日本語教育能力検定試験問題の解説

日本語教師になるには過去問です。大学で日本語教育課程を専攻していない人が日本語教師になるには①日本語教師養成講座420時間コース受講か②日本語教育能力検定試験合格です。独学でも日本語教育能力検定試験に合格できます。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるので日本語教師になるには過去問に慣れることが大事です。本ブログではH23以降の日本語教育能力検定試験を分かりやすく解説しました

Sponsored Link

私が日本語教育能力検定試験の受験を決めたとき、日本語教師養成講座420時間コースにも日本語教育能力検定試験対策講座にも通っておらず情報が全くなかったので、グーグル先生に訊ねました。
独学でも日本語教育能力検定試験合格できるの?」
グーグル先生はいくつかの答えを提示されました。
「試験勉強が得意じゃないと独学はきついかも」
「合格に必要な本は過去問とか完全攻略ガイドとか」
「私は4ヶ月間の独学で合格したけど大変だからすすめないよ」
「僕は6ヵ月かかりました」
「この勉強法なら3ヶ月で合格できるよ」
3ヶ月で合格できるとか言われましても…
仕事の忙しい人が毎日2時間勉強した3ヶ月と、
私のような無職暇人が毎日10時間勉強した3ヶ月では、
全く勉強時間が違うのだけれど。
どっちなんだ。
前者なら、2時間×90日=180時間
後者なら、10時間×90日=900時間
そこで私は自分の勉強時間をメモすることにしました。
合格に要した勉強時間をブログで公開すれば、他にはない情報だからブログのアクセスが上がって私は嬉しい、勉強時間の目安が分かって皆も嬉しい、ということで素晴らしいですね。
ところが、です。
合格したことで初心を忘れ、日本語教育能力検定試験の勉強時間とか勉強スケジュールを書くのをすっかり忘れていたのです。
そんな私のもとに「独学で合格するためのアドバイスが欲しい」とのメールが届きました。
また、ツイッターでも「日本語教師としての将来のために日本語教育能力検定試験の勉強がどう役立つの知りたいのにそういうブログがない」というような嘆きを拝見しました。
後者の、日本語教師に役立つ日本語教育能力検定試験の知識に関しては超おすすめの本を最近発見しましたので、次回の更新でご紹介します。
今回は、独学で日本語教育能力検定試験に合格するためのスケジュールを考えます。

日本語教育能力検定試験の合格率

日本語教育能力検定試験の合格者数の推移や平均点は、JEES(日本国際教育支援協会)のサイトで公表されています。
2016年の試験では、
応募者が6167人、全科目受験者が4909人、合格者が1231人です。
応募者が6167人なのに、全科目受験者は4909人しかいません。毎年同じように、2割の人が消えています。
なぜか?
日本語教育能力検定試験が思ったより難しかったから最後まで戦わず諦めたのです。
2016年の試験は簡単で合格者も多かったのですが、
それでも、
応募者に対する合格率が、19.9%
全科目受験者に対する合格率が、25.0%
です。
合格者はたったの2割
ほとんどの人が受からない試験。
それが日本語教育能力検定試験です。
2015年の試験では、
応募者が5920人、全科目受験者が4727人、合格者が1086人です。
応募者に対する合格率が、18.3%
全科目受験者に対する合格率が、22.9%
となっています。
日本語教育能力検定試験合格率20%しかない難しい試験なのです。
難しい試験に対しては、きっちりとした対策が必要です。

日本語教育能力検定試験の合格点

日本語教育能力検定試験は、午前中に行われる試験Ⅰの配点が100点、午後の試験Ⅱ(聴解問題)の配点が40点、最後の試験Ⅲの配点が100点、合計240点満点になっています。
日本語教育能力検定試験は7割とれれば受かると言われています。
240×0.7=168点
合格点は168点ということです。
各年度ごとの具体的な合格点・平均点の推移については、
有志の方が作成した『日本語教育能力検定試験合格最低点推移』が詳しいのでご参照ください。
上記リンク先の分析によると、
2016年の合格最低点が165点
2015年の合格最低点が158点
となっています。

