる気が出てきた。
私はどちらかと言うとMなので、ヤバイ現場には近寄りたくなる性癖がある。
いくつかの日本語学校に履歴書を送り返事を待っていたのだけれど平成28年度日本語教育能力検定試験合格という資格だけでは日本語教師になれないかもしれないという不安に襲われた勢いで東京の某日本語学校が開催している日本語教育実習コース(日本語教師養成実践セミナー)に申し込んだ。実際に日本語を教える方法を身につけるのだ。
日本語教育実習コースは1月下旬開始なので、まだ時間がある。日本語教師実習の心構えに日本語を教えるコツを自習しよう。
そう考えた私は近くの図書館に行き、『教える技術』で蔵書検索した。

私はどちらかと言うと怠け者なので、文章びっちりの本よりもマンガを手に取ってしまう性癖がある。
『マンガでよくわかる 教える技術』(以下、『教える技術』という)を借りて読んでみると、教師の教える技術ではなく、上司が部下に教える技術に関する本であった。
なんてこった。
日本語教師関係ねえ。
でもマンガだから読んでみた。以下は気になった点のメモ
・「教える」とは、相手から"望ましい行動"を引き出す行為である(教える技術47頁)
・一度にたくさんのことを教えない(教える技術98頁)
・外国人へ教える際のポイントは、具体的な「行動」に基づいた指示を出すこと。日本で働く外国人からよく聞くのは「日本人は表現があいまいで、私に何をしてほしいのかわからないことが多い」という声。その解決策は"具体的な行動"に焦点をあてた指示を出すこと(教える技術101頁)
・「行動」の直後に「望ましい結果」、すなわち"ごほうび"を与えるというのが、行動科学マネジメントの考え方。「上司から認められること」「上司からほめられること」がビジネスマンにとっての最高のごほうび(教える技術128頁)。部下の"望ましい行動"に「ほめる」というごほうびを与えて、その行動を繰り返すようサポートする(教える技術130頁)
・叱るときは「行動」を叱ること。その人の人格や性格を叱ってはいけない(教える技術131頁)
次回は、日本語を教える方法が書いてある本を選びたい。
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