日本語教育能力検定試験合格に必要な勉強時間

私が日本語教育能力検定試験の解説をこのブログに書き始めた9月17日から試験前日の10月22日までは、1日平均12時間勉強していました(本ブログに解説を書くことも勉強時間に含めています)。9月17日以前はメモによると72時間勉強していました。
合計の勉強時間は約500時間になります。
500時間勉強した結果、私は余裕で合格できました。
勉強・試験が得意な人であれば、半分の250時間でも十分合格できると思います。もちろん直前期の250時間です。記憶は時間が経つとあいまいになりますから試験1ヶ月前の1時間と試験1年前の1時間では全く価値が違います。
普通の人でも、ぎりぎりでの合格で良いなら、落ちるリスクを取るならば、
直前期の200時間から300時間でいけるでしょう。
でも、
受かるに決まっているという状態で精神的に余裕を持って受験に臨みたいですよね。
仕事がある人は直前期に時間が取れませんよね。
であれば、500時間(知識ゼロからの場合)です。
そもそも日本語教育能力検定試験は合格が目的ではありません。
日本語教師になること、日本語教育に役立つ知識を得ることが目的です。
最低限の勉強ではなく、きっちりと時間をかけて学びたい。
短時間の勉強は短時間で忘れてしまいますから。
というわけで、500時間です。

いつから勉強を始めるべきか?

いまからです。
日本語教育能力検定試験は毎年10月の第4日曜日に行われており、
2017年の場合は、2017年10月22日になります。
今日から計算すれば、あと260日あります。
あと260日しかありません。
毎日2時間勉強すれば520時間になります。
今日から毎日2時間勉強すれば余裕で合格できます。

合格するための具体的な勉強方法

日本語教育能力検定試験の試験範囲はこちらの記事に書きましたが、範囲が広すぎるのでやみくもに手を付けていたら終わりません。日本語教育能力検定試験ではよく出題される項目があります。例えば試験Ⅰの問題4は教授法、問題5は教材というように。ですから、なるべく早くなるべく多くなるべく繰り返し過去問を解くことで、日本語教育能力検定試験の傾向を身につける必要があります。 
もちろん試験が得意な人は直前期にちょいちょいと過去問を1年分解くだけで合格することも可能でしょう。しかし試験が苦手だという人は、なるべく早く過去問に触れてください。過去問を解き、完全攻略ガイドの周辺分野を読み込むのです。
平成23年度から昨年までの6年分の過去問は、問題数にして合計1320問(記述問題を除く)あります。この1320問が95%以上正解できるまで繰り返し解くのです。500時間は30,000分。1320問で割ると、22.7分です。
500時間と聞くと、たくさん時間がありそうですが、1問あたりで計算すると23分にも満たないのです。
だから一刻も早く過去問に取り組まねばなりません。過去問を解いて分からないことがあれば本ブログの解説を見てください。本ブログの解説を見ても分からない場合、解説に疑問がある場合は、当該記事からコメントください。お答えします。誤字・脱字を発見した場合もご連絡頂けると助かります。

それでも不安な方は下記記事をご参照ください。
合格率23%の日本語教育能力検定試験を合格率50%にする方法とは?

 

スポンサードリンク


日本語教育に関するブログ にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へにほんブログ村

Sponsored Link

この記事は日本語教育能力検定試験対策におすすめの参考書というカテゴリですが、正直に言います。私が『日本語教育能力検定試験に合格するための教授法37』を読んだのは、日本語教育能力検定試験受験後です。受験前には読みませんでした。教授法に関しては、『おすすめテキスト 日本語教育能力検定試験に合格するための異文化理解13の感想』に書いたとおり、『日本語教育能力検定試験に合格するための異文化理解13』で学んでいたので不要だろうと思っていたのです。
間違いでした。
もちろん、最低限の労力で、受かることだけを考えるならば、五つ星の本である『過去問』と『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド』だけでよいのですが、より高みを目指すならば、『日本語教育能力検定試験に合格するための教授法37』も必要だったのです。
具体的にいうと、『モジュール型教材』です。
モジュール型教材というのは、日本語教育能力検定試験が好きなワードの一つで過去問にも何度か登場していました。なのに私はあいまいな理解のまま本試験に臨んでしまい、間違えてしまいました。解説も間違えてしまいました。

nihongokyouiku.net


『日本語教育能力検定試験に合格するための教授法37』の111頁を読んでおけば、こんな過ちを犯すことはなかったのです。
日本語教育能力検定試験では、試験Ⅰの問題4で教授法が、問題5で教材・シラバスが、毎年出題されます。

kyujin.nihongokyouiku.net

  

kyujin.nihongokyouiku.net 
 

試験Ⅲでは、実践的な教室活動に関する出題もあります。
『日本語教育能力検定試験に合格するための教授法37』を読めばそれらの問題に対応できるのです。
私は「教授法」という言葉から、文法翻訳法、ナチュラル・メソッド、ベルリッツ・メソッド、フォネティック・メソッドなど外国語教授法について書かれた本だと思っていたのですが間違いでした。
もちろんそれらの外国語教授法についての説明もありますが、最終章第5章170頁以降にすぎません。
『日本語教育能力検定試験に合格するための教授法37』における「教授法」とは、もっと広い意味での教授法でした。「日本語を外国人にどう教えるか」という意味の教授法でした。
具体的には、
第1章 コース・デザイン
第2章 教室活動
第3章 教材・教具
第4章 評価
第5章 外国語教授法と日本語教育
という構成になっています。
これらはいずれも日本語教育能力検定試験において重要な分野です。
私は残念ながら受験後に気づいたのですが、『日本語教育能力検定試験に合格するための教授法37』はなかなか良い本です。おすすめします。

日本語教育能力検定試験に合格するための教授法37 (日本語教育能力検定試験に合格するためのシリーズ)  

日本語教育能力検定試験対策本としてのオススメ度:★★★★

スポンサードリンク


日本語教育に関するブログ にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へにほんブログ村

Sponsored Link

アルクの日本語教育能力検定試験に合格するためのシリーズは、
『基礎知識50』
『記述式問題50』
『異文化理解13』
『聴解問題10』
『世界と日本16』
『社会言語学10』
『語彙12』
『教授法37』
『言語学22』
『日本語の歴史30』
『文法27』
『音声23』
『用語集』
の合計13冊も出ている大シリーズなのですが、その中でも2番目の売上を誇るのが『日本語教育能力検定試験に合格するための文法27』です。
なぜ『文法27』が売れるのか? 
日本語教育能力検定試験では文法関連がもっとも多く出題されるからです。
巷では「文法を制するものは日本語教育能力検定試験を制す」と言われています。
そのため分野ごとの本は買わないという人でもこっそり文法の本は持っていたりするのです。ですが正直に言いますと、文法はつまらない、というか難しい。退屈で難解で読み進めるのが困難で、勉強が嫌になってしまう本もあるのです。その点『文法27』は、
留学生に日本語を教える中で、どのように文法を説明すればよいのかを考え続けました。その答を本書にまとめました。
(藤原雅憲著『日本語教育能力検定試験に合格するための文法27』4頁より)
というように、基本書を読むというよりは、文法入門講座を受講しているような流れになっていますので、比較的取り組みやすい文法書になっています。
また、英語など外国語と日本語を比較しながら文法を説明していますので日本語教師として日本語文法を外国人に教える際には本書の説明をそのまま使えます。日本語教師になってからも役立つのです。

日本語教育能力検定試験対策本としてのオススメ度:★★★

日本語教育能力検定試験に合格するための文法27 
 

スポンサードリンク


日本語教育に関するブログ にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へにほんブログ村

Sponsored Link

昨年10月に成立した技能実習適正実施・実習生保護法と改正入管難民法は平成29年度あるいは平成30年度の日本語教育能力検定試験に出題される可能性がありますので要チェックです。

日本語教育能力検定試験に出題されそうなポイントは3点
・実習期間が3年から最長5年に延長
技能実習生の実習先に「介護」を追加
在留資格に「介護」を追加

在留資格に「介護」が加えられたことで日本語学校の留学生が介護福祉士の養成学校に進学し「介護福祉士」の資格を取得して卒業後は在留資格を「介護」に切り替え介護施設で働くというパターンもありに。

近年激増しているネパール人とベトナム人の日本語学校留学生がさらに増えるかもしれません。
ネパールやベトナムからの日本語学校留学生は出稼ぎ目的が多いらしいですが、今までは「留学」が終われば帰らなければなりませんでした。

www.nhk.or.jp


技能実習生として来日しても3年しか働けませんでした。
しかし在留資格介護には期間制限がありません(最長5年の更新可)。
すでに介護福祉士養成施設にはアジアからの留学生が急増しているようです。留学生が一般企業に就職するのは難しかったけれど、介護施設は圧倒的人手不足なので外国人介護士は必要とされているはず。だからこその法改正。
日本語教師としては介護分野の専門的な日本語が教えられる能力も必要になるのかな。日本語教師の就職先は広がりそう。

これからは外国人介護士の時代。
日本では日本人に不人気の仕事は労働力不足が続いていて移民を受け入れないとやっていけないのだけれど、日本国民は移民が嫌いなので日本語学校留学生のアルバイト週28時間や技能実習生の3年間で凌いできましたが、それも限界に達したのでしょう。ついに日本も事実上、移民の受け入れが始まりました。今後、日本政府の移民政策に注目です。
 
diamond.jp 
 
日本でEPAによる外国人介護士の受け入れが失敗した経緯や、台湾やドイツにおける外国人看護師・介護士の実態については『ルポ ニッポン絕望工場』が詳しいです。

・フィリピン、インドネシア、ベトナムとの間でEPAによる外国人介護士・看護師の受け入れが決まった経緯について

フィリピン側は、ちょうど日本と交渉中だったEPAに介護士らの受け入れを含めるよう提案した。一方、日本はEPAを通じ、フィリピンに産業廃棄物を持ち込もうとしていた。そのための交渉材料に使えると判断し、介護士の受け入れを呑んだ。こうして外国人介護士の受け入れは、「人手不足」とはまったく無関係なところで決まっていく。(中略)その後、同じEPAの枠組みで、インドネシアとベトナムからも介護士・看護師の受け入れが決まる。

(引用:井出康博著『ルポ ニッポン絕望工場』110頁)

外国人介護士・看護師の受け入れに投入された予算は、2008年からの4年間だけで80億円に上った。もちろん、私たちが納めた税金である。その間、国家試験の合格者は、介護士と看護師を合わせても104人に過ぎない。つまり、一人の合格者を出すために約8000万円の税金がつぎ込まれたことになる。

(引用:井出康博著『ルポ ニッポン絕望工場』117頁)


・ドイツがフィリピン等との間で2013年から始めた「トリプル・ウィン」という看護師の受け入れプロジェクトについて

トリプル・ウィンは、日本のEPAと似た制度である。外国人看護師が仕事を始める前には、ドイツ側の負担で語学研修が行われる。また、母国で資格を持っていても、ドイツで改めて国家試験に合格しなければ正式に「看護師」とは認められない。ただし、試験のやり方は日本とはまったく異なっている。(中略)日本の国家試験は筆記試験である。しかしドイツの場合、口頭試験で行われる。(中略)日本が受け入れたEPA看護師の場合、2016年の合格率は11パーセントだった。「過去最高」の合格率だとはいえ、429人が受験して合格者は47人に過ぎない。ドイツが「合格」を前提に外国人看護師たちを受け入れているのに対し、日本は意図的に「不合格」にしているわけである。

(引用:井出康博著『ルポ ニッポン絕望工場』128頁)

外国人看護師の試験がドイツは口頭なのに、日本は筆記。
おもしろいなと思いました。私が若かりし頃、日本の英語教育は猛烈に批判されていました。文法・長文読解ばっかりで会話を練習しないから中高6年間英語を勉強してもまるで英語が話せないと。普通の人にとって大事なのは実践的な英会話なのに、知識ばかり文法ばかり重視していた日本の英語教育。
日本語でも同じことをしているとは。
外国人看護師や外国人介護士にとって大事なのは日本語会話力なのに、試験は筆記。
文科省といい厚生省といい、日本のお役所は書面が大好物らしい。

ルポ ニッポン絶望工場 (講談社+α新書)  

国家試験(国家資格)じゃないけれど日本語教育能力検定試験も筆記試験ですね。日本語教師に求められる能力は口頭で日本語を教える技術であって書面で教えることはないのに。日本人の書き物好きは平安時代からの伝統でしょうか。
本日もいとをかし!! 枕草子 


スポンサードリンク


日本語教育に関するブログ にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へにほんブログ村

Sponsored Link

書は人なり

MBSが制作しているドキュメンタリー番組『情熱大陸』が好きで、ときどき見ている。 
昨日の放送は書家の中塚翠涛さんだった。
番組に見覚えのある本が出てきて愕然とした。

30日できれいな字が書けるペン字練習帳 (TJMOOK)  
 

nihongokyouiku.net


上記記事に書いたとおり、日本語教師になるにはきれいな字で履歴書を書く必要があると考え、この本を昨年末に買ったのだけれど、一度も練習していなかった。
買っただけで字がきれいになったつもりでいた。

私がペン字練習帳を買っただけで満足している間に、著者の中塚翠涛さんはパリのルーブル美術館で展覧会を開いていた。
なんてこった。

情熱大陸によると上記『30日できれいな字が書けるペン字練習帳』のシリーズは累計360万部に達しているらしい。
すごすぎる。
そんなすごい本をほっといたなんて。
私はなんてバカだったんだ。
情熱大陸は私にやる気を与えてくれた。
情熱大陸に登場した中塚さんの書は、きれいな字の見本というレベルではなかった。完璧な芸術品だった。美しすぎて惚れた。
明日からは本気出して、きれいな字を書く練習を始める。 
きれいな字を書くコツを掴んでみせる。 

スポンサードリンク


日本語教育に関するブログ にほんブログ村 教育ブログ 日本語教育へにほんブログ村

↑このページのトップヘ